ZERO DAY-4「プロジェクトの最終目標」
つらつらとおねえさんは話を続ける
『もちろん、あなた方お二人には仕事を押し付ける形になるのでいくつかのメリットをご提供させていただきます
ただ働きとかじゃ責任も持ってもらえないですし、そもそもそんなことしたら上に怒られますし』
世のブラック企業経営者に聞かせたい話だ
しかし、安易にこのおねえさんの話って信用していいのか????
『えっと、大丈夫というか神と言われる私たちは嘘をつけないんです
だから口から発した言葉はすべて真実なのです』
それがそもそも怪しい・・・・ってあれ?疑念は声に出してないはず?
てか神?
やっぱり神様なのか?
後輩と顔を見合わせる
『一応こういうお仕事なので思考が読めるのですよ』
これはめんどくさいな
『ごめんなさいね、めんどくさくて』
あら、本当に考えが伝わってるみたい
『お隣の彼女はずいぶんわくわくしてるみたいですけど?』
もう一度後輩の顔を見るとなんかめっちゃ目がキラキラしてるんですけどー?
「これってあれですよね?
よく言う異世界転移とか、そういったジャンルのアニメとか小説とか漫画とかの話と同じなんですよね????
異世界モノって読んでて楽しいですけど、まさか自分が主人公になれる日が来るなんて!!」
確かにそれっぽいですけど、現実に自分の身に起きたら困りませんか?
つか君、そういうの大好きだったっけ?
『そちらの世界ではそういったもので広まっているようですね
確かに異世界転移と言えるのでしょうがこれはお仕事、大げさに言えばあなた方にとっては神からの使命ともいえるものなのです』
使命ねぇ
失敗したら魂消されるとか地獄に送られるとか、デメリットあったら嫌だなぁ
『失敗したら異世界での3年については記憶を抹消してからあなた方の世界に戻して、全てなかったことにするだけですよ
不達成のペナルティとかいうのはありません
半ば無理矢理に指名して使命を与えてるんですから、そこまでやったらあくどすぎますよね』
ちょびっと後輩と話したほうがいいよね
おねえさんにはどうせ考えが筒抜けだし、その場で相談をすることにした
「ねえ、どう思う?」
「冒険みたいで面白そうだしもっと話を聞いてみたいです」
「確かにそうだけど、むしろどういう世界に送られるのか?どういう権限があるのか?とか命の危険はないのかとか、ペナルティ無いと言われたって無責任って訳にもいかないしまず確認した方がよくないかな?」
「そうですね
紀元前とか戦時中とかに送られても困りますし
いや、そもそも人間じゃない生物の世界とか空気がない世界とか、価値観その他まるっきり地球と違う星って可能性もあるし、ちゃんとヒアリングしましょう!」
ということです、と思っただけでおねえさんが話はじめた
『あなた方に担当してもらう予定なのはこちらの世界で言えば産業革命前くらいの世界です
世界は地球のような惑星ではなく三角錐のような形状をしている平面世界の立体化、正四面体といえばいいかしら
4面全てが別の世界になっていてそれぞれに管理者が存在していて、それぞれ接している世界に対して相互監視と牽制をしてバランスを保っています
あなた方はその正四面体の1面に行っていただきます
物理法則は基本的に地球と同じですが、世界としては閉じられた平面世界になりますね
空気や水など物質組成は基本地球と共通ですが、物質だけでなく地球にあってあちらにしかないものやその逆もあります
物質文明よりも精神文明のほうが進んでいて、地球ではない「魔法」や「魔術」があります』
「魔法!魔術!!あちらでは私達も使えるんですか???
凄いですよ、先輩!!!」
私の手を取り、ぶんぶんと上下に振りながら後輩が興奮し始めた
まじか、この娘そんなキャラだったのか??
『こちらの人類では使えませんが、あちらの世界で使えるように調整させてもらいますよ
産業革命以前、と言いましたが今のあなた方からすれば、不便極まりない環境になりますからね』
そうだった
産業革命以前とは言っていたが、実際今の技術レベル、生活レベルは産業革命以前の人からすればまるで魔法のようなものだろうとはよく例えて言うからね
江戸時代の人が自動車見たら「鉄の箱が走ってる」という、お約束のネタも本当に言いそうだもの
電話すら普及してない世界にスマホなんて、神の御業としか思えないだろうし・・・
私が子供の頃の超高額だったスーパーコンピューターの性能より、廉価版のスマホのほうが処理能力高いんだから、想像以上の技術格差があると思っておかないといけないか
ついでに言えば私、一人ならサバイバルだろうが何だろうが気にしないけども、だ
一緒に行く後輩は女の子
彼女のアウトドアやサバイバルスキルは全く未知数なんだよな、私には
「ところで、物理法則とかいうことでしたが現地の人の強さとか危ない生物とか、なにかしら命の危険とかないものでしょうか?」
ステゴロで羆の大集団にぶち込まれても即ジ・エンドってなるわけですがね
失敗してもとは言ったが死んでも失敗で済むのか?それともほんとにゲームオーバーなのか?
『ええと、生物については結構差がありますね
こちらで言えば白亜紀とかに居た生物に近いものがいたりしますね』
この時点で1発アウト!
魔法や魔術が使えて対抗できるんか?
『一応倒せますが1対1では難しい生物もいますよ
例えばゴリラが大きくなった生物なんか素手では一人じゃ無理ですよね?それくらいの危険はあります』
説明が具体的!でかいゴリラいるの?
死んじゃうべや!!
「病気とかどうですか?昔だと衛生観念の問題とかで起きる感染症とかありましたけど?
それと医療水準もやっぱり時代相応ですか?」
うん
後輩くん、それは大事だね
『一応病気や感染症とかはあなたたちの世界の生物の免疫システムのほうが強いんだけど、絶対大丈夫ってことはないわ
医療については自然治癒か魔術で治すだけで薬もせいぜい薬草とかだし、衛生観念については中世ヨーロッパどころではないかもしれないわね』
異世界物のお約束って言えばお約束だよね、これって
ただ私ら二人ともそういった知識は素人なんだよなぁ
『いろいろ不安なことはあるでしょうけど、指南書代わりに強力なチュートリアルシステムを用意してるから安心してもらえるかしら?
一応拠点になる場所に衣食住に困らないような拠点を作ってくれるはずだけど、現地での行動はすべてあなたたちの自主性に任せることになるはずよ
あちらの管理者との折衝内容に沿って、3年を期限として現地の人々を導いてほしいの
最終的にそれが希望にあふれる世界なら、と期待したいわ
それが巡り巡ってあなた方の世界にも良い影響を与えてくれますし』
裁量労働制で目標管理=最終的な目標も明確になるってわけか
そこまでの経路と達成方法は私ら次第、ていうことね
ん?巡り巡って今の世界に良い影響?
やだよ、あっちでやらかしたら地球が無くなってるとか言わないよね?
『流石にそれはありませんが、まったく無関係ではないことだけは覚えておいてくださいね』
さあ、どうするか?
後輩とまたまた顔を見合わせる
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【リライト版タイトル】
週休二日の裁量労働制って本当ですか? ~異世界は後輩といっしょ~ リライト版
Nコード N1448LP




