5-2「はじめての外出」
普通にアクセルを踏んだだけで、今の時速は50km/h程度
扉までは距離がないからすぐ着く
私らは巡航速度だけど3人娘には非日常、見たことのない景色らしい
ルームミラーから見える3人の表情、固まったままだもの
あっという間に扉に到着する
昨晩見たとはいえ、改めてでかい
装甲車と見比べてもでかさはひとしお
降りて押そうと触るか否か
ふっとばされた、10mほど
『防御魔術が常時展開されています
ダメージは皆無ですが現状では扉を開ける手段がありません』
魔術を消す方法は?
『魔術陣自体を保護する魔術を複数展開していて、更に術者本人を認証するようになっています』
生体認証とかかな?
ちなみに地面とその下は?
『防御魔術などはありません』
じゃあ決まったね
手を伸ばしてイメージする
装甲車が通れるアンダーパスの出来上がり
あっけにとられてた4人を促して装甲車に乗り直し、文字通り扉を潜って外に出た
一応、鉄扉をクリエイトして蓋をしておく
門の外は鬱蒼とした森だった
道路なんて無く、幸い間隔が広い木々の間をゆっくりと装甲車が走れた
巨木ともいえるサイズで時々根っこが地面に張り出ているが、ロングストロークの独立懸架サスは軽々といなし、ゆっくりとはいえ初めて車に乗ったであろう3人娘も少し慣れたのか、酔うことなく乗っていられた
10分も走っただろうか
急に視界が開けた
そういえば弥生さん、洞窟があるのは連峰の1つで人為的に作られた、って言ってたな
ということは結構高台だったのか
装甲車を止めたあたりから緩く下っていき、斜面の途中からまた木が生い茂り眼下には広い森林が見渡す限り広がっている
「この辺で休憩しようと思うんだけど、アウラムはここで妖精と話ができるものかな?」
廻りを見て頷く
「ここなら大丈夫
やってみますわ」
弥生さん歩いて半日ほどで最寄りの町があるとは言ってたけど、半日ってのは12時間ですか?4時間ですか?
『12時間です』
Oh…
時速4kmで48km
装甲車なら平地で1時間あればおつり来るけど道路環境が分からん
おまけにこれで乗り付けたらどうなるんだ?
賢者が貫頭衣で出てくる世界だぞ?
まさか鉄の馬がやってきた!とかいうのか?
襲われないか?
『この【世界】には武器と言えるものは投石、切れ味の悪い石の刃物、石の鏃がついたあまり飛ばない弓程度です
少なくともそれら程度、ご主人様とアヤノさんは直撃食らっても蚊に刺された気にもなりません
ただし魔法による攻撃や魔術攻撃ではレベルによっては多少被害を生じるかもしれません』
それはそれで嫌だなぁ
魔法とか魔術での攻撃は城作ったりした自分らからすれば怖いよ
そんなことしてたらアウラムの周りに球状の光が1つ、2つと寄ってきてあっという間に全身が見えないほどの複数の光に包まれた
少し経つと光は離れ、周りをふよふよ漂っている
妖精曰くこの先に町がある
そこまでに魔物が多くいる
魔術で魔物除けの結界を張っていて出入りも管理されてる
ということらしい
ちなみに洞窟をでてここまで魔物が居なかったのは、この高原までの範囲での魔素が「濃すぎる」から普通の魔物は上に上がってこられないんだそう
そんなところに居たのかよ、私ら




