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いちごの砂糖漬け   作者: 霧霧
12/12

じゅうわめ

あんな佐奈江ちゃん久しぶりに見た、今回はどれだけの被害が出るのかな…。


そんなことを考えるのは不謹慎なことはわかっているが私、市原亜子はワクワクしていた。そう、あの頃のように。


佐奈江ちゃんと出会ってから早四年。

今は佐奈江ちゃんの友人として隣にいるが、昔は部下として彼女の傍にいた。

いや私はそのつもりだったと言うべきだろう。

彼女は私の存在には気づいていなかったのだから。何人か仲間と呼べる人物がいたのだが彼女が個として見たのは木村四郎だけだった様に思う。


それから刻がすぎ、いろいろあって今の学校に馴染めなかった私に手を差し伸べてくれたのは彼女だったわけで。私のこと気づいているのかわからないけど彼女にとってはそんなのどうでもいいことなのだろう。

中学生の頃より近づいた私たちの関係は嬉しく思うが、昔のように佐奈江ちゃんの手となり足となり働くことができることが私にとっては一番だ。

佐奈江ちゃんかわ西東くんのことを好いているのはバレバレだった。ずっと手を貸したかったのだが彼女がそれを望んでいなかったから。


でも今は私を使ってでも本気で思いを伝えようとしているみたいだ。


「ふふっ」


さて、とりあえず事後処理の準備をしようっと。今回はPTAに喧嘩売りに行ったり、どこかの企業のお偉いさんを殴ったりしないで欲しいな。…ああ、今から胃が痛くなってきた。












『さあやって参りました。皆さんお待ちかねの障害物競走です!えーわたくしこの放送をするために放送部に入ったと言っても過言ではありません!そもそもこの学校の体育祭を初めて見たのが …』


「やはりここは放送室を占領そこからの告白?」

「いやいくらなんでもそれはないよ……」

「じゃあその辺の車をパクって西東くんをさらっていくのは?」

「それ犯罪だから!……ああ昨日までの佐奈江ちゃんにもどってほしいなぁ」


もうすぐ競技が始まるというのに私達はなにもできないでいた。

その理由はいわずともかな。


だって亜子ちゃんが反対ばかりするんだもん。私悪くないもん。


「あの…やっぱり日を改めてっていうことにするのは…」

「だめ。今、やらないと行けないの」


私はバッサリ亜子ちゃんの言葉を切った。

告白するのはいつでもチャンスはあるのだ。

けど私には今日告白しないと行けない理由がある。


「実は一年前の今日、西東くんを好きになったの」


亜子ちゃんは豆鉄砲をくらったような顔をしていた。まあ当たり前か。亜子ちゃんにも誰にも告げていなかったから。


「だから今日じゃないとダメなんだ」


体育祭が面倒でさぼろうとやってきた屋上から眺めた運動場。

そこで見たのがキラキラ光っている少年。ほとんど遠くて見えなかったけど、必死に走っている姿が輝いて見えて。

なぜか彼が光を生み出す太陽な見えたんだ。

それから西東くんの人柄を知っていくうちに好きになっていた。でも最初の出会いが無ければもしかしたら好意をもってなかったのかもしれない。だから、だから。


「…そういうことなら仕方ないね。精一杯頑張ってきてっ!」


私がすべて話し終えると亜子ちゃんは極上の笑顔で背中を押してくれた。

これでやっと…。


けど何もかも遅かったのだ、次の瞬間私はすべて無駄足に終わってしまったことを理解した。


『ただいまの順位の発表です。一位は赤組入江くん、二位は…』


「う、うそだ!」


なんと私達が言い争っている間に競技は終わっており、西東くんの勇姿をこの目で収めることができなかったのだ。いやその前に告白こくはくコクハクは⁉


「佐奈江ちゃん…」


亜子ちゃんは必至で慰めようとしてくれたけど私は頭を抱えて蹲り、顔を上げる事がができなかった。あとから聞いた話だがあの時の私は魂が抜けたかのようだったそうだ。


それから閉会式も終わり、亜子ちゃんと別れた帰り道。

まだショックで復活できてない私はフラフラしながら帰途についていた。

少しずつ日が落ちてくる。ぼーっとしていたら西東くんとの出会いの場のスーパーが目に入った。

あー今日は体育祭だったから料理教室は無しになったんだっけ。せめてそれがあったら私も救われたのに。


ようやく家の前まで辿り着いた。けど何故か玄関の前にここにいる筈のない人が立っている気がする。

なんで彼がここにいるの⁉


「急に来てごめんね」


薄暗がりのなか私は西東くんと見つめあった。




すごいおくれて申し訳ありませんでした。これから頑張ります( `ω´)ゞ

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