理不尽な死と、科学で解く魔法の世界
俺は都内在住の非リア男子大学生だ
一応最難関といわれる大学になんとか科学一集中で入れた。
世間でいう順風満帆な生活を送っている、、、と思う。
今は就活中だ
受験で生かした科学を利用してしようとしようと思う。
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まさかの全落ちだ、、、
大企業に応募したからかも知らない、、、
履歴書、ペーパーテストは全企業クリアした。
面接で持前(?)のアガリ症が出てしまい、まさかの全落ちだ
親は大企業勤めなため、全落ちしたため失望だ
こんなに失望されたのは久しぶりだ
いくら何でも理不尽な気がするけど、、、
まぁそんなこと言っても親は親だ、失望するのも親自身の感情だ
横断歩道の信号を待っている時、インスタを見ていた。
中学、高校時代の友達は彼女、又は結婚している。
それに比べて俺は大学に入るために青春を捨て、無駄なプライドのせいで就活も失敗、加えて親に縁を切られる。
「くそっ」
思わず口に出た。
青になった。
人の波が動く。俺も続いた。
胸の奥がまだざわついている。就活は全滅。親のため息。既読だけが増えるメッセージ。
画面を閉じる。ポケットにしまう。顔を上げる。
聞こえたのは、音だった。
濁った排気。金属を叩くみたいなリズム。
合図のメロディが、かき消される。
視界の端で、ヘッドライトが跳ねた。
赤のはずだ。なのに、来る。
体が遅れて、思考が先に転ぶ。
――理不尽って、いつも突然だ。
白が広がる。音が遠い。
最後に浮かんだのは、面接室の時計。
針は動いていたのに、俺は止まっていた。
そして、動き出した。
見知らぬ天井。いや、空。
水の上みたいに、世界が静かだ。
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なんか視界が白いな。
水に浮かんでいるみたいだ
これが天国か??
早すぎる死だったな、最後の最後で親に見捨てられて終わったのか。
あの糞改造車がああいうDQNはおとなしく引きこもっとけよ!
ていうか思った以上に何もすることないな、天国って。
あれ??視界が晴れてきたな
なんだこの筋骨隆々な男、、、後この銀髪碧眼の美女は
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どうやら俺は異世界に転生したようだ
そしてこの世界の俺は今年で2歳だ。
そして俺の名前はメトルナーサらしい、父親はトワム、母親はユイラだ
どうやらこの世界では元の世界よりも教育が遅れているようだ。
3歳になっても言葉しか教えられていない。
普通に1歳までには教えるだろう
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俺は3歳になった
2歳になった頃から両親は寝る前に本を読んでくれる。
そのおかげでこの世界のことがなんとなくわかる。
この世界には人族以外に魔族、巨人族、小人族、天人族、龍人族、長耳族と言われる7種族がいるそうだ。
元の世界の固定概念があるため俄かに信じがたい。
そして俺の父は魔族、母は長耳族だそうだ
魔族や長耳族がいるぐらいならおそらく魔法などもあるのだろう
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3歳6か月
両親の教育のおかげである程度この世界の言語を理解できた
元の世界だとロシア語に近いだろうか、日本語とは程遠い。
まぁ理解できたので良しとしよう
そのため母の書斎に行って本を読んでみた。
魔導書と呼ばれるものを探してみた。
元の世界の中二病が歓喜する響きだな
ありがたいことに一番下の段にあった
この時半年前に予測した「魔法」が本当にあるのだと興奮を覚えた。
だがこの興奮は魔導書を読むことで少し薄れた
どうやらこと世界で「魔法」を発動するためには「詠唱」が必要なようだ
元の世界のせいでこの「詠唱」というものがむず痒いのだ
だがこのむず痒さを押し殺してでも使ってみたい!
まずは簡単な初級魔法からにしよう
「風よ、道を作れ。」
我ながらたどたどしいと思う。
しょうがないじゃないか!そう思いつつ、魔導書に書いてある通りにつづけた。
「裂け、我に力を授けよ。」
うぅっ!今になって羞恥心が来た
次に技名かよ恥ずかしい!
「切風!」
その瞬間俺の上にあった木の枝が切れた
、、、あってかこれ避けなきゃヤバイやつじゃん
「フィジカル・ダブル!!」
その瞬間トワムがすごい勢いで走って来た
おそらく60㎧はあるだろう
その勢いのまま俺を抱っこして落ちてくる木から救ってくれた。
「メト!!」
家で料理をしていたユイラが飛び出してきた
「どうやら魔法で自分の上の枝を切ってしまったらしい」
トワムが説明した。
するとユイラは半信半疑になりつつも、目を輝かせて
「この年で魔法を?天才じゃない!そうなの?メト?」
正直にいうしかないか
「ごめんなさい。ちょっと気になって読んで見たら、、、」
「今気づいたけどメト、お前腕に青あざつくってるじゃないか」
腕を見た。確かにできていた。腕で受け止めようとしたのだろう
「ユイラ、治癒魔法を」
「わかってるよ。癒せ、緑の光。傷を閉じ、痛みを鎮めよ。ヒール!」
すると暖かい風が腕を撫で、青かった腕は元の肌色に戻った。
わかってはいたが魔法を実際に見ると何というか、こう、感無量だな
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5歳になった。
初めて魔術を使った日から両親は、この世界についてもいろいろ教えてくれた。
「魔力」と「気」が生物には備わっており、「魔力」を消費して「詠唱」すると「魔法」が使える。
「気」は俺を助けるときにトワムが使っていた身体強化に使う、これを主軸に戦う者を「剣士」というようだ。
まぁアニメとかでよくあるやつだな。
母は魔術師、父は剣士らしい。
そしてユイラとトワムが言うには俺はどちらの才能もあるらしい。
魔力量の多い長耳族と気の扱いが得意な魔族のハーフだからだろう。
そのため1日ごとに魔術の特訓、1日ごとに剣術の特訓をするようになった。
今日は魔術の日だ。
俺自身は魔術の方が好きである。
なぜかって?もちろん運動が嫌いだからである!こんなこんなに声高々にいうことかはさておき。
教えてくれるのは元A級ギルドの魔術師のユイラだ。
彼女はB級魔術まで使えるというかなりすごい人らしい、、、
本人情報だから確かではない
「とりあえず魔法を使うに必要な魔力を強化していこうと思うわ」
「どうやるんですか?」
「とりあえず低級な魔法、、、E級くらいかしら、それをバンバン限界まで使うことね」
筋トレと同じ原理だ。
追い込めば追い込むほどいいらしい、俺はいつか自分の魔力に名前とか付けるのかな、、、それはちょっときもいな。
「水よ、集いて形をなせ」
俺が使ったのは、E級の水魔法。
小さな雫を生み出すだけの、初歩的な術だ。
当たっても痛くない。
ふと、中学の授業を思い出す。
水は、酸素一つに水素二つ。
V字型の分子構造、共有結合、水素結合……。
その仕組みを頭に描きながら、魔力を流し込む。
すると、手のひらに ーーーぽたり。
一粒の水が、静かに浮かび上がった。
「っうぉ!!」
穏やかな母が驚いた。
それもそのはずだ。
本来必要な詠唱は(水よ、集いて形をなせ。滴りて我が手に応えよ。)だ
俺は最初の(水よ、集いて形をなせ。)しか言っていない。
要するに詠唱を端折ったのだ
「お母さん、、、詠唱って端折れるんですか?」
「聞いたことないね、、、もう一回やってみてくれる?」
手を前に出した
そこで魔力をつぎ込みながら水ができる過程をイメージしたできるだけ詳しく。
そしたら発動したのだ、魔法が
「……無詠唱?」
ユイラは思わず目を見開いた。
「トワム! ちょっと来て! この子、無詠唱で魔法を使ったのよ!」
庭で剣術の練習をしていた父を呼んだ
それくらいびっくりしたのだろう
どうやら俺は天才らしい、惚れ惚れしちゃうね
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7歳になった。
俺は無詠唱でC級魔術をいくつか使えるようになった。
どうやら母の手には負えないらしく魔法小学校に行く提案をされた。
剣術もまだ途中なのにと思ったが父が言った
「魔術師がある程度の気をまとって身体能力強化をしなければいけない理由は、詠唱のせいだ。どんなに強力な魔法を打てても詠唱の間に音速で動ける剣士にやられてしまう。
だがお前はその必要がない、、、剣術より魔術を極めたほうがいいと思った。行ってこい!しかも剣術は学校に行きながらでもできる。行ってて損はない」
剣術は気をまとって単純な身体強化ができるようになったくらいだ。
あと普通に小学校の勉強をやり直すのはだるい!
前にも言った通りこの世界の教育水準は低い。
この世界の小学校最終学年がやる算術は掛け算だ
そのレベルの勉強をやり直すのはストレスがたまる。
「お父様、流石に中等部からにしてもらえませんでしょうか?」
交渉することにした。
「魔術、体術、算術ともに小学校の卒業基準は超えています。」
トワムは疑問を持っているような顔をした。
「ちょっと待て、俺たちはお前に算術を教えていないがどこで学んだ?」
ヤバイやらかした!
確かに一回も両親に教えられていない、どう言い訳しよう、、、
「書斎においてある本を読んで独学しました」
書斎に算術に関する本があったかは知らん!
ここは勝負に出るしかない
「独学で小学校卒業と、、、よしっお前小学校卒業認定試験を一回受けてみろ」
そうきましたか。
俺としてはありがたい。
「わかりました!どこでうけれるのでしょうか?」
「本番なわけじゃない、過去問だから家で受けることはできる。そしてお前が合格基準を上回っていたら小学校入学はなしでいい」
よし、何とかごまかせたしいいかんじだ
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テストの内容はこうだ
「A級剣士一人の戦力を400とする。B級剣士戦力を200とする。さてA級剣士一人分はB級剣士何人分に相当しますか?」
簡単すぎる。
こんな感じの問題が永遠と続くテストを受けさせられた。
もちろん満点だ
「満点だと!?齢7歳の子供が13歳の子が受けるテストを独学で!?」
「お父様! 約束通り、小学校には行きませんよ?」
「あ、ああ……。いいが、お前の魔術はどうするんだ?
剣術なら俺が教えられるが、ユイラはもうお手上げだぞ」
……ごめん、母さん。
優秀すぎて、すまない。
そのユイラはというとキッチンで晩飯の準備をしている。
「俺の昔のギルドの仲間で一人だけお前を教えれそうなのがいる、そいつに教えてもらうとかはどうだ?」
ほほう、要は家庭教師ということか、、、
俺は別にかまわない、、、だが魔術を極めるなら一人でもできそうなんだな、、、
「提案してくれたところ申し訳ないのですが、魔術に行き詰った時にお願いしたいです。
それまでは独学で何とかします!」
正直この世界の魔法はちょろい、火魔法なら火ができるプロセスを原子構造からイメージして、打ちたいランク分だけ魔力をつぎ込めばいい。
この原理を応用したら新しい魔術も開発できそうだ。
「まぁお前の独学はすごいって証明されたし、いいんじゃないか?」
あっさり許可された。
ちょっと満点はやりすぎたかもしれない。
90点くらいでもよかったかも、、、
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いろいろな魔術を試してみた。
結果、“幻術”のような認知操作系や、未解明の構造を持つ魔法は、無詠唱では再現できない。
龍人族の“龍魔法”や、小人族・巨人族の“声魔法”など――
現象の原理がまだ掴めないものは、詠唱が必要だ。
仮説だが「原理理解」=無詠唱の鍵、だと俺は考える。
まだ研究の余地はある。