第7話 2人目の男~Part6~
〜羽太の飲み会当日〜
18:00
羽太▶じゃ、行ってくるね!Limeする
茉千▷うん、気を付けてね
羽太▶はーい
羽太が準備してくれた夜ご飯。
テレビを見ながら食べる茉千。
23:15
茉千(心の声)
「連絡…来ないな…先に寝よ」
布団に入る茉千
茉千(心の声)
「1人…寂しい…」
03:28
[ゴソッ]
茉千▷んー…っ
茉千(心の声)
「もうこんな時間…まだ帰って来てない…
事故とか…大丈夫かな……」
考えながら寝落ちする茉千
〜翌朝〜
茉千▷んんっ!はぁ〜朝…
(心の声)
「あれ?うたくん…まだ帰って来てない?」
[〜♪〜♪]着信音
茉千▷わっ!ビックリした〜誰だろ…登録してない番号…
警戒しながら電話に出る茉千
茉千▷はい?
相手▶〈あ、こちら○○警察です!羽太さんのご家族の方ですか?着信履歴から電話掛けさせて頂いたのですが…〉
茉千▷え?警察?あはい、一緒に住んでる…家族です
勢いで家族と言ってしまった。
警察▶〈そうですか!良かった!昨夜、喧嘩に巻き込まれて羽太さんが○○病院に運ばれまして、すぐ来れますかね〜?〉
茉千▷えっ……はい!すぐ行きます!
警察▶〈お待ちしてます!お気をつけて!〉
茉千は慌てて準備をする。
化粧もせず髪もボサボサ。
アパートを飛び出し、走り出す茉千。
茉千は母に連絡をし、病院まで車を出してもらった。
〜〇〇病院〜
茉千▷うたくんっ!
羽太は眠っている
看護師▷アルコールも入ってて大ケガしてるので痛み止め飲んで寝てもらってます
茉千▷はい…
母▷え…うたくん…顔…っ
見るに堪えないくらいのボコボコの顔面。
内出血をして腫れ上がっている。
もう誰だか分からない。
警察官▶こんにちは!○○警察の者です
茉千▷こんにちは…
母▷どうも…一体何が…?
警察官▶うたさんのお母さんですかね?
母▷あ、はいっ!
思わず返事をする茉千の母。
警察官▶今回の事件なのですが…息子さんが女性とホテルに入っていたみたいで…女性のお連れの男性が、居なくなった女性を探し回り羽太さんと女性がホテルから出て来た所を、相手の男性が襲いかかったようでして…
母▷あぁ……そう…ですか…
茉千▷うぅ…泣
警察官▶お母さんも娘さんも心配でしたでしょう。お兄さん、手当てしたからもう大丈夫ですよ〜
気遣う警察官は事情を説明すると帰って行った。
恐らく警察官はスッピン、上下ジャージの茉千が彼女だと思ってない…
妹とでも思ったのだろう。
だから息子の不祥事を隠さず母に話したのだ。
母▷まち…おいでっ…
母が茉千を抱きしめる。
茉千▷うぅー…ああぁぁー泣
いろんな感情が溢れ出る。
大怪我。顔面が腫れ上がる羽太。無事だった事。安心。女とホテル。裏切り。不安。
母は茉千が泣き止むまで抱きしめ、背中を摩った。
〜5日後〜
茉千▷明日…うたくん、退院するって…
母▷そう…
父▶まち、お父さんうたに会いに病院行ったんだ。まちとどうするのか?って聞いたら、謝りながら一緒にいたいと言っていた…まちはどうする気だ?
茉千▷……分かんない…好きだけど……許せない……[グスン]
母▷すぐに嫌いになれないのよね〜
父▶父さんは浮気は嫌いだ。うたでも…許せない…ごめん、まち…もしやり直すとしても父さんは応援できない…
茉千▷うん…もうちょっと…考えてみる」
茉千は自分の部屋へ
母▷辛いわね…
父▶結婚する前で良かったと思おう▷
母▷そうね…
〜翌日〜
茉千と羽太のアパート
[ガチャ]
[パタン]
茉千▷おかえり
羽太▶ただいま…まちっ!ごめん!
土下座をする羽太
茉千▷全部…話して
羽太▶それは…
茉千▷納得できないと、前に進めない…だから話して
羽太▶はい…
羽太から聞いた話はこうだ。
あの日、飲み会に来たのは他店の男性2人・女性1人、羽太の店から3人、計6人で飲んだ。
6人中、唯一の女性と意気投合。
女性から抜け出そうと誘われる。
酔いが回り調子に乗った羽太は2人で抜け出す。
そのままホテルへ。
茉千▷エッチ…したんだよね?
羽太▶……うん…
茉千▷……うぅぅ…泣
その後、ホテルから出る羽太と女性。
他店の男性2人に歩いてる所を発見される。
その男性2人の片割れが女性の彼氏だった。
彼氏は怒り狂い羽太を殴る。
止めに入るが止まらない。
通行人も混ざり取り押さえられた。
茉千▷相手はどうなったの?
羽太▶あの日は警察署…今は分からない…女の人は俺に無理矢理連れて行かれたって言ってるらしくて…
茉千▷そう…
羽太▶でも俺、お金そんなに持って行ってなかったよ!あの子がホテル代出したし…
茉千▷あぁ…金欠って言ってたね
羽太▶そうなんだよ!誘ってきたのも、お金出したのもあっち!無理矢理なんてしてない!
茉千▷…だから?許してって?全部……自分の責任じゃん…
羽太▶ごめん…
茉千▷誘われて行くの決めたのも、うたくんじゃん…
羽太▶……ごめんっまち……うぅっ……泣
茉千▷泣きたいのはこっちだよ
羽太▶俺たちやり直せない?…うぅ泣
こんな奴でもまだ嫌いになれない。
相当バカだ。
茉千▷考えさせて…
羽太▶うっ……うぅ……泣
〜1ヶ月後〜
結局別れず生活を続けていた。
羽太はあれから居づらくなり仕事を辞め、次の仕事も探さず家にずっといる。
[カチャカチャ]
茉千が食器を片付けている。
茉千▷うたくん、仕事探さないの?
羽太▶んー……
茉千▷ゴロゴロしてばっか…
羽太▶……
茉千▷私の給料だけじゃ、やって行けないよ……
羽太▶あぁ!もうっ!分かってる!
茉千▷……はぁ…
喧嘩が絶えなかった。
会話も少なくなっていく。
つづく▽




