7-2「都市計画」
話も終わってそろそろ食べ終わろうかという段になっておっさん、気が付いたようだ
起き上がってこっちに来るけど、なんかすらっとして見えないか?
全員、誰?って顔してるんですけど?
「俺、いったいどうしてたんだ?」
そういう声は確かにおっさん
ただ、元々でかかっただけに見た目がどこぞのバレーかバスケットの選手みたいに手足が長くすらっとしてしまっている
ひげ面ともじゃもじゃ頭は変わらんが
「おっさん、だよな?
なんか体に違和感とかないか?」
「ん?特にないも感じないぞ?」
嘘だろ、それだけ変わってたら
見た目が全く違うことを伝えると自分の手足を見て驚いていた
どちらかといえばずんぐりむっくりだっただけに引き締まった筋肉質の手足を見ただけで納得したらしい
しかし。これで町に戻ってもなりすまし詐欺どころではないかも
「家族はいるのか?」
一番手っ取り早く理解してもらうしかないか
「番と子供ならいるぞ」
一瞬悩んでしまった
番って今どき蝶番くらいしか日常で聞かないぞ
阿部ちゃんは
「奥さんってことですよね?」
って小声で聞いてくる
私より更に若いんだから余計に使わないよね
「家に戻って家族にちゃんと説明してから続きを話ししよう
誰か一緒に行ってもらうから説明して、できれば家族を一緒に連れてきて改めて相談したい
その間に少しやっておくことがあるからさ」
本来なら賢者であるフレイアに行ってもらいたいのだが、どうも私の中での彼女への尊敬度が若干低めであることもあって今回はカホルに同行と見た目の変化、それに今後について補足説明を頼んだ
おっさんをまずは同一人物として家族に認められないと困るからね
カホルにもモートラの運転説明はしてあるのでこちらへ来た時同様おっさん、もとい町長を載せて出発してもらう
帰ってくるまでにこっちはこっちで新たにやることを作る
「あんまり考えてなかったけど魔牛の管理をしてもらうにあたって、町そのものをこっちに移動しようと思ってる
魔牛の牛舎というか住まいがでかすぎるので、その上を再度整地して町にしよう」
黒板でもあればいいのだが、流石にここで作る気にはならない
スケールモデルって作れるかね、と思いイメージを描いてクリエイトしてみる
2m×4mほどの模型が出来上がった
よく工場とかなんとかドームとかのロビーに置いてるような奴
入り口を含めた搬入路までを第一警戒線として外周壁、第二警戒線を魔牛を入れてる穴より少し広めにとって作る
上部の逃走防止網をある程度換気と灯り採りとして確保して防壁を第三警戒線として製作
その中に居住地区を作るって寸法だ
同心円の単純な都市構造だが、全く何もない今の町と比べればかなりレベルが上がるはずだ
あとは現在地からの移動の説得と、そのあとの業務分担なり組織作りも考えてもらわないといけない
やることだけ示しておっさんにぶん投げるか
こういったある程度の規則性を持たせての都市計画などはまず行われていないのだろう
同心円状の道路を少しずつずらして放射状に道路で繋ぎわざと交通障害と見通しを悪化させる
中央部に広場と集会所を作って少々高くして防壁を見られるようにする
防壁内側に防護を固めた物見櫓を作る
家についてはおっさんの言から100世帯分あれば十分、とのことだったのでここはまず
「自分らで家を組み立てる」ことを覚えされようと思う
この町には魔牛の育成管理とそれに伴って排出される寝藁や排泄物を使っての農耕を中心にした食物生産を最優先で自分らのものにしてもらう
衣食住、の食をまずはある程度安定させたい
食い物は争いの元にもなるだろうから、魔牛だろうが他都市の人だろうが対抗できる程度の防御力を持たせておく
そのためには現在の魔牛飼育場上のサイズでは足りなくなるはず
搬入路出口の先にももう一つ防壁で囲ったエリアを作って、そちらを農業用、こちらは居住用に区分けする
それらを含めた模型都市は鉄アレイのような形になっている
片側の直径が600mを超えるのはなかなかの大きさだ
「これ見て実際に出来上がった姿を想像できるかな?」
模型を前に食いついている3人娘に声をかける
装甲車や魔牛のモデルもあるので相対的なサイズを、簡単な説明で都市構造と目的は何となくつかめたようだ
フレイアがおずおずと尋ねた
「ノウギョウ、っていうのはなんでしょう?」
あ、こっちも森の恵みがー、って奴だったか




