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accelerando  作者: 奏多悠香
3/39

3 土下座するアイツ

「頼むから話を聞いてくれ。このままじゃ、貴俊は一歩も前に進めない。頼む」


 床に頭をこすりつけるような姿勢に、私の思考は完全に停止した。

 「貴俊」という新しいキーワードを得た野次馬たちは昼ドラ話に脚色を加えはじめ、九月から十二月まで続いた「追うイケメンと逃げ惑う凡人」についにケリがつくかと瞳に浮かぶ好奇の色を隠しもせずに私たちを取り囲む。


「ほんの少しでいい。時間をくれないか」


 追うイケメンは、今や凡人の足元に丸まっている。

 広い肩幅に小さな頭、少し堅そうで無造作に散らされた髪。一目見て良質とわかる仕立てのよいスーツ。下を向いているせいで顔は全く見えないのに、なぜかイケメンとわかる。

 彼を見下ろすわたしの頭に浮かんできたことといえば。

 これを雰囲気イケメンというのか、いや、ちがう、この人は真性のイケメンだ。雰囲気が、ではなく雰囲気も、イケメンなんだ、とか。

 土下座している人を足蹴やら鞭打ちの刑にできるドS女王様は(ドS女王様のイメージがこれで合ってるのかはわからないが)すごい、どうやら私には到底無理そうだ、とか。

 床についた手がきっちり揃っているのが何か妙に滑稽だ。とか。

 そういった非常にどうでもいいことばかりだった。

  思考があちこちに飛んだのは、イケメンに土下座をされたのが初めてで戸惑ったからだ。まぁフツメンにもブサメンにも土下座をされたことはないんだけども。


「えーと、修羅場、か……?」


 後ろから声がして、振り返ると課長が立っていた。

 いや、課長だけではない。

 見慣れた顔も、見たこともない顔も、あらゆる顔がこちらを向いていた。

 ぐるりと周囲を見て、その円の中心に自分が立っているという現状を認識したところで、ぼんやりとしていた耳に周囲のざわめきが飛び込んできた。同時に、足の感覚も、声も、そして、羞恥心も戻ってくる。

 気が遠くなりそうだ。

 が、ここでぶっ倒れるわけにはいかない。

 男の隣にしゃがみ込み、肩を掴んで引っ張った。


「ちょっと、恥ずかしいから。立ってください。わかったから」


 このままここに置いとくと、もう一つのキーワードまで飛び出しかねない。それはダメだ。会社でそんなことをされたら、私の大事な友人が昼ドラ話の餌食にされてしまう。


「本当に?」

「……とりあえず出ましょう」


 返答が息も絶え絶えになったのは、うっかり至近距離で覗き込んだ瞳に吸い込まれそうになってしまったせいだった。イケメン恐るべしである。

 男と連れ立ってビルを出るとき、後ろからおおーっという歓声が聞こえてきた。

 勘弁してほしい。私は明日もこの会社に来なくちゃならないというのに。

 襲い来る頭痛に耐えながら、会社から離れようということばかりを考えてノシノシと歩いた。


「喫茶店でいいですか?」


 一応敬語を使って問いかけたら、男はこくりとうなずいた。


「いい。どこでも」


 うなずくときってさぁ、必然的に顎の肉が寄るじゃない? 私はその瞬間二重あごになるわけだけど、どうしてあんたはならないのかね。

 混乱しているせいで、再び明後日なことを気にして顎の肉をつまみながら、会社から少し離れた喫茶店に入った。

 イケメンのせいで妙に視線を感じる居心地の悪さが、今の私にはキツい。

 向かい合って腰かけたけど、正面の男がデカいせいでテーブルがやけに小さく見えた。おまけに、テーブルの下に押し込まれた足がものすごく窮屈そうだ。

 正直に白状すれば、その点はうらやましい。私はそんなに深く椅子に腰かけたら床に足がつかない。理由など言うまでもない、足が短いからだ。


「……で? なんですか? 一体」


 嫌な感情を最前面に押し出しながら尋ねた。

 対する男の表情は、真剣そのものだった。


「知りたいことは一つだけだ。美咲ちゃんはなぜ、貴俊との連絡を絶った」


 まあ、その話だろうとは思っていたのだ。

 私の美咲が最近失恋をした相手というのはこの男の従兄弟、倉持貴俊だ。真面目そうな顔して平気で嘘をつく最低な人間だ。誠実そうに見せかける辺り、わたしの目の前にいる見るからにチャラそうな人よりもよほどタチが悪いとも言える。


「何でって、心当たりくらいあるでしょう」

「ない。あいつが美咲ちゃんを傷つけるようなことをしたとは思えない。何が不満だったんだ」


 あまりにもキッパリと大嘘をつかれて、腹がたつというよりも妙に感心した。

 すごい。こんなに真剣な目できっぱりはっきり嘘がつける人っているんだ。私ならきっと目が泳いじゃうだろうに。

 嘘が下手な自覚はあるから、目を見られないように視線を外して冷たく言った。


「言った通り、美咲はお見合いしたの。だから貴俊さんとはもう連絡は取れないって。だって、お見合い相手に失礼でしょう?」

「なんで見合いなんかしたんだ。貴俊に不満があったってことか?」


 男は形の良い目を眇め、唸るような声を上げた。

 眩しげにも見える表情に、胸の奥がざわつく。それを何とか誤魔化そうと心の中で抵抗を試みた。

 あ、目の下にホクロ発見。泣きぼくろだ、やーいやーい。泣け泣け。美咲を苦しめるような奴は、泣けばいいんだ。

 関係ないことを考えて心を落ち着けようと思ったけど、効果はゼロだった。


「なんだよ」


 男は不満そうだ。

 仕方なく、小さくため息をついてから答えた。


「細かいことは知らない。でも、そろそろ結婚を考える年齢だからお見合いをしますって、普通のことじゃない?」


 マグカップに手を伸ばした。口をつけ、顔半分を隠す。そうしないと本心を覗かれてしまいそうな気がしたのだ。

 甘ったるい液体が口の中に流れ込んできて、何とも言えない苛立ちが募った。


「結婚を考えるなら、付き合ってた貴俊と考えればいいだろう。貴俊だって将来のことをちゃんと考え始めてた」


 この人、なに言ってんの。

 ただでさえふつふつと燃えていた心に、次の一言が油を注ぎ込んだ。


「それに、そういうことなら直接貴俊に話をすべきなんじゃないのか。いくら何でも突然連絡を絶つのは失礼だと思わないか。結婚まで考えてた相手に対して」


 この状況でまさか、美咲を責めるような言葉が出てこようとは。面の皮が厚いにもほどがある。

 私は両手でバンとテーブルを叩き、怒鳴り声を上げた。


「いいかげんにしてよ! 既婚者とどうやって結婚するっての! 貴俊さん、奥さん居るでしょう! 知ってる? この国、一夫一婦制! つまり、重婚はできないの! 一夫多妻がいいならどこかよその国でどうぞ!」


 男は固まった。

 私が知ってるなんて思いもしなかったのだろう。よくぞまぁ、平然とあんなことを言えたものだ。おかげで喉がむちゃくちゃ痛い。


「……既、婚、者?」

「そう。倉持貴俊さん、結婚してるでしょ? 玲子さんって人と」


 ガラッガラの声で言うと、男の顔色がすっと変わった。嘘がうまいのか下手なのか、どっちなんだ。


「どこでそれを……」

「あなたの家」

「俺の……?」

「結婚式の招待状。この間映画を観に行った日に見つけたの。愕然とした。私のことも美咲のことも騙して。どの面下げて会いになんて来れるの。いい? もう、二度と来ないでよ」


 私はそう言うと、伝票を持って立ち上がった。さすがにこの状況で伝票を置いて立ち去るのはいただけないという判断だったが、それを掴んだ直後には後悔していた。

 くぅっ。ここのコーヒー異常に高いんだった。ばかたれ。

 しかし、即座に腕を掴まれた。


「聞け。誤解だ」


 その命令口調に、コーヒー代の恨みが脳天を突き抜けた。


「は? 誤解? まさか、もう離婚したとでも言うわけ? 結婚したのが去年の9月で、美咲と貴俊さんが出会ったのは3月だよ?」


 たった半年での離婚。もちろん、あり得ないわけじゃない。

 だけど、美咲と貴俊さんが初めて出会ったとき私はその場にいて、この御曹司は言ったのだ。『美咲ちゃん、よかったらあいつとメールでもしてみない? 日照ってるから、あいつ』と。

 半年前に結婚した人をつかまえて何が日照りだ。

 美咲は美咲で貴俊さんに好印象を抱いていたらしく、その後私を介して貴俊さんのメアドが美咲に知らされることになった。それがふたりの出会いだった。

 男は下唇を噛み、歯痒そうな表情で髪の毛をかき上げた。そして何か言いたそうに口を開いたけど、私はそのまま捲し立てた。

 

「美咲は見たんだってよ、貴俊さんの家の前で男女が抱き合ってるとこ。女の人の左手薬指には指輪があったって。仮に百万歩譲って離婚してるとしても、離婚歴があるなら話すべきなんじゃないの? 将来のことを考えてたんだったら尚更でしょう! 美咲は純粋な子なの。大人の男だかなんだか知らないけど、そんな遊びに巻き込まないで!」

「違う」


 腕をつかむ手に力がこもる。

 体格がいいせいか、力も強い。振りほどけない。

 倉持真吾が一瞬私の背後に視線を投げて小さくうなずいた。振り返ると、店員がどうしたものかという様子でこちらを見ている。

 一気に突き抜けた怒りはすぐに申し訳なさと恥ずかしさに取って代わり、店員さんに向かってペコリと頭を下げてから再び男に向き直った。

 腕はまだ、つかまれたままだ。


「痛いんだけど。離して」

「聞いてくれ。頼むから」


 ああ、またこの懇願するような顔。

 整った顔立ちを苦しそうにゆがめた表情は文句なしにイケメンだった。


「頼む」


 別にイケメンに釣られたわけじゃないけど、と心の中で言い訳をしながら結局私はおとなしく座った。NOと言えないこの性格を早いところ何とかしないと、そのうち確実に壺を買わされる。水晶かもしれない。


「あいつは結婚してない。したことない」

「じゃあどうして結婚式の招待状があるの」


 往生際の悪さに、ため息がこぼれた。


「結婚式はしたんだよ、途中まで」

「へっ?」

「一年前、あいつは見合いした相手と結婚する予定だった。だけど結婚式の当日に花嫁を掻っ攫われた。婚姻届は結局出さずじまい。あいつの家の前で抱き合ってた男女ってのは、おそらくその花嫁と、連れ去った男。込み入った事情があって、あいつの家の前が仲直りの現場になったんだ」

「ちょ、ちょっと待ってよ」

「待ってもいいけど、逃げるな。話なら全部聞くし、全部説明する。だから……」


 男は切なそうに瞳を揺らした。


「あいつは超がつくほど不器用な男だ。結婚式で置いてけぼり食らったなんて、美咲ちゃんに話せなかったんだよ。かっこ悪いだろ? でも最近やっといろんなことを整理して、美咲ちゃんに話す決心がついたって言ってたんだ。つまり、将来のことも考えてたんだよ。あいつ、新居になるはずだったマンションに住んでたんだ。家具とか全部揃えちまってたし、その前に住んでたアパートは引き払った後だったから、花嫁がいなくなった後もしばらくは新居に住むしかなかったんだよ。そこが広すぎるからって、やっと引っ越したんだ。ちゃんと前に進む決意をして。なのに……」


 この続きを私は知っている。

 美咲が連絡を絶った。

 直接的な原因は私があの招待状を見つけたことにある。

 招待状を見つけた私はその日に美咲に電話をして、「貴俊さん結婚歴あるかもしれない!」と美咲に告げた。美咲は息を呑んだ。すでにいくつも思い当たる節があったらしく、私のその一言が決定打になった。結婚歴ではない、きっと彼には奥さんがいる、と美咲は言った。それですべての辻褄が合う、だからもうやめなきゃ、とも。不毛な思いを断ち切らなければと。

 どうしてあの時、この人に尋ねなかったのだろう。「これは何?」って。

 そうすればきっと、この答えが返ってきたのに。

 どうしてあの時……

 答えはわかっていた。

 私の中でどこかにあったからだ。いわゆる「ボンボン」と呼ばれる人たちに対する偏見が。美咲が傷つけられやしないかとずっと警戒していたから、勝手に「恐れていたことが現実になった」と思い込んだのだ。

 私は頭を抱えた。茶髪のウィッグが持ち上がって不自然な頭になっているのがわかるけど、いいんだ。そんなことは。


「私が……あなたの家で招待状を見つけちゃって……それで美咲に話したから……ごめんなさい、ごめんなさい」


 最低なのは私だ。勝手に思い込んで、かき混ぜてしまった。美咲を守ったつもりで、ぶち壊したのは私だった。


「まだ間に合うかな? 美咲に話して、誤解を解いて……ああもう、本当に、なんてことを」


 男は急に穏やかな表情に変わった。ほっとしたような顔。


「俺も貴俊も、もっと早くに話しとくべきだった。あんな招待状なんて見つけたら誰もが結婚してると思うだろう。だからハルカちゃんが気に病むことはない」


 こんなときに。

 どうしてこの人は突然優しさを見せるのだろう。弱って穴ぼこだらけになった心には、優しさがぐいぐいと染み込んでくる。

 この人がモテるの、わかる。


「どうしたらいいかな? 美咲に話す?」

「そうだな。必要なら俺から説明する。だから美咲ちゃんに会わせてくれないか」


 熱のこもった声。少しハスキーで、耳の内壁をざらりと掠めていく感じ。


「わかった。明日にでも美咲に話してみる。ちゃんと会って話したいから少し時間かかるけどいい?」


 男は神妙な顔つきでうなずいた。私はそんなイケメンをじっと見つめた。

 何だその鼻、彫刻か。


「何だよ」


 じろじろ見られているのが不思議だったらしく、そう聞いてくる。

 観察されるのは慣れてるだろうに。


「あなた、常務でしょう。取引先の会社で女相手に土下座なんて、大丈夫なの。噂とか、広まっちゃうんじゃないの」

「誰のせいだよ」


 男はそう言って笑った。左右の口角の上がる角度が微妙にずれて、少し皮肉っぽい笑顔。ニヤッて感じの笑い方。


「全然大丈夫じゃないと思うよ? 会社の爺さんたちにもみっともないって怒られるだろうな。でも、大丈夫じゃないから伝わったんだろ」

「え?」

「明らかに大丈夫じゃないことしちゃってるから、ハルカちゃんが俺の話聞こうって気になったんだろ?」

「確かに、そうかも。土下座なんて初めて見たから」

「俺だって初めてしたよ、土下座なんて」

「え?」

「土下座しなきゃなんないような悪事を働いたことはない。それに自分のために土下座なんかできねぇよ。貴俊のためだからできたんだ」


 ――ああ、そういうこと。


 私はピンときた。

 さっきの必死さと言い、これで説明がつく。

 友達のために土下座なんて、普通はできない。

 つまりそれは、


「あんた、貴俊さんのこと好きなんだね」


 そうとわかったら何か切なさで視界が潤んだ。道ならぬ恋とか結構好物なんだよ。お互いに惹かれ合った相手と実は兄妹だったとか実はちがったとか因縁のライバルとか友達がライバルとか事故の後遺症だとか大波小波に揉まれまくる某海外ドラマに母親ががっつりハマっていたせいもあるのかもしれない。母親の携帯にはいまだに時代遅れのポラリスストラップがぶら下がっている。


「……はぁ?」


 男はナイフみたいに鋭い声をあげた。秘密がバレたと思って肝を冷やしたのだろう。


「自分のためにできないことも相手のためにならできるなんて、そんなの……愛じゃん」

「おい、ちょっと待て」

「安心して。そういうのに偏見とか無いタイプなの。人それぞれ、恋愛のかたちは違ってていいと思う」


 私もときどき可愛い女の子と話しててドキドキすることあるし。


「……どんな誤解だよ」


 御曹司の首がかっくりと前に折れた。さすがに死角のないイケメンは頭の形もキレイだった。ちなみにつむじは左回りだ。


「え? 違うの? 隠さなくていいんだけど。別に私あなたに興味ないし、あなたが貴俊さんを愛しててもいいんだけど」

「俺はどう見たって生粋の女好きだろうが」


 どこからどう見てもモテ男なのはたしかだ。初めて会った時から私のチャラ男アンテナがこいつに反応して大音量の警告音を発してきたので、私は最初から警戒心Maxで接していた。

 いやまぁこれだけ美しいお顔立ちなもんで、観察対象としては悪くないわけですがね。


「ほら、隠れ(みの)とかもあるじゃない」

「俺がそんな非生産的なことするような人間に見えるか。欲しいと思ったら周りがなんと言おうと手に入れる。どんな妄想が広がってるのかわからないけど、見守る愛みたいな馬鹿げたことはしない性質(たち)だ」


 ぐぬぅ、た、たしかに。


「じゃあなんでそんなに必死なの」

「貴俊は俺の従兄だけど、同じ敷地の中で育ったから兄弟みたいなもんなんだ。その上同い年だからちっさいときからずっと一緒に遊んでた。学校でも一緒だった。幼馴染でもあり、親友でもある」


 ちょっい待ち。聞き捨てならない言葉があったぞ。同じ敷地の中で育った、って何。そんな概念初めて聞いたんですけど。同じ敷地の中に家がいくつもあるってこと? やだぁ、金持ちってこわぁい。


「それに、あいつには恩がある」

「恩?」

「そう。一生かけても返しきれないくらいの恩がな」

「恩……ねぇ。そんな言葉、久しぶりに聞いたよ。恩返しなんて……律儀なんだね」

「借りを作るのがいやだって言った方が良かった?」


 男は楽しそうにクックッと笑う。


「いや、よくはないけど……」

「その方が俺っぽいんだろ? 俺みたいなのが恩返しなんて、おかしいよな。もっと冷たくてビジネスライクな方がそれっぽい?」


 …………思考を完全に読まれているようです。


「俺はこう見えても友達は大事にする方だよ」


 手つかずだった飲み物にようやく手を伸ばし、男はぼやくように言った。


「でも、彼女は大事にしないんでしょう?」


 初めて会ったときも、この人の奔放さは散々ネタにされていた。

 ネタにされて嫌そうな素振りも見せず、チャラいことを隠す気もなさそうなところをみるに、チャラいとわかっていても寄ってくる女性はたくさんいるのだろう。


「同じくらい大切な存在じゃないの?」

「ま、いろいろな」


 何が色々なんだかよくわからなかったけど、曖昧にぼかされたまま結局その会話は終わってしまったのだった。

 変なの。私の図鑑にはいなかったタイプだ、アイツ。




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