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能ある鷹は爪隠す  作者: 峰白麻耶
6/11

お父さんと遊ぼ?

「ふあ」


ねむい。すごく眠い。何で眠いのかと言われればずっと本を読んでるから。と言ところだけどそうじゃない。今日は特別だ。普段ならサーシャが叩き起こしにくるんだけど今日はそうにもいかない。



事の顛末は二日前に遡る






何時も通り食卓を囲み俺の隣にはユン。ユンの隣にサーシャ。そして反対には母さんと今日は仕事が早く終わったのか父さんがいる。


やはり貴族でも仕事はしないといけないのか。けっ。ぐーたらできるなら当主に成ってもいいと思ったけどそうにもいかないか。


父さんの仕事は騎士団と言われる。まあ、言い換えるなら軍隊とでも言えばいいか。その中でも近衛と呼ばれる王直属の部隊に居るらしく結構忙しい。家に居るのも週に1日居ればいい方である。


父さんがあまりしゃべらない性格だからか余り会話はない。それこそ今のように一緒に食事をたべる時に近況報告するくらいだろう。俺は書の間に引きこもってるからな。ユンとかラピスとかの方がよく父さんのと喋っているだろう。


だがしかし週6勤労とかとんだブラック企業。いや、この世界にはそんな概念無いだろうけどさ。


と言うわけで今日はそんな所にお勤めの父さんが家にいる分けであります。



「リズティー。最近勉強はしているか?」



ナイフとフォークで綺麗に肉を切りながら父さんは話を振ってくる。意外にナイフとフォークって使うの難しいんだよね。わかる?俺は分かるよ。苦戦したもん。うん。前世でね。


父さんが振ってくる話題は相場が決まっている。勉強はしているか?外に出ているか?友達と遊んでいるか?である。


本来最後の2つは、いや2番目の物は子供としてどうかと思うけど仕方ない。部屋が外に出してくれないんだよ。部屋が恋人、本が友達。


………普通の親ならこの子将来が心配って思うだろうな。俺も思うもん


「勉強はちゃんと予習復習をすればそこまで難しくないから大丈夫だよ」

「そうか。家庭教師の先生から聞いたが飲み込みが早いって言っていた。この調子でかんばってくれ。ユンもラピスも分からない所が合ったらリズティーに聞くんだぞ」



この父。寡黙と表現したが実際は割と面倒見がいい。ラピスを家族の一員として数えてるからな。


恐らく寡黙なのは雑談と言うのが苦手なんだろうな。話題振るの苦手そうだもん。だからこういう典型的と言うか堅くばった内容ばっかりで……



「リズ。ずっと本を読んでいるけど最近は何を読んでいるの?」



こういう風に母さんに助け船を出されて俺の普段の生活を聞いてるんだもんな



「最近?薬草大全、魔獣百科、鉱石図鑑とか?」

「まあ、何でそんなマニアックじゃなくては専門書みたいなの読んでいるの?」

「面白いから?」

「すごいわね。将来は学者さんかしら」



うふふと笑う母さんをしり目に多少の罪悪感を覚える。なんといったってこの作業はもしもの時の保険だからな。別に好きで見ている分けじゃないんだよ。まあ、魔獣百科は完璧な興味本位で読んでいるうちに没頭しちゃったんだけど。


その時にユンの本を読んでコールを思いっきり無視していて口を聞いてくれなかったのは懐かしい。むしろ黒歴史だ。その時ほど本を集中して読むと周りの音が聞こえなくなるこの集中力を恨んだことはない。


まあ、ふくれっ面のユンは可愛かったけどさ。お兄ちゃんなんかもう知らないって言って顔をぷいって背けて歩いて出て行くのを追いかけて謝り倒して最終的にはお兄ちゃんを許しますってまだふくれっ面で許されたんだよね。膨れたほっぺ潰したら怒られたけどね。仕方ないんだ。人間だもの。うん。関係ないね



「学者もいいがいい加減たまには外に出ろ。リズティーと同い年の子供はみんな遊んでいる。広場に行けば友達も出来るだろ。ユンもラピスも行っているだろ」

「うん。いっぱい友達できたよ。この前は鬼ごっこしたし」

「うん。だるまさんが転んだもした」


いつの間にかそんな所にいっていたの?と言うよりだるまさんが転んだと鬼ごっこがあるのが不思議何だけど。



懐かしいな~………………したこと無いけど



仕方ないんだろ。敵だらけで学校にそもそもいく暇がなかったんだよ。俺に友達がいない分けじゃない。あっ、今いないわ…………気にせんとこ



「外で遊ぶと疲れるしなにより家で本読んでいたり庭で日光浴している方が好きだし……」



まるで老後のお爺さんだな。これでお隣さんと将棋打っていたらパーフェクト



「ふむ、明日は何が何でも外に出て貰うぞ?お前も7歳。儀式はまだだから武術の特訓だ」

「え?」

「いつも仕事が忙しくて相手を出来ないからな。私にできないことをだ」

「でも何で武術?」

「身も守ることは大切だからだ。万が一の時でもな」

「明日の昼からやるぞ。遅れるな」


こうしての強制訓練である。んで、最初に繋がるわけだ


現在時刻朝の11時。何時もの俺ならまだ布団の中だ

。だって12時まで寝ているし。でも1時から始めるらしいけど……遅れない程度にゆっくり食べよう


「いただきます」


今朝の昼食はウインナー、スクランブルエッグ、パン、ジャム、サラダである。たまには前みたいな変わり種はあれど基本的に食材は同じだ


30分かけてゆっくり食べて歯を磨いて顔を洗い用をたす。


そう言えば毎度思うんだけどこの庭結構広いよな。もう一個一軒家が建つくらい。


母さんも外に出ろと口を酸っぱくとまでは言わないが時たま言ってくる。父さんは毎週だ。まあ、体を動かすことの大切さを知っているんだろう


だが、1つ訂正したい。俺は外には出ないが運動はしていると言うことを。前世で日課だった腕立て、腹筋、背筋、瞑想などなどのメニューを俺に合わせて部屋でやってる。


つまり言えば動けるデブならぬ動ける引きこもりだ。動けるデブって痩せたらどれぐらい動けるんだろうって毎回思うんだよね


それはいいとしてやっと教官もとい父さんが来た


「うむ。ちゃんと来たな」

「来ないと後が怖いから」

「よくわかっているな。まずリズティーに聞きたいんだが体術と剣術どっちをやりたい」

「ん?んー。体術?」


正直どっちでもいい。予習済みと言うより習得済みだ


「そうか。体術が出来れば体も作られる一石二鳥だ」

「まずなにやるの?」

「そうだな。基本の姿勢だな。重心を落として両手は顔。移動は摺り足。構えは大事だぞ」


俺は言われたとおりにする。はあ、違和感と言うよりあの爺、否東雲流といきなり違うな。爺曰わく相手が構える隙を与えるなら二流。一流なら構える前に殺す。なら構えと言う物を省き自然体からと言うものだからな。俺はこっちの方に納得だが


こうして微妙な食い違いで進んで行った。





★★★★

「よし、今日はこれで終わりだ。何時も外でない割に体力があるな」

「それでも疲れた。当分外に出たくない」

「そうか。まあ、今日頑張った褒美に面白いのを見せよう」

「おもしろいもの?」


そう言うと父さんは近くに置いてあった剣を取り鞘から抜いた瞬間に雰囲気が変わった。張りつめるような殺気とも変なエネルギーとも取れる何かがある。



いきなり火玉が現れ父さんの方に飛ぶ。まだ距離は十メートルくらいある。父さんは構えもせずに火玉を見てる。そして火玉が剣の間合いに入った瞬間。



一閃。火玉が割れた。普通に考えればおかしい現象。火はそもそも斬れないし剣が溶ける可能性もある。それが真っ二つに斬れると言うことは何かがあると言うわけだ


「まずリズティーには言って置くが魔法が一番強いあるいは無敵と言うわけではない」


父さんは剣をしまいながら語る


「今私がやったのは魔当て。闘気と言うものを武器や身体に纏い魔法に当てることが出来る。私は魔法専門だから弱い魔法しか斬ることが出来ないがな」


そういって軽く笑う


「しかしこの闘気を極めた武人は侮れない。魔法を極めた魔法師より厄介だ。闘気には段階がある。第一段階は剣の強度を上げる剛剣。段二段階が切れ味を上げる斬鉄。三段階は魔当て。ここまで出来れば武人として上出来だ。たまにどれか一つが才能として出来る者もいるけどな。身体能力と感覚は闘気を習得した時点で魔法より効果は薄いが強化される。ここから先はもう武人としての壁を超える。斬撃を飛ばした次は魔当てを混ぜて魔法を消す斬撃。半分魔法みたいなものだな。次は身体能力と感覚がぶっ飛んで最終的に魔法が効かなくなる」


それは人間じゃないな


「だから魔法を使えなくても身は守れるし強くなれる」


それはなぜか自分に言い聞かせてる用な口調で意味が分からなかった。父さんは魔法専門といった。なのに?言葉の真意が分からない


俺がただの子供なら見過ごした言葉。それは後に分かる













こうして休日の父の強制訓練は終了した

















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