2-3「3人娘の自己紹介」
サポートシステムがつぶやく
『実際にはこちらの【世界】の言葉を話しています
女神はすべての生物に通じる言葉を話していましたが、3人はこちらの言語で話をしています
ご主人様達には耳や振動を含め現地語で入力されたんものを、私が日本語に変換をしたものが脳に伝わっています
注意してみると口の動きや発声とのずれがありますがお気になさらず』
テレビのディレイみたいなもんだと思えばいいか
『ちなみにお二方が話す場合、発話する前に現地語に変換して口からは現地語になったものが発声しています
ご主人様ご自身に聞こえる音の違和感をなくすために骨伝導などの振動も変換しています』
そこまで細かく調整してるのか
しかし同時通訳とはサポートシステム、すげぇな
こんなのがあったら外国語ペラペラだろ
『ありがとうございます』
読むな読むな、手放しの賞賛を脳内で
なんか
『むふぅー』
って鼻息が聞こえそうなくらいのイントネーションだったぞ?
『そんなそんな』
謙遜までするのかよ
成程と納得してから自己紹介に入る
「まずは私から」
3人娘は当然ながら後輩から挨拶ってのもねぇ、と思い手を上げながら話し始める
「私は芳井蛍路
私のことはケイ、と呼んでください
年齢は29歳、別の世界から来たのでこちらのことは全く知りません
他のことは必要であればその都度聞いてください
以上」
後輩が顔を近づけ耳元で囁いた
「え?それで終わりですか?他は??
ほら、趣味とか学歴とかは?」
「こっちの【世界】がどうかわからないのにずらずらしゃべっても彼女らが理解できないと思うんだよね
とりあえず呼び方を教えるだけでいいんじゃないかな」
『それでいいと思います』
サポートシステムも賛同してるしいいよね?
「あ、私のほうのサポートシステムも賛成してますから、私も簡潔に挨拶しますね」
後輩が続ける
「私は阿部綾乃、23歳です
ケイ先輩からは「阿部ちゃん」と呼ばれていますがみなさんは「アヤノ」と呼んでください。
よろしくお願いします」
あれ?私もアヤノって呼んだほうがいいのかな?
そう思っていたらこっちを見てしかめっ面で舌を出しながら
「名前呼びは早いですよー」
だそうだ
なんで?
畜生、そんな顔しても可愛いじゃねーか
さて、問題は3美女とそれぞれのサポートシステム
サポートシステムからは美女賢者と3人で相互補完、とか言われたけど当面は脳内に別人格があると知られない方がよさそうじゃないかな?
そう思ったとたんにサポートシステムから声がかかった
『ご想像通り当面は秘匿されることをオススメします
理由ですが【世界書庫】は賢者ですらアクセスできません
何かの拍子で悪意あるものに存在を知られると、ご主人様達を確保して使うことを強要したり、魔術で精神操作したりされる恐れが生じるかもしれませんから、アヤノちゃんさんもですが秘匿されることを強くお勧めします』
だってさ、怖い怖い
で、サポートシステムさんはアヤノちゃんさん呼びですか?
『付き合いの長いご主人様がダメ出しされたので、代わりに私がアヤノちゃんさんと呼ぶのはどうかと思いまして』
気遣いの人?ですねぇ
阿部ちゃんを手招き
「サポートシステムのことは隠しとけってさ」
少々考えた顔をしてから
「こちらでも言われました」
とのこと
サポートシステムはあとで個別に聞きたいこともあるし後程改めてお話ししようね
『楽しみにしています』
マジで人格あるんだね、サービス口調が過ぎる
仕切り直す、か
君たち3人のことも知りたいから、自己紹介してもらえるかな?
こういう時は賢者がすぐ動くよね
「私は賢者で、見てのとおり長耳種です」
ん?見ての通り?いわゆる笹耳とかじゃないけど、エルフなの?
「生前の年齢は300歳から先は数えていませんでしたのでわかりません
長い間【奥の森】で研究に没頭していましたので・・・
そんな日々を過ごしていて気が付いたら女神様の元に魂が戻っていました
こんなところでしょうか
ケイ様、アヤノ様、これからお二方のために尽くしますので、よろしくお願いいたします」
エルフ?最低300歳?【奥の森】?
情報が多くね?
う、うん、ありがとう
次の人、お願いします
隣のマッチョ美少女だ
優雅に胸の前に手をあて、膝を軽く曲げて優雅に会釈する
「同じように自己紹介させていただきますわ
私のことを妖精王だと女神様がお二方にご紹介されたようですが、実際には数世代前の妖精王候補、でしたわ
種族としては妖精種、年齢は130歳ちょっと
同じく女神様よりお二方のためになってと言われましたわ
よろしくお願いします、ですわ」
妖精って30cmの小さいイメージがあるけど普通なんだね
てかこの子で130歳オーバー??
この世界、長命ばっかりか?
「では最後に私めが」
執事美女が自ら声を上げる
右手を臍あたりに添え、腰を折る
「私は魔角種です。
年齢は解かりかねます、気が付いたらこの【世界】に居ました
女神様にお二人の役に立つようお話しを頂いて今ここにおります
お二方を主として魂が滅ぶまでお供させていただきたく存じます」
重い、なんか重すぎるよ
3人ともありがとう
細かいところはおいおい教えてもらうとして、3人を呼ぶのに種族名?を呼ぶのは不便だからさ
私らのように君ら一人一人に名前、を付けさせて貰えればと思うんだけど問題あるかな?
「ナマエ、というのはケイ様、アヤノ様、と呼んでとおっしゃったもの、ですか?」
賢者が口を開く
そうそう、そういうの
というより名前の概念がないのに様って敬称は理解してるってどういうことかな?
素直に疑問を口にしてみた返答が
「この世界では女神に様をつけて女神様、と呼んでおります
お二方はその女神様から選ばれたとお聞きしておりますので、私達より上の存在と認識しています
ですのでケイ様、アヤノ様と呼ばせていただいております」
自分より上、と思えば様付け、ですか
阿部ちゃんを見るとなんかもじもじしてる
「様付けとかされたい?」
聞いてみた
「いりませんよ~
職場でさん付けですらむずむずするのに」
私もいらないねぇ
3人に向き直って、偉くないし、むしろ3人には教えを乞う立場だし慣れてないしなので、様付けはいりません
ケイ、アヤノ、でいいです
そう告げた
そういうと今度は執事美女が
「拝見したところ、お二方の魔素量は私どもとはまさに桁違いのものをお持ちでいらっしゃいます
特に私のような魔角種は魔素量が大きいほど立場が強いものですが、お二方とも魔角種の長よりも上でいらっしゃいます
他の二人の種族も多少差はあれ同じようなものかと
どうかケイ様、アヤノ様と呼ぶことをお許しいただけないでしょうか?」
美女が3人とも頷き、こちらをじっと見つめている
「そういうのがある世界っていうなら無理強いはしないよ
でも別に偉いとかなんとかないし、そもそも3人とも私らよりよっぽど長生きして尊敬に値するんじゃないかな?」
阿部ちゃんも頷く
「年功序列で言ったら多分私が一番下ですよー」
女性の年齢はいじらないに限るから華麗にスルーしておく
ところで魔素量ってなんだ?
疑問はさておき、本題に戻ろう
「で、なにはともあれ名前を付けていいかな?
すぐにもやらなきゃいけないこと、山積みなんだから」
一応メインキャスト2名の本名が出てきますがフルネームはほとんど使いません




