7-3「どうするどうする、どうする?」
基本的にものづくりをしないこの【世界】では畜産だけでなく農業すらもないようだ
それはそうだろう、肥料を作るとか畝を作るとかなんだかんだと知識も資機材も必要
初めての町があの有様では肥料のためにと肥溜めすら作れてないだろうからね
「野菜を自分たちで育てて収穫するのが農業なんだよね
大変だけどある程度採れる量が分かるし、努力次第では量を増やすこともできる
そうなれば魔牛を育てて食べるのと同じく食べ物に困ることは少なくなってくると思う
魔牛に出会って倒して肉にする、森に入って山野草を探して採る、というのは運や天候なんかの要因で計画的に用意することって難しい
食べ物の安定供給って大事だからね」
特にフレイアが食いついてる
やっぱ食べ物優先、か?
「町長次第だけど、人数を分けてそれぞれ1つの町で管理できればやりやすいこともあるから、その辺も含めて進めていきたい、と考えてる」
「ところで先輩、牛育てたり野菜育てたりってやったことあります?」
後輩君はズバッと聞いてくる
「いや?少なくとも畜産系は全く知らん
野菜は家庭菜園レベルなら少々、かな
資機材の基本的なものならわかると思うけどね」
知識については弥生さんに全面的に頼るつもりだわ、こればっかりは
『おまかせください』
頼りにさせていただきます
とりあえず魔牛が居る穴の周囲に第一警戒線として防護壁をクリエイトする
直径1kmあれば十分、と見立てて作ったが高さも5mにしたせいで結構でかい
開けた穴の直径をおよそで計算しただけだったから実寸を測る機材を作っておけばよかった
方角とか考えずにただ穴作って牛がいる方向に向けて搬入路としての斜路を作ったものだから、それをベースにして作っていくわけで既に都市計画とかではなく場当たり的なものになってしまったのは反省点だな
斜路出口から少々離して先に作った防護壁と同じサイズのものを作る
それらを斜路に沿って防護壁で繋ぐことで通路とし外構は完成、とした
円形と直線の交点はイレースで消せば円形部を繋ぐ通路が完成、となる
消したところには新たに門を作り、通路の中点にも両方の壁に門を作って外部との出入りにしておく
セキュリティ上、円形都市に直接入れないのは万が一攻撃された際に防御しやすい
将来的にはともかく今の工業水準の低さでは防護壁を超える方法はかなり手間がかかるものしかないだろうし、例え魔牛のメスでも流石に一発目の5mは超えれるだろうか?
超えたとしても第二警戒線以降で止まれば安全、と考える
都市から直接出入りできない不便さはあるが、移動手段はあとあと不便だと思ったら自分らで作るように教え込んでいくべきだし、不便を知るのもものづくりの意欲にも繋がるだろう
魔牛の牛舎の上に蓋となる都市、こちらを居住区と呼ぶか、と円形地下空間中心あたりを繋ぐ心柱ならぬ二重螺旋構造での階段及びスロープを内蔵した巨大な円柱のシャフトを作った
大物は斜路、日用品などはスロープで落とす使い分けをしてもらう
斜路に入るためにもう一つの都市、こっちは農業区か、前まで都度運ぶのは大変かと思うのだが、逆に下で出来たものを上げるのは現状では斜路を使うしかない気がする
まあ、将来的に人力エレベーターでも作ってもらうかね
シャフトの上層都市部中心から少々オフセットしているのは、都市のど真ん中に管理用の建物を作るつもりだからだ
360度見やすいってのもあるけど、斜路からシャフトを使って真っすぐ最重要部にアクセスできてはこれまた侵攻されたりしたらよろしくないよね
なので中心部に作る第三警戒線防護壁より外にするつもりで位置を決めて別途門を付けておいた
中心の建物は5階建てくらい
これだけは最悪住民の逃げ込み場所とすべくがっちりクリエイトで作っておきたい
まあ、小規模の企業ビル程度になるけどね
防護壁内の余剰スペースには共同浴場とキッチン付きの集会場を別途用意予定だ
まだまだ余裕はあるのだけれど、最初から全部作っておくのでは考えることをしなくなるだろう
あと、同心円状に配置予定の住宅についても少々
家は全てキット化して作らせるようにして、作った家は個人のものにしようと考えている
で、問題なのは上下水道などのインフラ、だ
キングキャッスルと同じスタンドアローン形式が手っ取り早いが、やはりそれでは作り手が育たないだろう
おっさんが戻ってくるまで保留にしておくか
そう思ってたら丁度土ぼこりを上げながらモートラが帰ってきた




