16-3「夕餉と食後」
ドームに戻って屋外キッチンをクリエイトして白夜達メイド隊にも手伝ってもらって晩御飯を作る
作り手も多いのだが、とにかくメイド隊は手際がいい
むしろ私が邪魔なので途中からはお任せしてしまった
相互通信に加え高い精度での動作と認識、身体能力で分業制且つ製造ラインのごときスピードで食事を作っていく
たいしたものです
人間やゴーレムを造ったどころか、上位生物作ってないかね、弥生さん?
『そんなつもりはありませんが、相互リンクと内部処理での多人数同時作業における導線ロス低減は、人間を上回る能力だと思います』
その2つでも凄いよ
晩御飯は和食だった
さっぱり煮物と焼き物に味噌汁にお浸し
レシピも弥生さんご提供で万全だった
初めて料理を見るエメロードは驚いていた
「食い物にこんなに手間をかけておるのか?」
そうだろうねぇ、普段は生で食ってるんだろうから
メイド隊は立ったまま給仕をしようとしたのでやめてもらった
相手が居ての接待でならともかく日常なんだから、と座ってもらってヴェルーリアに手伝ってもらいメイド隊分の食事を用意した
エメロードが箸を使おうとして四苦八苦している
無理しないでスプーンとフォーム使って、と言おうとしてそれも使ったことがないのを思い出して手伝いに行く
「人間は面倒なものだの」
そういいつつ、スプーンを口にして満面の笑みとも驚きともとれる表情をしている
つい先日のシャールカーニもこうだったな
何度かのお代わりなどを経て食べ終わったので、片づけてお茶をしながら明日の話をしておく
「明日エメロードから各里に連絡してもらうけど、なるべく早く各里長と面談して龍への対処を実施したい
そして、龍が出た時の対処は基本的にはエメロード達に任せようと思うが、どうだろうか」
「具体的に、わしらは何をすればいいのだろうか」
エメロードは腕を組んで椅子にもたれかかる
「お団子ルームでの監視と各里との連絡、龍出現時の指示になるだろうね
ここのドラゴンが龍神族化したら交代制で常時詰めての監視をしてもらいたいな
襲われた里があれば近くの里に連絡して援護に向かう、ってところか」
うなづいている
「ところで、実際に龍に襲われた里ではどんな被害が出てるのだろう?」
「程度はさまざまだが、怪我をしたものが相当数居るとは聞いておるが細かいところは伝聞だからの、わからん」
「ただいま戻りました」
ニールが帰ってきた
「おつかれさま
丁度いいところに帰ってきてくれたね」
白夜にお茶の用意を頼み、早速話を聞く
流石にニール
頼んではいなかったが行った先々で話を聞いてきてくれてた
なんでも龍は里の中をとにかく何かを探すかのように動きまくっていたらしい
怪我をした連中もどちらかと言えばその移動経路にたまたま居たものの方が多いようだ
なにを探しているのかはわからないし、何かを見つけたわけでもないようだった
現時点では3つの里が襲われていた
位置関係は現時点ではわかりづらいので地図が出来次第再確認することに
ただ、探し物をしているのであればなにか思い当たる節はないだろうか?
「ふむ、特になにがあるというわけでもないと思うのだがの」
エメロードはそう溜息をつく
「わしらは先ほど旦那様に聞くまでここが龍神族が住んでいたところだとは知らなんだ
じゃからもし「何か」があっても今のところ何もわかってないのだ」
そうだよね、岩山との認識だもんね
「ほう、この里は昔の龍神族の住まいだったのですかな?」
ニールが尋ねる
「あとで案内するけど、シャールカーニとエメロード、つまり龍神族にしか反応しない扉があるんだよ
建物のサイズも私らと同じだったから、少なくとも龍神族が関連しているのは間違いないだろうね」
エメロードを見てニールが言う
「長も私達と同じく人化と同じかと思ったのですが、随分と幼くなりましたな
若返りの周期でしたか?」
「おかげでわしの娘、もといシャールカーニの妹と言われる始末であるわ」
不服そうに返す
「ちなみに他の里だけどさ、岩山って言ってたのはやっぱりここと同じような建物なのかい?」
「そうですね、旦那様とお会いして建物を知ってから回ったわけですが、その目で見ると全ての里はここと同じく建物の集合したところでした」
腕を組む
もしかしたらドラゴン自体がこういった龍神族の町に惹かれる性質があるのか、帰巣本能とかなのか
光る苔ももしかしたらそういったのと関連あるのかな
ニールを労いがてら改めて食事を用意
食べてもらっている間、食後の運動としてみんなで模擬戦をしようと言うことになった
特にエメロードはまったくの未知数
最初のドラゴン形態でのシャールカーニでは歯牙にもかからなかった、龍神族化して勝てるかもと言っていた魔素量
それが龍神族化で40倍になったとかどれくらいなものだろうか見てみたいよね




