15-4「気を付けよう、速度感覚」
刹那、シャールカーニが消えた
厳密に言えば超高速で上に移動したようだ
ほぼ見えず風も起きずに移動する昇降機
これ、テクノロジー的に最低でも数百年以上上だわ
しかも5000年経っても普通に稼働してるし、そもそも動力は?
〈一応無事に最上階に着いたのじゃ〉
通信が入る
「わかった、今から上がるよ」
そう言ってシャフトに入りボタンを押す
次の瞬間に見えたシャフトの外にはシャールカーニが居た
「これはすごいのぅ」
確かに
やはり天井には光る苔が全面
残念ながら最上階なのに窓がないから外が見られない
町の全容を見るには最上階にでも上がってみたいのだが、エレベーターの最上階はここだったからあとは階段があるかどうか、かな
二人で探してみるが開口部すらない
1階もだったが私らが考えるオフィスビルと違って人が使うような感じがそもそもない
普通だったらトイレなりオフィスなり、それ相応の仕切りがあったり機材があるものだがそういったものがあった形跡もない
朽ちて無くなった可能性もあるが、建物が残ってて内部だけ綺麗に無くなるようなモノづくりをするのだろうか?
念の為すべてのフロアに移動して確認したがやはり同じ
無機質といえば無機質
なのに室内に灯りは点きっぱなしというのはよくわからない
人ならば灯りは必要だろうが、その人が使うためのものに見えない
ここだけなのだろうか
他のビルも似たり寄ったりなのだろう
無暗に見ても徒労に終わりそうな気がするので、マップ作ったりして作業するほうがよさそうだ
マップ作りは・・・どうするか
『ドローンをクリエイトして空撮したものをアウトライン化すれば地図が出来ます』
これが個人レベルでできるのか、クリエイトと弥生さん恐るべし
他のコンビにも通信で確認したがどのエリアも同じような状態だった
全部回っても仕方がないので、一度ドームに戻って長に話を聞いてみようか、ということにして引き上げる
帰路はシャールカーニが運転してみたいというので、ATVの操作を教えゆっくり走ってもらう
乗り物を動かすのは初という割に呑み込みが早く、あっという間にフレイア並みのスピード狂になっていた
そりゃ、今の姿になって数日で空を飛びまくってるわけで、装甲車で10時間をいくら空を飛んでいるとはいえ1時間程度で移動できるのだから、300km/hくらいは出しているのだろう
5,60程度ではゆっくりに感じてもおかしくない
慣れたところでそのまま帰るというので仕方がない、後ろにタンデムして座面横のグリップを握る
「なんで我に捕まらないのじゃ?ほれ」
とはいうが、アラサーのおっさんが見た目10代中盤の女の子のおなかを抱いている絵面ってヤバイ気がする
「どうせアヤノはおらんのじゃ、そのまま帰っても怒る者もおらんぞ?」
そうは言っても誰かがチクる恐れもあるわけで、とりあえずなしで
「知らんぞ?」
そういってシャールカーニはグリップを思い切り回した
うん、彼女用のATVにはリアシートに背もたれと太目のグリップを付けておこう
そう決めた次第だった




