天才と秀才
後日、家に一人の女の子が訪ねてきた
ドアを開けた瞬間、白銀の髪が光を反射した。
「初めましてリュミエラ・ナエリアと申します。」
長耳族と言うこともあってか、かなりの美少女だ
「これは、これはご丁寧にありがとうございます。僕はエムリス・メトルナーサです。」
「知っていますよ。有名人ですし」
「とんでもない、それで今日はどのようなご用件で?」
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話を聞くところ俺に魔術を教えて欲しいらしい。
俺は快く許可した。
それは多少の下心もある。
たが友達が欲しい。
流石にぼっちは悲しい。
まぁそんなこともあり今日から特訓開始だ。
「じゃまず魔術をどこまで使えるのか見してもらおうか」
「メトほどできないけど、、、」
当たり前であって欲しい。
俺と同じレベルの魔法を習得されたら俺の自信がなくなる。
ナエリアは深呼吸をした。
そして手を前に出し、詠唱を始めた
「大地の欠片よ、我が腕に集え。
空を裂き、敵を打ち砕け――
ストーンバレット!!」
おぉ土魔法だ
威力はお粗末だが汎用性が高い
「うん!威力が低いのは注いでいる魔力量の問題だな。魔力量をそのままにするなら風魔法と掛け合わせて回転させるとか」
「掛け合わせるのってどうするの?」
そうか、
魔法は詠唱によって構築される。
そして、二つを組み合わせるには、
同時に二つの構築を行わなければならない。
魔法の掛け合わせは誰もが扱えるものじゃないのか。
仕方ない感覚で掴んでもらおう
「ナエリア、とりあえず見といてくれ」
俺は手を前に出した。
地中の鉱物粒子を魔力で凝集・圧縮し、密度の高い球体へと固化。
直径10〜20cmの弾体を生成する。
弾体の表面に沿って一方向の風流を風魔法で発生させ、意図的なスピンを付与。
角運動量によるジャイロ効果で、弾道安定性と貫通力を高める。
背後に高圧の風層を形成し、一瞬で解放。
圧力差を利用した爆発的推進によって、高速で射出する。
よし、成功した。
ストーンバレットの丸い感じではなく
ドリルみたいになってしまったがこれはこれでいいだろう。
ナエリアが目を輝かせて見ている。
「ストーンバレット!!」
俺は目の前の岩石に向かってそれを放った。
すると人の大きさほどある岩石が風穴を開けた。
するとナエリアが目を見開いて
「わかった!!
メト見たいに一つずつやってけば良いんだ!!」
おーっ俺にはわからん!
無詠唱は暗算で、詠唱と魔法陣は公式みたいなものだろう。
現世でも公式の掛け合わせで出す問題もあった。
「僕は詠唱での掛け合わせはわからないから、トライアンドエラーだよ。
やってみてくれ!」
ナエリアは頷いた。
「大地の欠片よ、我が腕に集え。
空を裂き、敵を打ち砕け――
聡明なる風の精霊よ
矮小な我に力を与えよーー」
明らかにさっきのストーンバレットとは違う。
回転が加わった。
ナエリアが深呼吸をした。
「ストーンキャノン!!」
真っ直ぐにさっきの岩に飛んで行き、直撃した。
粉々だ。
「やった!!やった!!」
ナエリアは大喜びだ。
俺はと言うと少し動揺している。
俺は既存の知識を活かしている。
だか、彼女は新たな方法を開発したのだ。
「これが本物の天才か」
「なんかいいましたか?」
キョトンとした顔で振り返った。
「いや、なんでも。
すごいじゃんか、成功だ!!」
ここは素直に喜ぼう
弟子の成功を願う。
それが師匠の役目だろう。
そして、教える
俺の知識が、誰かの力になる。
そんな当たり前のことが、こんなにも嬉しいとは思わなかった。
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里に来て三ヶ月がたった
今日もナエリアの稽古が終わり家に帰った
すると、いつもと違う空気感だった。
祖父母そろって泣いている。
俺は席に座らされ、目の前に手紙を置かれた。
手紙を開いた瞬間、空気が変わった。
ザリウス王――両親が敬愛する名。
あぁそう言うことか。
読まなくてもわかる
だが、思い過ごしかもしれない
それを信じて読み進めた。
「くそっ」
最悪な想像が現実となった。
両親が戦死した。
敵軍の思わぬ増援、魔人族の王になす術なく討たれたらしい。
吐き気を催した
あんなにも自分を愛してくれた両親が死んだのだ。
――ゆるせない。
この命に代えても、あの魔人族の王を討つ。
その誓いが、俺のすべてになった。
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