10話 勉強するから遊んできていいよ。
10話 勉強するから遊んできていいよ。
外から光が差し込み、鳥のさえずりが聞こえて目が覚める。
「昨日は散々だったな。特に夜が、」
マヤは大量に鼻血を出してその場に倒れた。メイドが今も看病している。
エルフは笑い疲れたのかオチアイの部屋で、それも俺のベットで寝てしまっていた。レオはマヤの鼻血をもろに食らい新しいトラウマが生まれたらしい。
「お兄ちゃん!おはよう!」
レオはエルフが寝ているベットから出てきた。
「おう!おはようレオ。昨日は大丈夫だったか?」
「マヤお姉ちゃんは怖いよ。」
ガクガク震えながら答えた。
レオと話しているとエルフが起きてきた。
「ん?あれオチアイ、床で寝てたの?せっかくのベットがあるのに私と同じ部屋じゃないと寝れないの?プークスクス」
目を擦りながら嘲笑ってきた。
「お前が俺の部屋で寝落ちしたんだよ。」
「えっマジ?」
「うん、マジ」
ぼーっとしているエルフ寝起きだから頭が回らないらしく、またベットに入って寝た。
「マヤちゃん一緒に寝よ。」
寝声でマヤに言ってきた。
「レオはお兄ちゃんの方で寝る!」
そういうと、レオはオチアイが寝ていた布団に入っていった。
「まぁ、ゆっくりしてな。レオ」
オチアイは部屋を出てマヤの部屋に向かった。
「マヤ入るぞ。」
ノックをして部屋に入っていくとマヤはメイド達に看病されている。
「マヤ様!お気を確かに!」
「血が足りません!」
「どうしたらいいのかしら!」
メイド達が忙しそうにしている。
オチアイはマヤに近づいてフルポーションを飲ませた。
「レオちゃん!!!!!」
変な掛け声で起き上がったマヤ。
さっきまで死にそうになっていたが第一声にそれとは元気な奴だな。
「あれ?レオちゃんは?あっオチアイさん私いつの間にベットにいたの?」
昨日の記憶がないらしい。
オチアイはベットに座りマヤに昨日の出来事を説明した。
「レオちゃんに私の血が!?ふふふ・・・それは、それは、」
マヤが悪い顔をしている。
それのおかげでレオがますます人間嫌いになってしまったのだが。
「お前な、少しは自重しろよな。」
オチアイはマヤにそう言うと。
「それより、お腹すきましたね。食事でもしますか。」
ベットから出て部屋から出てオチアイの部屋に向かっていったマヤ。その後ろに着いて行くオチアイ。
「レオちゃん!!!食事にしましょう!!」
勢いよくドアを開けるマヤ。
「ドッ!」
ちょうどその時、エルフがドアの近くにいたらしく鈍い音がした。
「いっっっっっったぁぁぁぁぁぁ!」
「あっ!ごめんなさい!エルフさん大丈夫ですか!」
頭に大きな痣ができた。
「ズキズキするわ。オチアイなんかないの?」
俺は青いロボットか!っと思いながら空間魔法から氷の入った布袋を取り出した。
「これで冷やしとけ。」
エルフの頭にのせた。
「マヤお姉ちゃんはやっぱり悪い人間なんだ!」
レオがそういうと、マヤはショックを受けたらしく俯いてしまった。
「レオ、マヤは悪い人間じゃないよ。レオが可愛くて周りが見えなくなるタイプの人なんだよ。だから仲よくしてあげな。ね?」
オチアイがマヤのフォロに入った。マヤはオチアイの方を見て感謝の涙を流していた。
「お兄ちゃんがそういうなら・・・そうする!」
「マヤお姉ちゃん、ごめんなさい」
レオはマヤに近づいて上目遣いで誤った。
あっまずいこれはまた、同じことが起こる。
オチアイはマヤの方に目をやるとマヤは泣いていた。
「大丈夫よ!私こそごめんね!仲よくしましょうね!」
涙目でレオに抱き着いているマヤ。レオはそれを見て微笑んでいた。
「ちっ私だけのレオちゃんだったのに。」
エルフの方に目を向けるとしかめっ面でマヤを睨んでいた。
「それはそうと、ご飯にしましょう!」
マヤは涙を拭って大広間にオチアイ達を案内した。大広間に着くと食事が並べられていた。
「わぁぁぁぁ!こんな食事初めて!お兄ちゃんこれ食べていいの?」
レオが目を輝かせながら言ってきた。
「いいのよ!いっぱい食べてねレオちゃん!」
マヤがレオに言って席に着いた。
「いただきます!」×4
「これおいしい!これもおいしい!お兄ちゃんアーン」
レオがオチアイにお肉の入ったスプーンを口に寄せてきた。
「レオちゃん私にもして!アーン!」
「私もして欲しいなぁ!チラチラ」
エルフが隣で言ってきた。続いてマヤまで言っている。
レオは忙しいな。
「そうだ!レオ、今日はエルフの姉ちゃんとマヤお姉ちゃんと王都を観光してくるといい。いいよな?エルフとマヤ?」
2人にレオとの距離を少しでも近づけてもらおうというオチアイの粋な計らいだ。
「マヤに観光案内して貰う予定だったし私は賛成よ!」
「えぇ!私も構いませんがオチアイさんは今日はどうなさるのですか?」
「俺は昨日行けなかった国立資料館に行こうと思っているが。」
早く、スローライフを送るには試験に合格するのが一番の最優先事項だと思っているオチアイ。
「レオはお兄ちゃんと一緒に観光したい!」
そんなつぶらな瞳で俺を見るな。
オチアイの顔を透き通った瞳で見つめるレオ。
「わかったよ。資料が集まり次第、エルフ達と合流するからそれまで、一緒にいてあげてな。」
レオの頭を撫でて説得した。
「うん!絶対だよ!」
あああああああああ尊死する。こんな妹が欲しかった。
「じゃあ、食事が終わったら行きましょうか。」
マヤが2人の顔を見て言った。
「うん!楽しみ!よろしくね!マヤお姉ちゃん!エルフお姉ちゃん!」
レオは2人に先ほどオチアイに繰り広げた瞳で言うと、2人とも尊死した。
「さて、俺は資料を集めに行ってくるわ。レオ、2人を頼むぞ!」
玄関でバックを持ちレオに言った。
「うん!お兄ちゃん早く終わらせてきてね!」
可愛い表情で言ってくる。
「オチアイ、早く終わらせなくていいからゆっくりしてきなさい。」
エルフはゴミを見るかのような目で言ってきた。
「オチアイさん!一発で合格できるように頑張ってください!」
マヤは普通に対応してくれた。
「おう!じゃあ行ってくるわ。あっそうそうなんかあったらこれ使え。」
3人に警報機及び緊急時オチアイに連絡が行く小さな機械を渡した。
「ここを引っ張ればいいからな。」
軽く説明をして屋敷を出て行った。
「何かしらこれ?オチアイは、わけのわからない物を作るの好きね。」
「それ程、私たちを心配してるってことですよ!愛されてますよ私たち」
「お兄ちゃんがくれた物!大事にしなきゃ!」
三人ともに手渡すと、オチアイは屋敷を出て行った。