最後の日までに
最近思うことがあるり一日一日が楽しいということだ。俺は珍しく四時に目を覚まし眠れなくなったので、眠気がくるまでまたま暗い朝の空を眺めていた。
明後日。遂に魔才の儀が行われる。それは即ち俺の八歳の誕生日だ。もしかしたら、俺はここでこの家とさよならしなくちゃならない。父さんはこの家を上に上げようとしてるのは聞いている。そのために必要なのは手っ取り早い話が魔法だ。その魔法の才能を持たない俺は邪魔になる。しかし父さんの様子を見るとそんな事を思想に見えるか?と思うが……俺は人の暗い部分しか見てなかったしな。時々父さんは俺を睨みつけるように見ていたし。まあ。人は環境ときっかけと本人次第で変わるからね。まあ。何とかなるさ。
再びもぞもぞと布団の中に入り俺はまた眠りに着いた
「リズティー様ー。朝ですよー」
むく。
「おお!リズティー様が自ら起きた!?」
バタン
「いや。起きてくださいよ~」
珍しく。本当に珍しく。この日は8時前に起きた。
「あら。珍しい。もう起きたの?」
母さんは本当に珍しいものを見たかように目をパチパチしている。
「何となく眠れない」
「それは何時も寝過ぎなんですよ。よく毎日あんなに寝られますね」
「何時も寝るのが十時か十一時くらいだから」
俺がそう言うと母さんもサーシャも驚いた。もっと早く寝なさいと怒られたが、本を読むと答えると身長が伸びないと言われ撃沈した。やっぱり身長は欲しいよね。うん。
明日が誕生日だからと言われなに食べたいと聞かれ、母さんの料理なら何でもいいと答えると嬉しいこというなーと朝からもふもふされた。
やはり午前中は俺の宿題。今は算数を脳内そろばんでやりながらどんどん解く。午後はユンとラピス、サーシャと庭で何かするつもりでいた
昼食を食べ午後。早速俺は
「ユン、ラピス。外で遊ぶか?」
ラピスはおもむろに俺に近づくと手を俺の額に当て
「熱でもあるんですか?」
流石に心が痛くなった。いや。頼まれたらちゃんと出るよ?自発的に出ないだけだよ?
「わーい。あそぼーう」
ユンは無邪気に喜んでいたようだった。
庭で鬼ごっこをする事になる。サーシャも加わり四人だ。
「えーと。妥当に鬼はリズティー様ですよね?」
「いや。そこは年長者だろ?」
「いえいえ。リズティー様もたまには年長者を敬って下さい。最近私のからかいがひどくなってません?」
「それはサーシャが親しみやすいからだよ。そうゆうところはすごいと思ってるぞ?」
俺は親しみやすさと舐められるは紙一重だと思ってるが
「そうですか。仕方ないですね~。私がやりますよ」
さっきまで俺とサーシャ。どちらが鬼をやるかで揉めていたが、俺のおだてに乗ったサーシャは鬼となった。
「えい!」
「ほっと」
「そいやー!」
「ほらー。頑張れ~」
「とう!」
「残念ー」
ユンとラピスは早々に捕まり最後は俺だけとなった。無論。
「おーにさーん。おいでー」
疲れたサーシャに手を振り余裕の笑みを浮かべてるがな。
「はあはあ。普段外に出ないくせに運動神経良すぎませんか?」
息をきらしながらサーシャは言うが父さんの訓練で基本的な体力は付いてるし部屋でできることはやっている。少々俺の運動神経を見くびったなサーシャよ
「おにいちゃんすごーい」
ユンは手を叩いて我がことのように喜び
「………」
ラピスは開いた口が塞がらない状態だった
「と言うかリズティー様が何かさっき一瞬消えたような錯覚がしたのは気のせいなのかな?」
サーシャが言ってるのは縮地。まあ。簡単に言えばさっと相手の懐に入る技。それを極めると一瞬消えた見えると言うわけだ。面白いかと思って使ってみたがいまいちのようだ。すると家から母さんが出てきて買い物を頼まれたので今日はお開きとなった。
さっさと目当ての八百屋に行きいつも通りなのが悲しいが女の子扱いされやはり服を貰いそうになった。いつも道理過ぎて逆に安心する俺は可笑しいのだろうか?今日は母さんにそれぞれ好きな物を買う買うお金を貰っている。俺達は何時も行ってる雑貨屋に行ったのだった。
「よう。リズ。それにユンちゃんもラピスちゃんもサーシャちゃんも一緒か。それにしてもリズが来るのも久しぶりだな。何ようだ?」
この気さくなおっちゃんは元騎士団。近衛部隊ではなく街を守る人らしいが怪我をして引退しここで雑貨屋をしている変わり者だ。俺が初めて母さんと来たとき、惜しい物と聞かれ即座に本と答えたらないという自体が発生した以来、本を扱ってくれる事にしてくれたとっても優しい人である
「買い物の帰りがてら冷やかしにだよ」
「はっはは。その年でだいぶ性格が悪いな!」
「まあ、冗談で買い物だよ」
ユンとラピスはもう目当ての物が見つかったのかおっちゃんに出している。俺は何時も道理本を買って渡そうとしたが……
「最後か……」
小声で呟く。もしかしたら。がよぎり本を置きペンと紙を渡した
「珍しいな。本以外をリズが買うなんて。明日は雨か?」
ゲラゲラと笑うおっちゃんに代金を渡すとサーシャが興味深げに手元を見てくる
「何に使うんですか?紙とペンなんて」
「ふっふ。絵を書くのに使うんだよ」
流石にユンとラピスもいる。そもそもサーシャにもこれの本当の目的は言えるはずか無かった
帰り道。徐々に日が暮れるのが早くなるのは前と同じ。夕焼け空が広がる。
「夕焼けはやっぱり綺麗ですね」
サーシャはぽつりと呟く
「俺はどちらかと言えば夕焼けより星空の方が好きなんだけどな」
「あっ。私も星すきです。星座を見つけるのが面白いですよね」
「おっ。ラピスわかるか?」
ぐりぐりと頭を撫でるとくすぐったそうに笑う。ユンもして欲しそうな目で見るからサービスでユンにもしてやる。嬉しそうに喜ぶ姿を見るとこうして転生してまた生きてる事に喜びを感じる。前世じゃ気の合う奴。信用する奴は居なかったしな。精々三人。じいさんとばあさん。それに家にいた執事くらいだったしな。
ふとラピスをもう一回撫でようとしたら別の方向を見ていた。
そこには両親と女の子。耳を澄ますと今夜のご飯の話をしているようだ。
どこにもあるようで日常的な会話。しかしラピスには本当の両親と離れている。やはり大人びても寂しいのだろう。
自分がやろうとしてることは柄ではない。何故なら前世は善行より悪行の方がやってきた自覚がある。
しかし
やらないよりやる方がいい。子供の頃の傷は大人になっても残る。柄ではないと一蹴してやらず後悔するよりましだろう。
例え、俺の自己満足でも。
俺に残された時間は少ないかも知れないんだから