2-2「魔法と魔術」
「名前がないといろいろ不便ですよね?」
後輩が聞いてくる
「君らは普段、他の人を呼ぶときにどうしてるの?」
3人の顔を見回して問うてみた
「あのー、とか声をかけたり肩を叩いたりとかで・・・」
ああ・・・
「私は賢者様、と呼ばれていました」
肩書くらいしか個を表す呼び方がないのか
もしかして?
「ちなみにこの【世界】には呼び方があるのかな?」
やっぱり3人はキョトンとしている
「やっぱり、ないの?」
恐る恐る聞いてみた
賢者は言う
「世界というのは女神様の管理している土地、ということでしょうか?」
海とか空とか地中とか含めて全部で世界、というんだけどね
私ら二人が居たところは「地球」という呼び名の世界というか土地、だったんだよね
「なるほど
全てを表す呼び方は特にありませんね」
さっきベッドを作って見せたけどそういった品物の名前ってのはあるんだよね?
「魔術は創りたいものやしたいことを頭に浮かべると降りてくるものを唱えているので、なんのことかわかってないんです」
おぅ、そういうパターンか
魔術と魔法って違うものなの?
「魔法は、そうですね、例えば息を吸う、歩くというのと同じように魔素を使って火を熾したり風を送ったりすることをするものです
特定の手順や魔術陣に魔素を込めることで魔法の大規模なものや特定の奇跡を起こすのが魔術です
先ほどのは魔術になります
女神様に私の使える魔術の魔術陣を予め新しい体に刻んでもらいましたのですぐ使えました」
特定のポーズと魔術陣でサブルーチン呼び出し、みたいなものなのか
それに魔素を込めると魔術が起動する、って感じかな
魔法はどちらかといえば体術とかの延長みたいなものにあたる、と思ってよさそう
『そういう解釈であっていると思います』
どこからか突然聞こえてきた
いや、正確に言えば聞こえたというより脳が理解した、というべきか
実際に後輩は普通にしてるから、彼女には聞こえてないようだった
どこの誰だ?
『驚かせてもうしわけありません』
律儀に詫びられた
『お二方の幽体を魔法体に変換させて生じた変化などに対処するためにと、女神様が手配したご主人様自身の肉体を使ったサポートシステムです
脳の未使用領域にインストールして【世界書庫】が使えるようになりました
ご主人様が直接使えるようにすると脳の負荷が大きくなりすぎるからと別の人格を作って運用を分担しています
今後よろしくお願いします』
え?賢者とかぶってない?
『この後、更に別の人格がご主人様のいう後輩さんにもインストールされ運用されます
賢者と私、そして後輩さんのサポートシステムの3者がそれぞれの意見や考えをもって検討することで、重要事案や想定外にもできる限り女神様に頼らず、最悪オフライン状態であっても個別で対処可能になるようにと考えられてこの構成になっているようです』
どこぞの三賢者様システムですか?
なるほどねぇ
だから賢者も必要だってか
あのJC、見た目や言動と違ってキレッキレだったんだな
視線を感じて横を見ると後輩がこっち見て微笑んでる
「先輩も聞きました?【世界書庫】に脳内にサポートシステムですって!
魔法少女どころかまるっきり賢者ですよ賢者!」
わぁ~!と声を上げて走り回ってる、まるっきり子供じゃないか
余程嬉しいらしい
3美女には脳内の会話は聞こえてないのだろうから頭に大きな?マークがついていそうなくらいの顔をして立っている
『3人ともご主人様二人の詳細を知らされていないのでいろいろと知りたい、けど主に聞くのは失礼かと思ってずっと待っているようですよ』
主ってなんだよ
『女神様から私たちもそう伝えられています
主を助け、世界を変えるために力を使えと言われました』
ソウデスカソウデスカ
ソンナエライモンジャナインデスケドネ
何故か思考停止のごとくカタカナの羅列が頭に浮かんでしまった
後輩に手招きをすると、彼女も同じように言われたみたいだった
「自己紹介しておきますか?」
そうだね、そうしようか
でも世界観が違うからどこまで通じるのか?
いや、それ以前に今気づいたけどめっちゃ日本語でしゃべってるんだけど??
どうなってるの??




