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14.威張る小学生、かわいい

「ここが私の新しい戦場ってわけね」


「いつからゲームセンターは戦場になったんだよ」


「私が戦いに来た、その瞬間からよ」


 ここはいつものゲームセンターから2駅ほど離れた、駅前のゲームセンター。


 私は大樹くんと一緒に、人生初のオフライン大会に参加するため、はるばる2駅間という区間を越えて、新たな戦場にやってきたのだ。



「そんなに気合を入れるほど大きな大会じゃないよ? 毎月1回開催される小さな定期大会だし、優勝しても賞状と景品もらえるだけだよ」


「だまらっしゃい! 勇者もまずはスライムから倒してレベルアップしていくものでしょうが! この大会は私の、栄光への経験値になるのよ。バカにしないでちょうだい」


「大会をスライムとか経験値扱いしてる人にだけは言われたくないよ」


 ゲームセンターの前で大樹くんと戯れた後、中に入る。


 ゲームセンターの中に入ると、入口付近はUFOキャッチャーなどのファミリー向けのゲームが並んでおり、その奥に円形のカウンターが見える。


 どうやら、カウンターの更に奥側は対戦ゲームコーナーとなっており、色々な対戦ゲームの筐体が並んでいるようだ。


 対戦ゲームコーナーのカウンターの上部には大きなモニターがあり、そこで試合を見られるようようになっているみたいだ。


「結構、人がいるわね」


 普段通っているゲームセンターよりもだいぶ大きいのと、駅が近いからだろうか。人が多い。


 大樹くんは小さい大会とは言っていたけど、このゲームセンターでは、大会の様子を動画配信サイトで配信したり、たまに芸能人のゲストを呼んだりと集客に力を入れているイベントらしい。


 今回も私はよく知らないけれど、芸人さんがゲストとして参加するみたいだ。


「確かに、前来た時より人が多いや」


 私達はカウンターの方へ向かい、対戦ゲームコーナーの受付カウンターへ進む。


 既に大樹くんがネットでエントリーは澄ませているらしいので、あとは受付で本人確認を済ませるだけの状態だ。


 受付に行ってエントリーを済ませる。



「愛紗ちゃんはゴールドの部で合ってたよね?」


「うん」


 今回の大会は、自分のランク事に出場できる部が分かれている。


 ランクがゴールド以下のものしか参加できないゴールド部門と、すべての人が参加できるマスター部門に分かれている。


 因みにこのゲームのランクシステムは、下からブロンズ、シルバー、ゴールド、プラチナ、ダイアモンド、マスターと分けられている。


 一応マスター部門は全員参加可能となっているので、私も参加可能なのだが、私はまだゴールドランクになったばかり。


 なので、今回はゴールド部門に出場することにした。


 この格闘ゲームは、発売から既に2年と少し経過しており、新規の初心者も少なくなってきているらしい。


 ゴールド部門は参加人数が少ない場合は開催されないこともあるらしいが、今回は開催されるとのことだ。


「大樹くんはマスター部門よね?」


「うん。僕、最近マスターランクに上がったんだよね」


 ちょっと誇らしそうに胸を張る大樹くん。


 威張る小学生、かわいい。


「じゃ、最近大樹くんにも勝てるようになってきた私は、実質マスターランクというわけね」


 ニシシ笑いながら、勝利を自慢してみる。


「実質マスターなら、マスター部門で出場してみる?」


「……遠慮しときます」


 実際、ゴールド帯のランクマッチでも私は苦戦をしている。


 この格闘ゲームは発売から時間が経っていることもあり、現在残っているプレイヤーはランクが低くても、上手いプレイヤーは意外と多い。


 それに、私は経験と知識が圧倒的に足りなさすぎる。まだまだ、相手の攻めにどう対応すれば良いのかわからず、為す術なく負けてしまう場面もある。


 唯一、大樹くんの持ちキャラであるカンフー少女については、大樹くんに勝つために毎日必死に勉強しているので、かなり自信がある。


 それ以外はまだまだ、これからだ。



「まぁでも、今回の大会は私以外の参加者も皆初心者なのだから、気軽に優勝目指すわよ!」


「……そうだといいけどね」


 私が前向きな発言をしているというのに、大樹くんは先ほどの様子とは打って変わって、浮かない顔をしている。


「どうかしたの?」


「いや、なんでもないよ。ほら、そろそろ始まるみたいだよ」


 受付の方から、ゴールド部門の参加者を呼ぶ声が聞こえる。


 今回の大会は、先に参加者の少ないゴールド部門を行い、その後マスター部門が開催される。


 受付に行くと、今回の参加者が集まっていた。


 今回の参加者は8名。


 トーナメント方式で、負けたら敗退のルールなので、3回勝てば優勝だ。


「それじゃ、行ってきまーす」


「うん。いってらっしゃい」


 大樹くんに見送られて、筐体の方へ向かう。


 私は初めての大会の、その一歩目を、今、踏み出したのだ。


 そして立ち止まる。


「……対戦相手には、最初挨拶とかしたほうがいいのかしら。あ、その前に係の人にも挨拶に回ったほうがいいよね。対戦後って握手とかするものなの? ねぇ大樹くんどうすれ」


「はやくいけ」




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