6、 ……おや?
男の人が叫び上げて、皆でマジマジとまた見てみたら……。何と!身体にあった紫色の痣みたいな瘴気?が消えていた!?一体コレはどうゆう事なのか……、次回に~…。ごめんなさい……、フザケマシタ……。
男の人…改めタクトさん。此処の新人騎士で十代だって言ってた。
私が出したお茶とお饅頭を食べたら元気になるし、瘴気が綺麗に消えてお母様達も驚いて大変だったよ。で、何でさっき巫山戯たか…というと。
一通り騒いだ後ね、急いで叔父様の所に連れて行かれて。あ!そこにお父様も居たんだよ!で、お父様達(周りには他の人達も居たよ)にお茶とお饅頭を食べて貰って、効果を体験してもらったんだ~。
そしたら…今ね?お茶とお饅頭を出す機会の様に、どんどん休みなく出してるから!?でした。昨日も結構な数を出してたから、まだ行けると思うけど…。流石に二百はもう出してると思うんだ~……。正直、疲れてきた。
さっきテイムしたスイなんて……、騎士の人達に交じって食べてるからね!?ずるくない!?
お母様達は怪我をしてる騎士達の世話をしたり、お父様や叔父様とお話してるし。ーーー私も、お父様達とお話ししたいのに………。
ムスーーと頬を膨らませるダリアに、アンナが苦笑いを浮かべながら話し掛けた。
「お嬢様、もう少しで一段落すると思うので…。その…頑張ってください」
「お嬢様。その…、すみません。でも皆の為にも、後少しお願いします」
タクトさんが何で私の側に居るかって?お母様達がお父様達と話し合いするから、私の護衛として居るの。何も無いと思うけど、一応念の為だって………。
「………疲れた……。あ〜……、でもタクトさんはそんな顔しなくて良いよ………」
アンナとタクトの言葉に、ダリアは何とか答えるが力無く小さな声だった。
そんなダリアにタクトがますます申し訳無さそうに、ペコペコ頭を下げる。
ゔ〜……と唸り出したダリアに、アンナとタクトが慌てだす。
「お嬢様!?大丈夫ですか?!」
「えっ?えっ!?お嬢様大丈夫ですか!?」
しまいにはポロポロと涙を流し始めたダリアに、ギョッと目を見開き驚くアンナとタクト。その騒ぎにイザベラ達も気が付き近づいて来る。
「あら?ダリア…。スキルを無理に使わせてしまったようね……」
「……??」
「やあ……ダリア。久しぶりだね。昨日、初めてスキルを使ったんだってね。普通なら次の日にこんなに使わないのに。……ごめんね」
「ダリア久しぶり。叔父さんの事を忘れないでくれてありがとう。
さっき初めてテイムをしたんだって?それで魔力を消費してたのに、こんなにスキルも使わせて……ごめんね」
泣き出した私を抱き上げた人はシリウス・カーネリアン。私のお父様ですらっとしていて綺麗な金髪と紫色の瞳で、とってもかっこいい人だよ。 それで、私の頭を撫でてるのがリゲル・ベラトリクス。私の叔父様でお父様によく似てて、ちょっと背が高くて髪と瞳の色が濃い少したれ目な人。
うっ~…。本当に久しぶりだけど、別に謝って欲しい訳じゃ…。後、叔父様?忘れないでって!?…何?
「……お父様、叔父様お久しぶりです?会いたかったです……。
所で、叔父様?忘れないでって何ですか!?会えなかったのって、大体一週間位でしたよね!?」
私はそんなに忘れぽく無いし、その言葉に付いて抗議する様に叫ぶ。
叫ばれた叔父様は何故かジーーンと感動していて、お父様とお母様はうん、うん。と頷いてるだけで教えてくれない。イヤ…、誰か説明……。
ほら…、タクトさん達も戸惑ってるよ?
「コッホン……。お嬢様、リゲル様は四男で…その…、手の掛からないと言うか旦那様である兄のシリウス様が良く面倒を見ていたので…。その…」
私は申し訳なさそうに話し出したニコラの話に、思わず虚無?宇宙猫みたいな顔をしてしまった。周りに居たタクトさん達も何とも言えない顔をしていたよ。
ニコラ曰く、お母様の元婚約者でお父様達の兄(次男)が問題児で手が掛かったせいで、叔父様の事は後回しでそのまま忘れられる事が多かったそうな。
そんな叔父様の面倒を見ていたのがお父様だったそう。長男のお兄さんこれには両親に怒ったそうだけど…、ダメだったんだって。で、そのお兄さん年が離れてて跡継ぎ教育とか学校に通ったり、ダンジョンとかの魔物討伐で忙しかったそう。だからお父様も叔父様も長男のお兄さんとは今も仲が良いって、それだけが良かったって。
お父様達は勉強に使う教材とかは長男のを使って、さっさと勉強を進めてたらしい。後、お金が無かったから冒険者ギルドに登録して、魔物討伐を頑張ったんだそう。
それでお父様達は学校に入ったんだって。あ!13~15歳で入学してコース?が別れて3年~5年通うらしい。叔父様はお父様と一緒に入学して、お父様とお母様と一緒に飛び級して一年で卒業したとか……。お父様達…凄すぎない!?
でも、最初は飛び級する気は無かったんだって。それが如何してかって言うと…、お母様の婚約破棄。相手の次男(皆が名前を呼びたくない、存在が嫌と)が5つ年上で、お母様が15歳で結婚が決まってたのに破棄からのお父様との結婚。王家の対応に嫌気がさして学校をさっさと止めたかったと、飛び級で卒業出来なかったら学校を辞めるだけっと笑顔でお父様達が言ってきた。
その迷惑な次男は妹王女と今は離宮で監禁されてるけど、次男+妹王女と王家・お父様の両親のやらかしが?それだけじゃないそう。
それが……お父様の兄である長男クラウディオ・ベラトリクス様。
伯父様は伯爵家を継いだばっかだったんだけど…、次男達の為に王家が王命で領地を取り上げられたんだって。自分達は王命とか契約とか守らないのに意味が分からないよね?
で、代わりに貰ったのが旧王都の半分(あ!もう半分はウチの侯爵家の物だって)。伯父様もウンザリしてたから両親や次男と妹王女、勿論王家の全員。それから貴族家の各代表や各ギルドの代表、神殿と教会に今回の事に関わった人達とそれを賛成した人達のこれからの関わりを切る、縁切りとかを魔法契約と神前契約?をしたんだって。この二つの契約は破ったらペナルティが有るそうだよ。
因みに家の侯爵家と王様の元婚約者の公爵家も一緒にやったから、もう王家とか今の王都とかとあんまり関わんなくって良いんだって!!これには皆ニッコリ笑って嬉しそうだったよ!
後の問題は、伯父様…その時新婚さんだったんだって…。領地を奪われて、これから行くのが旧王都の凄く危ない所……、奥さんと奥さんの実家が何したか分かる?
答えは……、即離婚の実家に帰る!!でしたー……。
「まぁ、それで家もこの旧王都の家に引っ越して来たのよ?シリウス様との結婚を機に、リゲル様の親権もぶっん捕って」
「……言葉が出てこない…、何なのその人達……」
お父様が途中説明を代わり、その後はお母様が代わって教えてもらった。私達の周りで聞いていた人達もポッカーンと口を開き驚いている。でも、その中には気まずそうな人も居て。
私はその人達をチッラっと見た、その視線にお父様達が気付き。ニコラが呆れた様に言う。
「ああ。我がカーネリアン侯爵家と旦那様達の御実家ベラトリクス伯爵家の物になった場所に、此処、旧王城は含まれていなかったのです。ですので、今入って来た、反対側に小さな街を造って王家の物っと、言い張っていました」
「あ、れ?さっき旧王都は家と伯父様で半分って……?」
「はい。その様な契約でしたが、屁理屈こいて守りませんでした。ですが……、魔物の増加等で維持と管理が面倒になったのか、こちらに押し付けてきまして。その際、貴族や後ろ盾等がある人達は王都の戻り、その他はクビ扱いになったのです」
「……王家とか王宮って、勝手だね……」
「フフフ。そうね。これ以上の迷惑を掛けられないって、思ってた所で、これでしょ?シリウス様達はわたくしの補佐や騎士として過ごしていたのに……」
私達の話しが進んで行くと、周りに居た騎士達も身体を小さくして居心地が悪いみたいだった。