9-5「おや?ドラゴンの様子が?」
新たな武器を担いで外に出ると丁度ドラゴンが飛んでくるところだった
管理棟の近くに来るとホバリングを始めるが、翼は動いていない
ちなみに竹刀は腰ベルトに刺してある
見た目は西洋風のドラゴンか
翼があって手足も見える
ぶっとい尻尾が・・・犬?ってくらいばたばたしてるぞ
〈〇×▽◇§°÷〉
こっちに向かって吠えてくる
ドラゴンの言ってることはわからんが、そりゃ仲間が叩き落されれば文句も言いたいのだろう
〈ぶ×く◇§°÷〉
??
吠えてる中に何か言葉が聞こえたような気が?
〈ぶたくわせろなのじゃ〉
!!!
完璧に日本語じゃないか?
『鳴き声に思念波を乗せていたので解析して翻訳しました』
君、ほんとに私の脳内にいるのか?
便利すぎるだろ
「あの豚は私らの仲間のだ
勝手に食われるわけにはいかない
しかもお前らの大きさじゃ、あっという間に群れが居なくなるわ」
通じるのかね?
〈我らはドラゴンだぞ?
食いたいときに食いたいものを食う
それを止めるなら我を倒してからにせい!〉
はい、わかりました
肩に担いでいた無反動砲を構えてロックオンし、グリップにある発射ボタンを押す
飛んで行ったロケット弾が空中で展開してドラゴンに向かう
避けようとしたところに子機を打ち込み極細チェーンを展開する
チェーンを起点にぐるぐる巻きに巻いて、藻掻こうとした羽根や足、腕が変な状態でからめられる
羽根が動かなくても浮いているのだから、物理的な浮力とかではなく魔法なのだろう
当然極細とはいえ魔術生成チェーンはいくらドラゴンだろうが切れやしない
〈こんなことをしてタダで済むと思っているのか!〉
はいはい、お約束ですね
弾を切り替え、はみ出ている羽根を無造作に撃ってみる
伸びたままの羽根、その飛膜に当たって丸く穴が開く
〈なんじゃと?!
どうやって魔術障壁をかいくぐった?〉
いえいえ、試しに作ったイレース弾ですよ
まあ、いちいち教えてやる義理はないけどね
「ご主人様!ご無事ですか??」
ヴェルーリアの声がドアが開くと同時に聞こえてきた
直後、
「先輩!ヴェルーリアがそっちに向かいました!」
ドアを振り返り姿を見て
「そうみたいだね、もう屋上に来てるよ」
この娘、どうやって最下層から最上階まで来たんだ?
「申し訳ありません
大豚を見つけて戻る途中でドラゴンに見つかり、1匹犠牲になりました」
こいつら、既に食ってやがったのか
「お前、もうこっちに被害でてるそうじゃねぇか?
襲って食う以上、自分が食われるのも覚悟してるんだよな、当然?
ドラゴンの肉は甘くて旨いと聞くが実際はどうなんだろうな?」
そう言いながら無反動砲のモニターを操作して弾頭を切り替える
逃げようとしているのだろうが、ぐるぐる巻きのチェーンで羽ばたけないから移動できないのか、藻掻いてはいるが殆ど動いていない
近接信管にして構え、頭を照準に入れる
「まずはおとなしくなってもらおうか」
撃った弾は避けきれていないドラゴンの頭のすぐ近くで炸裂
まさに直近での炸裂、効果は最大
わずかな間をおいてドラゴンの体が揺らぎ、そのまま落下する
気絶して魔法が切れたのだろう
ヴェルーリアを促し地上まではスロープで降りる
ある程度の時間は経っているはずだが、ドラゴンは目を覚ましてはいない
やれやれ
乾いた金属音が響き始める
ドラゴンの巨体が揺らいでいる
気がついたのか?
ヴェルーリアは今のところ武装も防具もないし下がらせるか?
そう思っていた所、突然チェーンが崩れ落ちた
巨体が消えた??
そう思って駆け寄る
チェーンに埋もれた人が見えた
人??
なんで???
はい、お約束です




