9-2「猪娘のお着換えと共同浴場づくり」
ちゃんと服を作ってくれた、と思ったのだが阿部ちゃんは何故かどこぞの制服アイドルを模した服を着せてきた
初のロングスカート娘だが・・・
「ヴェルーリアは受けた限りだけど攻撃が蹴り主体なのね
スカートはまずいでしょ?」
そう抗議したのだが、阿部ちゃんは
「大丈夫ですよ!ほら!!」
ヴェルーリアのスカートを盛大にたくし上げる
成程、スパッツだ
だからいいと?
「どうです?完璧でしょ
それとも残念でしたか?」
含み笑いしながら顔を近づけてくる
人を何だと思ってるんだか
「あのさ、見るほうやるほうは楽しくてもやられる方を見てごらん?」
ヴェルーリアだけでなく、3人娘も若干赤面してるよ
貫頭衣だけであれやられたらどうなるか、さもありなん
それでもめげないのが後輩くんだ
「あの恥ずかしがるそぶりもそそりませんか?
ね?先輩?」
どこに行こうとしてるんだよ、君
癖を隠しなさい、癖を
気を取り直したヴェルーリアにも塩結びと味噌汁を出して、自分も食べ始める
カホルがお茶を用意してくれるとのことで、それを待ってすっかり狂った今日の予定を話す
おっさんに人を引き連れてきてもらって家の組立準備を始める
中心部に管理棟と共同浴場を作る
行方不明の大豚を探しに行く
1つ目はまたカホルに運転を頼んでおっさん共々町に行ってスタッフを連れ帰ってもらう
2つ目は私が作りに行くが、サポートをアウラムにしてもらうか
最後の大豚探しはヴェルーリアは必須だし、移動距離考えると装甲車だしたほうがいいだろうからドライバーを阿部ちゃんに頼むことになるね
・・・一応、ストッパーにフレイアについて行ってもらおう
役割分担をしてこの世界で3日目のお仕事開始
地上部までは装甲車で移動して、阿部ちゃんにドライバーチェンジして追跡組はそのまま外出
フレイアには簡単に装甲車の武装の使い方をレクチャーしておいた
無いとは思いたいけど、万が一襲われた時はガンナーになってもらう
あと、接近戦が起きた場合阿部ちゃんは弓になるからどうしても近距離戦が不利になる
そこに近接2名ついていて貰えば最低でも1名はガード、1名はアタックに回ってもらえるだろう
まあ、アタックはヴェルーリア一択だろうけどね
カホルとおっさんは既に1度行っているし、ごねられても説得のサポートも期待できるのは大きい
管理棟はやりたいことがあるからアウラム必須なんだよね
残った全員でなんだかんだ雑談しながら都市部に戻り、カホル達はモートラで出発して私とアウラムは中心部に向かう
クリエイトであっという間に管理棟が建つ
5階建てくらいを考えていたが、今回の大豚突撃のようなことも考えて見通しが効くことと避難所を兼ねて10階建てにしてしまった
ただ、それでは魔牛飼育場と同じく高低差で上階との移動が大変になるので動く歩道のスロープ版を作って各階を繋ぐ
エスカレーターに比べるとはるかに単純な構造なのが自前で整備させるにも都合がいい
先に地下とのシャフトに移動して、新たにシャフト外壁にモノレールのようなエレベーターを作る
本来は上か下にある軌道と駆動輪をラックとピニオンにして噛み合わせてらせん状の軌道を昇降させる
普通の垂直式エレベーターでもよかったのだけれど、メンテナンスや安全性を考えるとこっちのほうが作りやすかった、というだけだ
これも二重螺旋で2基同時に運転可能にしてある
魔素供給とコントロールは軌道を伝って行うので魔素切れもまずないだろう
ガラス張りで外が見えるようにしたのもあって、試乗ではアウラムが固まってしまった
動く箱がだんだん高いところに向かうなんて初体験だろう
すっかり気疲れしたアウラムを励まして共同浴場づくりに向かう
丁度おっさんが町民を連れてきたようだ
既に用意してあるキットと、昨晩おっさん家族が泊まった家を見て作業をイメージしてもらう
事前におっさん達が話をしてたからか、私を見て怖がる奴は居なかった
外壁に当たる部位を赤、青、黄、緑、白と5色にして作成することで、同じ形状の家でも区別がつくようにしておく
将来的に自分たちで1から作れるようになるまでは我慢してもらおう
わからないところは実物見ながら、まずは作ってもらう
嵌められるようにしか嵌らないはずなのと、方向性がわかるようにマーキングもしてあるのでそうそう間違えないはずだが、一度自分らで考えてやってもらって失敗しても成功しても自分で考えてもらいたい
現場はカホルに任せて、浴場づくりに戻る
昔ながらの銭湯でいいのだけれど、この世界の倫理観とか羞恥心とかがどの程度なのかたった3日では測りかねてたりする
もしかして女湯との間仕切りを超えようとする奴が出てこないとも限らないし、ヴェルーリアのような脚力だと飛び越えてくるかもしれない
円形の浴槽とそれに沿った洗い場、外に屋根付き露天風呂を作って間に脱衣所を設ける
線対称で同じものを作って空けておいた建屋を繋ぐように機械室と入り口、下足場と番台を設ける
配管はお手の物だし、給湯設備もキングキャッスルの浴室と同じ自動制御に自動給湯、おまけにかけ流しにして衛生面にも気を遣う
排水処理はやはり地下の魔牛の施設で行わせる
屋根に関しては本来小さめにしたかったのだけれど、近くに高層で管理棟を作った関係で覗けてしまうのは誤算だった
その対策でオープンエアではあるけど風情はなくなってしまったのは残念
男湯女湯はポピュラーは青と赤のアイコンにした
色、形状は単純明快なほうが間違いづらい
お湯を張り、カランなども正常に動くことを確認してアウラムに浴室を見てもらう
キングキャッスルの浴室と違い男女別であることと、外にある浴室に驚いていた
「入ってみるかい?」




