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9話 新しい仲間?家族?


フードを深くかぶり顔がよく見えない。このパターンエルフの時と一緒や。


「えっあっ、うん。え?」


困惑しているオチアイ。


「あの、お礼がしたいのですが。」


「お礼?別に要らないよ。君が無事ならOKです!」


親指を上に立て笑顔で言った。


「いや!お礼したい!」


オチアイの裾を掴み引っ張りながら駄々をこねていた。

かわいい、この子かわいい。


「わ、わかったよ。家はこの辺りなのか?」


「家はないの。私捨てられてて、それでさっき誘拐されて奴隷商に売られそうになったの。」


捨て子か。可哀そうに引き取ってやりたいがこの子の意思があるからなぁ。

心の中で葛藤している。


「じゃあ家に来るか?今は、家っていう家はないんだが泊めさせて貰っている場所があるからそこに一緒に来るか?」


フードの子に問いかけると二つ返事で承諾を得た。


「いいの!?一緒に行く!」


少し声高い喜ぶとその場に崩れ落ちた。


「ごめんなさい。ちょっと疲れたみたいで足が動かないの。」


オチアイはその子を背負ってマヤの屋敷に向かった。


「ただまー!その辺の屋台で料理に使える物買ってきたで。」


背にフードの子、両手に帰り際に寄った買い物の荷物を持って帰還した。

階段からマヤが下りてきた。


「おかえりなさいって、背中の子は?」


マヤは後ろに目をやって話してきた。

フードの子はオチアイの背中に隠れるようにして身を縮めている。


「あぁ、この子が誘拐されそうになってる処を助けたんだけど・・・」


マヤとオチアイが話している時に階段からエルフも降りてきた。


「何?何?その子は?」


質問攻めにされると思い食材を早く食堂にいるシェフに渡したいと思い質問を後回しにした。その後ろにマヤとエルフも付いてきた。

食堂にいたシェフに無事届け終えた後、リビングに向かった。

食材を受け取ったシェフは、誰お前?みたいな顔をしていたが無視した。

席に着きあらかたオチアイは説明をした。


「その誘拐に遭遇したとのことですが、騎士団の方には受け渡し済みとのことですが。」


マヤは速攻オチアイに質問をした。


「うん、まぁ事情聴取が長くて国立資料館に行けなかったんだけどね。」


「そんなことより、この子よ!どこの子?」


エルフは子供が好きなのか、フードの子から離れようとしない。


「そういえば名前聞いてなかったけどなんて名前だ?」


「私の名前は、レオ」


名前と一緒にフードを外した。フードの中からケモミミが出てきた。

この子は獣人族のようだ。


「あっケモミミ!かっわいい!!!」


エルフは興奮状態マックスだった。


「そうか、俺はオチアイだ。でこいつがエルフで、」


「ここの屋敷の娘、マヤです。レオちゃんって言うのね!かわいい!!!」


自己紹介をしている最中、マヤが割り込んできた。


「あ~もう!そうだわ!マヤ!レオ!一緒にお風呂に入りましょう!裸の付き合いってやつよ!」


エルフは席から立ち提案し、マヤとレオの手を取り部屋を出て行った。


「うん!静かになった!」


王都に着いてから忙しい思いをしたオチアイは部屋に戻り、ベットに倒れるように眠った。それから数時間が立ち。ドアからノックオンが聞こえると同時に目が覚めた。


「オチアイ、入るわね」


ドアからエルフとレオが入ってきた。二人ともマヤから借りたのかパジャマ姿だった。レオは、多分マヤが小さいころに着ていた服だろう。エルフは胸の方が少しぶかぶかだった。

レオはあった時とは別人の様だった。髪は金髪で猫耳が生えている。マントでよく見えなかったが尻尾も生えていた。

部屋に入るやいなやレオはオチアイに飛びついた。


「うわぁ!なんだいきなり、どうしたレオ?」


オチアイの服に顔を埋めながら話した。


「私ね、この間までパパとママがいたの、でもね、獣人族しかいない村にね、悪い人が来て村を焼いたり、人を攫って行ったの。私ね、それでパパとママに逃がしてもらったの。それ以降会ってないの」


オチアイの服を濡らすほど涙が出ていた。それを聞いていたエルフも涙を流していた。


「うっっ、うっ、パパ・・ママ・・・」


レオは過酷な人生を送ってきたばっかりだ。人間が嫌いなはずなのに、俺にお礼をしたいって無理しているのではないかとオチアイは思ってしまった。


「レオ、人間は嫌いか?」


レオを服から放して質問した。


「人間は嫌いだけどお兄ちゃんは好き!」


涙で濡らした目の周りを手でこすりながら言った。


「レオちゃぁぁぁん!私はぁぁぁぁぁ?」


エルフがきもい感じでレオに絡んだ。


「お姉ちゃんも好きだよ!」


レオはいい子だ。

オチアイはそんなレオを見て家族にしたいと思った。

ドアからまたノックが聞こえた。


「オチアイさん入りますね。」


マヤが入ってきた。エルフ達と同様にパジャマ姿だった。


「レオちゃん!どう大丈夫?」


レオはマヤから少し距離をとった。


「お風呂の時から少し距離を置かれてるのよ。オチアイさん何とかして!」


マヤはオチアイに懇願してきた。


「ふっ」


マヤはレオに嫌われているらしい、まぁ人間だからだろうが。

エルフはそれを見て鼻で笑った。


「レオ?マヤはいい人間だぞ。仲良くしな。なぁ?」


オチアイの後ろに隠れているレオを引きずり出してマヤの近くに近づけた。


「お姉ちゃんはいい人なの?」


上目遣いでマヤに言った。


「ブゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ」


マヤはきれいな放物線を描きながら鼻血を出しその場に倒れこんだ。


「おい!マヤ!誰か!メイドさん!来て!!!!」


ドアを開けて大声で誰かを呼んでいるオチアイ。それを見て腹を抱えながら爆笑しているエルフ。マヤの鼻血をもろに食らっているレオ。

場が修羅場だった。

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