1話 異世界に来てしまった。
「異世界にとうとう来てしまった。」
この世界に来る前、神の部屋に間違えて行ってしまい勝手に俺の異世界メイキングをしてしまったが・・・。
俺の外見を決める前に部屋の主っぽい神が帰って来てしまい最後までメイキングしていないがある程度は選択できたから良しとしよう。
木々の揺れる音、水の流れるやさしい音、森の中に転生したらしい。
「転生ものの定番では転生後、近くで襲われている人を助けると仲間になる事が多いが・・・・襲われている人いないな・・・」
転生される場所はランダムだとパソコンにも書いてあったが、こんな何もないところじゃなくてもよくないか。
愚痴を言いながら水辺のところに行く。
「うん、前世の時の俺の顔のままだな。顔メイキングする前に神が帰って来るからイケメンに出来なかったぞ。この世界でも彼女はできないんだろうな。」
ガッカリしている中、木々の奥の方からものすごいスピードでこちらに向かってくる「何か」。
「武器!武器がない!あっ!俺のスキルは身体能力向上だ!「超脚力!」」
超脚力を唱えた瞬間体が少し光、軽くジャンプをした。
「うぉぉぉぉぉぉぉ!!!上がりすぎぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!」
木よりも高く50M近くの跳躍をした。
もの凄いスピードで来ていた「何か」は下を通り過ぎて行く。
「落ちる!ぎゃぁぁぁぁぁァァァァァァァァ~」
自由落下によって落ちていく俺、これで俺の転生物語が終わってしまったのであった。
「勝手に終わらすな!俺の転生人生はこれからだ!」
とよくありそうな感じのナレーションが頭を過っている時、ふとスキル項目を複数選んでいたのを思い出した。
「もう一つのスキル「フライ!」」
呪文を唱えるも何も起こらない。
「なんで何も起こらない!バグかっ!?うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
木々が近づいて来た。
「身体強化!×5」
体が5回光った。
木の枝に体を打たれながら落ちていく中、「ゴッ」と鈍い音をさせ気を失ってしまった。
「オチアイ、オチアイ、起きなさい。」
どこかで聞いたような声が俺の名前を呼んでいる。
また死んだ時と同じく暗いところだ今回はパソコンの光もなく本当に真っ暗だ。
「オチアイ、ようやく目が覚めたましたか。人の部屋で勝手にキャラメイクして異世界に転生した時は驚きました。」
後ろから声がするので振り向くと暗いのに声の主である人の体が見える。顔を見ると超絶美女だった。
「どうやって私の部屋に入れたのですか?」
と質問してきた。
質問よりもここがどこかなのかと俺は転生先で死んだのかが気になってしまっている。
「あの、質問を質問で返すのですが、俺は、転生先で死んだのでしょうか。」
「いえ、あなたは気を失っているだけです。答えたので私の質問に答えてください。」
少し怒り気味の神様、怒っている姿もかわいい。
「あっはい、死んだ直後、こちらの部屋にいました。」
死後は勝手にここにいたのだからそれ以外に何も言えない。
「そうですか、多分、天使が間違えたのでしょう。この天界も人材不足で忙しいですから。」
天界にもそうゆうのあるのか、はっ!ブラック企業・・・・
「ブラック企業ではありません。9時に開始16時に退社ですから、ホワイトですよ。」
心を読まれたか、唐突に言ってきた。
「そうなんですね。」
オチアイは転職先が大体ブラック企業ばっかりだったのでトラウマなのだ。
「そういえば、この世界は魔王とかに苦しめられているとか何かあるのでしょうか?」
可愛い神様に質問した。神の名前聞いてないや。
「いいえ、この世界は特に魔王とかはいません。魔獣がいるのでそれを討伐とかするのです。よくあるスローライフ系の異世界です。」
「あっそうなんですね。良かった。」
スローライフを送れるとはいい世界ではないか。自分でキャラメしたけどそんな、無駄なスキルとかいらなかったな。
これは持論だがスローライフとか言っているが大体、魔王が復活とかあって冒険に行かされる事が多いと俺は思う次第だった。
「そんなことより、あなた勝手にキャラメイクしてめちゃくちゃだったのでリセットして作り直させていただきます。」
可愛い神様が世知辛いことを言ってきた。
今、リセットされたらこの森から出れないと思ったオチアイ
「ちょっ!まてよ!」
キム〇ク風に言った。
「一緒にキャラメイクしましょうよ。」
「(´・д・`)ヤダ」
一瞬で断られた。
神様がリセットボタンにカーソルを持って行き押されてしまった。
ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
折角、2時間ぐらいかけてやったのにすべて消されてしまった。
にしても、俺の気絶長くね?
「それは、あっちの世界で私があなたをバリアで守っているので誰も手出しができない状態ですから誰も起こしてくれませんよ。」
不敵な笑みを浮かべオチアイに言った。
「じゃあ一緒にキャラメしましょうよ!」
可愛い子とキャラメはしたいそれに俺の異世界での事だ俺が手を出さなければ意味がない。
「仕方ないですね。今回だけですよ。」
ため息をつきながらパソコンの前に並ぶ2人
「俺は立ちながらやりますよ。」
「当たり前です。私の椅子なので私が座ります。」
こいつ可愛いだけで愛想がないな。クソ。あのアニメだったらこいつを異世界に一緒に連れて行きますとか言って一緒に苦労させて暮らすのにこれができないとは。
「あっはい、なんか人間不信になりそう。」
「私は人間ではないです。神です。」
「神不信になりそう。」
「言い直さなくていいです。」
イチャコライチャコラしてる二人、爆ぜろ。
1時間ぐらいで神がほとんどキャラメをした。
「種族:人間 ♂」
「スキル:身体強化」
「魔法属性:火、水、雷」
「能力:翻訳.創造」
「ステータス:初期設定」
キャラメはこんな感じになった。初期設定っていうのが気になる。
「初期設定ってのは今見れます?」
疑問に思い問いかけてみた。
「ええ、日本語でステータスと言えば見えますよ。魔法もあなたには日本語で使用できますよ。」
日本語で魔法が使えるのはいいな。「あなたには」っというのには気になるが。ってかさっき木から落ちるとき日本語言ったよな。発動しなかったが・・・
「さっき落ちるとき「フライ」って言ったのですが。発動しなくて・・」
「それは英語です。日本語だと「飛行」ですよ。馬鹿ですね。」
( ゜д゜)ハッ!!ッとした俺は顔を赤らめてステータスを唱えた。これも英語じゃね?
「ステータス!」
俺氏が唱えた瞬間32型テレビぐらいの画面が空中に浮いて目の前に出てきた。
「種族:人間 ♂」
「スキル:身体強化」
「魔法属性:火、水、雷」
「能力:翻訳、創造」
「ステータス:
体力:100
魔力:100」
パソコン上では初期設定って書いてあるが自分で唱えると見えるのか。にしても100ってこれは低くないか?この世界では普通なのか?疑問に思って神に聞く。
「体力とか魔力が100ってのは普通なんですか?」
「この世界では0~10000までがあります。となるとあなたは普通です。一般人です。カスです。」
こいつ口悪くないか?にしてもこれは普通なのかレベ上げすれば上がるのか?
腕を組み少し考える俺氏。
正直スローライフならカンストしててもいい気がする。冒険とかだるいし・・
ニート発言をしていた。
「神様、正直俺はこの世界でスローライフを送りたい。だからステータスだけカンストして欲しいです。」
身勝手な発言をしてるオチアイ。
「いや、お前少しは努力しろよ。」
神が呆れた顔で言ってきた。と次の瞬間。
「あっ!神様の足元にあの皆に嫌われているGがいる!」
こんな古典的な嘘に神様が引っかかるわけがない。
「ひぃぃぃぃぃぃぃぃっぎゃぁぁぁぁぁァァァァァァァァ!!!!!!!!!」
えっ嘘、行けた・・・・
隙を見てオチアイはステータスの項目をカンストにした。
よっしゃ!これで俺は努力しないで済むぜ。不敵な笑みを浮かべた。
「神様、もう大丈夫ですよ。俺がやっつけましたよ。」
カッコつけながら神の方を見ると。
涙目になりながらどこからか持ってきた不明のクッションを口元に付けこちらを見ていた。
「本当に?もういない?」
あっ尊い死ぬ。
「言い忘れていましたが、その表示はあなたしか見えません。ので、周りに人がいた場合「うわぁ、あの人何してるのかしら騎士団を呼んだ方がいいかも。」と言われる場合があるので注意してください。」
涙目になりながらも俺の事をバカにしてくる。コイツ・・・・・
「ほかの人のステータスも見れますか?」
「見れますよ。グスンっ」
鼻をすすにながら答えてくれた。
「ほぉ、ステータス!」
オチアイは容赦なく神様のステータスを見た。
「種族:神 不明」
「スキル:全般可能」
「魔法属性:all ok」
「能力:なんかもう全部使えます。」
「ステータス:
体力:∞
魔力:∞」
「備考:全てにおいて使用可のであるが頭が弱いので使用できる物が限られている。」
残念神様だったのか。頭が弱いとは情けない。あ~なんて情けない。オチアイは声に出さないでそんな顔を神様にしていた。
神様は、目を赤らめた状態で鼻を高くしているが備考欄を見たことがないのだろうか。あまりにも残念なことが書かれているのに・・・・
「あっはい・・・す、すごーい無限ってステータスアルンデスネ・・・」
「でっしょ!私ってすごいの!」
腕を組み高らかにしている。俺はその神様を見て涙が出そうになった。
「キャラメも終わったことだしそろそろ異世界に行ってもらおうかしら。」
「あっはい。お願いします。」
こいつずっと泣いててくれないかな。と思うオチアイ。
俺氏は、神様に一礼をし光に包まれていった。
目が覚める。
召喚された場所と同じところ、聞き覚えのある木々の音、流れる水の音あと、周りから殺気の視線。
「魔物か。とうとう俺の無双が始まってしまうのか。」
自信満々なセリフを放つ。
木の陰から何か見える。コイツは・・・・・