16-2「根回し」
「旦那様、しょくば、と言うものを理解したぞよ」
エメロードが腕組みしながらふんぞり返って偉そうに声を張る
ほう、どう理解したのかね?
「一番偉いのがアヤノで、次に旦那様、その次にヴェルーリアとカホルで、とわしらのように力が強いものが上にいるということじゃろ?」
説明したシャールカーニを手招きして尋ねるが、全く同じことを言ってきた
おまえさん、理解してないだろ?
今更一から説明しなおすのも面倒なのでそのままにしておくことにした
で、他の里長にここへ来てもらうことって現実的に可能かな?
「わしの弟、いや今はニールか?
あ奴がきちんと説明して納得してもらっておれば大丈夫じゃろうが、どうだろうかの」
そろそろ夜になるだろう
一度ニールに進捗度合いを確認してみようか
通信を入れてみるとすぐ応答があった
〈はい、ニールです〉
おつかれさまです、進捗度合いの確認で連絡しましたがどうかな?
〈現在最後の里に着いて長の説得と使い方を伝え終わって、そちらに戻っているところです〉
丁度良かったわ
だったらこの後全ての里に連絡するんだけど、代表者に集まってもらって対策について一斉に説明したいと思ってるんだけども、ニールから見て可能そうだろうか?」
〈ふむ、一応各長にはご理解いただけましたよ
中には襲い掛かってきた長もおりましたが、力ずくで説得いたしました〉
待て、ニールも脳筋だったのか?
〈のうきん、は存じませんが力が強いものが上である、というのが我らの不問律です
負けた者は勝った者に従う、これは我が姪でも同じでしたでしょう?〉
確かにね
「わかった
こっちの長、いや今はエメロードと名乗っているが、相談し終わったら改めて各里に通達をするので一応気にかけておいて欲しい」
〈わかりました
ところで、我らの長も龍神族となったのでしょうか?〉
「なっちゃったんだよ、ご要望でね」
〈やはりそうでしたか、お手数をおかけいたしました〉
「こっちこそ面倒をかけたし、手間も掛けたね
気を付けて帰ってきてね」
わかりました、と返答があり通信を終える
エメロードと話したのは、龍?への対応として里の戦闘能力向上としての龍神族化を提案、その結果がどうであっても私らのメイドを連れ帰ってもらい守備を固める、通信を用いて襲撃をされた場合は近くの里が応援に出る、ということを確約させることだった
まあ、来た連中が揉めるようなら力づくでいく、ということになってしまったが
何時襲撃があるかわからない中、くだらない揉め事で時間を喰うのは手を貸してくれている私に対して失礼、ということだとか
その申し出はありがたく受けることにした
それと、待っている間に上空をドローンで撮影して地図による位置関係把握もしようと思っているので、ドローンの特徴を伝えて間違って襲撃しないような伝達も行いたい旨伝えておく
ステルス性能持たせる魔術、あるものかね
そう思いつつドローンをクリエイト
テストを兼ねて少し大型にして作る
地図が出来てそれぞれの里の位置関係が明確になれば、襲撃があった時の応援態勢も明確にできるし
ドローン画像は弥生さんが龍神族だけ出入りできる監視室改めお団子ルームに割り込んで接続してくれた
これなら後々ドラゴン達で自立して対処できるようにもできるだろう
ちなみにお団子ルームの呼び名は最初にごま摺り団子みたい、と思わずつぶやいたのを聞いた面々が興味を持ったので説明したら勝手に想像を膨らませてお団子!と名付けてしまったのだった
なお、後でお団子の実物を作る約束をさせられたのはいうまでもない
そうそう、出入りに関してはエメロードでも開いた
なので龍神族を認証しているのが確定した
ドローンのコントロールと管理はある意味では弥生さんが直接するんだとか
正確に言えば通信での制御ではタイムラグがあるということで、自身の一部を制御システムとしてコピーして使ったとか
なんでもありですか?
『いえいえ、そんなことはありませんよ』
なんとなく得意気に聞こえますけどね?
当然のように魔素を自動補給していくからほぼ無補給で飛べるドローンを飛ばしてあとはお任せ
今日のお仕事はこんなところですかね
「そろそろ腹が減ったのじゃ」
しょぼくれた顔で訴えるシャールカーニ
はいはい、そろそろご飯ですかね




