15.オタクに優しいギャルは、こうやって生まれるのか
対戦の席に着いて対戦相手を待っていると、カップルがイチャイチャしながら現れた。
そして、対戦の席に彼女さんが座ると、彼氏さんが後ろから色々と設定などを教えてあげている。
一回戦の相手は、高校生くらいの茶髪のギャルみたいだ。
イケメンの彼氏さんが格闘ゲームに詳しそうで、イチャイチャしながら、対戦の設定を行っている。
多分、彼氏さんから誘われて一緒にゲームしてるんだろうな。
オタクに優しいギャルは、こうやって生まれるのか。
「お嬢ちゃん。よろしくねー」
ギャルについて、考えを巡らせていたら、ギャルが手を振りながら話しかけてきた。
「あっ、、、うす」
なんか変な返事をしてしまった。
かろうじて返事を返しながら、こちらも手を振り返す。
ちょっと緊張しているみたいだ。
初対面のかわいい女の子から話しかけられて、緊張しているのではなく、大会前だから緊張しているだけだ。きっとそうだ。
「よろしくおねがいします」
流石にさっきのは失礼すぎたので、もう一度挨拶をして、ペコリと頭を下げておく。
カップルは、
「かわいいね~」
「お前の方がかわいいよ〜」
「それは本当にそう」
とイチャイチャしている。
よし! 特に全く理由もないけど、コテンコテンのギダンギタンのボコンボコンにしてやるぞ♪
対戦が始まる。
彼女さんの使用キャラは、筋肉隆々のプロレスラーだ。
パワータイプのキャラクターで、近距離戦が得意なキャラなので、近づきすぎないように注意して立ち回らなければならない。
相手は攻撃の範囲にいれるためにズンズン近付いてくる。
それに対して私は、遠距離攻撃を放ちつつ、隙を見て相手に近付き攻撃を放ち、相手との距離を離すというのを繰り返す。
相手は中々私を追い詰める事ができず、体力を削りきり、私がラウンドをとる形となった。
その後も、私は距離を保ちつつ、丁寧に立ち回り、相手から大きなダメージを受けることなく、第2ラウンドも獲得。
私の勝利となった。
私の人生初のオフライン大会、初勝利だ。
「よし!」
「やーん。やっぱ無理かー」
対戦してみた感じだと、彼女さんは私よりも相当初心者さんなのだろう。
割と適当にボタンを押している感じがあった。
私はこれでもみっちり練習をしている。流石に負けられない戦いだった。
「うえーん。負けちゃったよー」
「大丈夫! 見てて! 俺がかたきを討つからね!」
「……出てる大会違うから無理じゃね?」
「あっ、いや、その。……よーし! マスター部門、頑張るぞー!」
「おい、かたきは?」
ノリの良いカップルだ。
将来、大物になるだろう。
適当なことを考えつつ、結果の報告を行うために、ルンルンで大樹くんの元へ向かうのだった。




