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異世界に行くまでの話


序章 ちょっと異世界に行ってくるわ


俺の名前はオチアイだ。24歳独身で今年25歳になる自宅警備員兼自宅設備管理のニートだ。

先月まで設備管理として商業ビルで働いていたがなんかやりたいことではなかったので辞めた。そう!俺は根っからの引きこもりなのだ。

最低だと思うだろ?俺もそう思う。

なかなか俺のしたい仕事が見つからず、この年になったわけだがそろそろ本気を出さないとまずい親のすねをかじるのも俺の中では25歳までと決めているからだ。


大人子供部屋で自分のパソコンから求人票を見ている。


「なんか、俺にあっている仕事はないものか・・・・」


カチッカチッとクリックをしスクロールをし続ける。


「見つからん!俺のしたい仕事。はぁ・・・・」


深いため息をつき席を立つ。椅子に掛けてあったパーカーを着始めた。


「散歩しながら何か考えるか。」


玄関先に行き靴を履く。ガチャッとドアを開けた。

オチアイの家のすぐ近くに土手があり、そこはジョギングコースになっている。

独り言を言いながらそこを歩いて行った。


「人と関わらず、電話対応なし、接客なしの仕事がいいよなぁ~。そんな仕事あるのか?」


首を傾け困っていた。


夕日の光がオチアイの目の前から消え街灯の光が灯る時間帯。今の時期は1月後半、この時期はとても冷え込む。パーカーのみのオチアイには堪える寒さだ。足早に帰路につく。


幾ときの時間がたったのだろう。いつの間にか眠ってしまったらしい、歩きながら眠るって器用だな。目が覚めると暗黒の世界、目が空いてるのかどうかもわからないくらい暗いところにおった。


「ここは?なんでこんな明りがないところに俺は寝転がっていたんだ?」


暗がりの中、薄っすらと奥の方に光が見える。

そこには、暗い中明るく画面が光っているパソコンがあった。


「これは俺のパソコン?いや違うこんなダサくない。俺のはLEDとかでギラッギラッに光るやつだ。でも、なんでこれがここにあるんだ?これ浮いてんのか?」


そこには机も椅子もないのにパソコンとマウスだけが空中に浮いているではないか。


「死因:脳卒中

 起こった状況:家に向かっている最中、唐突に起こって外壁に頭を打ち死んだ。」


オチアイの死因などがパソコン内に打ち込まれていた。


「マジか、俺死んだのか。ということはここは死後の世界か。こんなにあっけなく死ぬなんて、俺のパソコンのデータを見られたら死ぬほど恥ずかしい物が入ってるがもう死んでるからどうでもいいか!」


エッチな物とか黒歴史になろう中二病のストーリーがパソコンの中に入っているのにもかかわらず。何故か、吹っ切れていた。


「このパソコンは何ができるんだ?てか、俺はここから出れないんだろうか。死んだから・・・」


と癖である独り言を言いながらパソコンをいじっている。下にスクロールしていると「次」というアイコンが出てきた。


「次?なんだろう?押すしかないな!」


躊躇なくポチっと押した。


「人種、スキル項目、属性、能力、性別、特技、etc.....」


色々な項目が出てきた。


自分で選択して異世界に行けるというのだ。

よくある転生ものや召喚ものだと神様が出てきてチートスキルを付与して異世界に飛ばしてくれると俺は思っていたが、こんな自分で決めていいものなのか?これから行く異世界の秩序がすごく不安である。無法地帯だったらどうしよう。


「人種ってエルフとかあるのかな?どれどれ見てみますか。」


「人間種、亜人種、異業種」

「※人間種以外を選択した場合、各種ランダムで転生されます。

亜人種:ゴブリン、オーガ、トロールetc......

異業種:アンデット系、天使、悪魔、スライム、ドラゴンetc.....」


3種類の中で人間種以外ランダムという博打要素がある転生だとは・・・


「俺の運はいつも最低だった今回も運に任せてしまうとまた碌なことがなさそうだから人間一択だな。」


「種族:人間 ♂」

「スキル:身体強化、飛行、魔法強化、神聖魔法、詠唱短縮、他8個」

「魔法属性:火、水、風、土、雷、氷」

「能力:all」

「ステータス:

 体力:∞

 魔力:∞」

「備考:全てそこそこの人間」


魔法属性は火、水、風、土、雷、氷と6種類ある。それぞれ弱点がありよくある、ゲームの仕様と同じだ。わからない人のために説明しておくと、火は水に弱く、水は風に弱い、風は土に弱く、土は水に弱い。風が水に強いってのはよくわからんがこのパソコンに書いてあるので知らん。

雷は土に弱く、氷は火に弱い。これが1連のサイクルらしい。俺はパソコンの画面に書いてあるものを説明しているだけだから「なんで?この属性がこの属性に強いんだよ」ってクレーム入れても俺知らん。この世界を作った紙に聞いてくれ。


と説明しつつどんどんメイキングをしている中、足音が暗い中から聞こえてくる。


「こんな暗い中に何かがいるという恐怖感パネェって!」


心臓が飛び出そうなくらい鼓動が高鳴る。これが泥棒の気持ちか

パソコンがこんなところにポツンと置いてあるわけがないのが当たり前だが、ここは神様の部屋なのか?


「ディエヴァス!まだ話しは終わってないぞ!」


「うっさいわねぇ!ペルクーナス達が勝手に決めればいいじゃない!私に言わないで!」


怒声が響き渡っている。


俺のいるここはもしかして家なのか?こんなに真っ暗で何も見えないところに誰か住んでいるというのか。


足音が近づいて来る。

誰か来ると思ったオチアイはキャラメイクがある程度しか終わっていない中、転生ボタンにカーソルを持って行った時、ドアの様なガチャッと音が鳴った。


「ちょっとあんた誰よ!」


見えない中、何者かの声が聞こえる。


「ひゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!」


変な奇声を上げながら転生ボタンを押してしまった。

オチアイの周りに光が灯り足元が薄く消えていく。


「◎△$♪×¥●&%#?!」


よく聞き取れないが何か言っている。

うひょひょひょひょ~異世界楽しみだな!どんな生活が送れるんだ。チート能力も盛りだくさんだし俺の人生バラ色だぜ!うひょひょひょぉぉぉぉぉぉぉぉ!

謎の踊りをしながら消えて行った。



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