5, 初めての
暫くして、ダリアも落ち着き。
今度こそ動き出そうとしていた時、ダリアは何か頭の中に浮かんだ『捕獲しますか?』が気になって、フッと何か気になってそちらを見た。
?何か……?ん~~…?アレ…前世で…水饅頭?わらび餅みたいな…感じの、ドロで汚れてるけど……。後、何か……動いてる…?
歩き出そうとして止まったダリアを不思議に思い、イザベラ達とつられてダリアが見ている方を見る。
「お母様。あれは何ですか?」
「……アレは…スライム…の。ベビースライムかプチスライムね。ーーーでも、珍しいわね」
最後の方は、とても小さな声で呟くイザベラ。その声は、ダリアには聞こえていなかった。
アレが…スライム…?捕獲が出来るならしてみたいけど……。何か…、ブルブル震えて怯えてるのかな?
まあ!早く試してみたいから!!
「?!」
捕獲しようとしたら、空中に画面が現れた。
「あら?ダリア、それは?」
「良く分かりませんが。取り敢えず捕獲をしてみて良いですか?」
「ええ。でも、気を付けて。ロロ、平気だと思うけどダリアに付いて」
「はい、奥様。お任せ下さい」
んん?何でお母様もロロもそんなに緊張?して真剣な雰囲気なの?あ…あれ?此処ってもしかして、危ない所なの?
あ、それは、後で聞くとして。今は捕獲を試してみないと……。
「それじゃあ……、やってみますね…」
ダリアはそう言いながら『捕獲しますか?』の下にあった、『はい/いいえ』と書いてあったはいの方を押しってみた。
すると、ブルブルと震えるベビーかプチスライムが居る地面が光出し、そこから光る鎖がスライムに巻き付き。暫くすると、光や光る鎖が消える。
え~……と?これは…成功…したのかな?
あ!成功したみたい!!でも、何かこの…前世のゲームでやった事がある、あのポケットでモンスターの…モンスターと出会って捕まえた時に似てる!?しかも、名前を付けて下さい。って……。
「ダリア?どうなったのかしら」
「あ、はい。多分、成功しました。お母様…」
「?あら、それなら…何に困ってるの?」
「え~と…名前を付けるみたいで…。私…直ぐに良い名前が思い付かなくって…」
お母様達が「あー……」と言いながら、私の事を何か可哀そうなモノを見る目で見て来る!?何で!そんな目で見て来るの!?
「そ、そうなのね…。でも、ダリア?取り敢えず、仮でも良いから名前を
付けてあげたらどうかしら?」
お母様がそう言いながら指で指し示した先に、私が契約したスライムが異常な程震えてた。
え〜……?何で?
「何でそんなに震えてるか、分からないけど……。取り敢えず、貴方の名前はスイね」
ダリアがそう言うと、スライムの体が光。
ピッコン!!っと、ダリアには聞こえた。
『 初めてのテイムが成功しました。
ベビースライム スイ
スキル 捕食 分解 魔力吸収 』
ピッコン!!
『 初めてのテイムが成功したので、成功報酬を獲得しました。
成功報酬 新たに召喚出来るモノが5種類増えます。
今、新たに5種類を選びますか?
はい /いいえ 』
・・・え?今すぐにわ…ちょっと……。だから、『いいえ』で。
あっ……!平気だよね?このいいえって…後でまたって事だよね!?
「ーーーお母様……。テイムが成功した報酬で、何故か召喚出来る種類が5つ増えました。なので、後で一緒に選んで貰えませんか?」
ダリアの言葉に驚いたイザベラは目を丸くしたが、直ぐに表情を戻し頷き。
「まあ!?ーーーそうね。後でゆっくり選びましょう。ハァ…、出来れば旦那様達も、一緒に相談出来れば良いのだけれど…」
あー……。お父様達…この頃、家にも帰って無かったんだっけ…。私もそれを勘違いしてたし…。
?あれ?……私がスキル使ったのは昨日だから…。もしかして…、まだスキルの事知らない?
ーーーいや、でも。私自身が、このスキルの事を良く分かって無しから…当たり前?
あ!お母様、王宮?の中に入るの?
「そう言えば、お母様?スイをテイムする時、お母様も皆も警戒?ピリピリしてましたけど。どうしてですか?」
「ああ。それはね、魔物が時々入り込んでたりするからよ」
へっ……?こんな都の中に?
あっ!スイも……。え?スイは、ベビースライムだから問題無い。じゃぁどんなのが出て来るの!?
ゴブリンとか色々……。王城の大体裏側?が、さっき言ってたダンジョンがあるの。へ〜……、え?よくスタンピードが起こるの!?だから、お父様も叔父様も帰ってこれない……。ぅわ〜……。疑ってごめんなさい。お父様、叔父様……。
「ーーー所で、彼処に居るほぼ半裸の人?は、迷い込んだアンデットですか」
私はさっきから気になっていた、フラフラしていて顔色が悪い人の事を聞いてみた。
ら、お母様達が何か面白そうな顔をして。
「あら?こんな所に出るなんて……。
ロロ、サクッと始末して……」
イザベラの言葉を聞いたアンデット?(仮)は、大げさな程身体を震わせて。
「すみません!?!?ちゃんと人間です!?だから、殺さないで下さい!?」
そう言いながら、スライディング土下座をキレイにしたアンデット?(仮)。
「あら?てっきりアンデットだと思いましたのに……。
なら、何故。先程から見ているだけでしたの?」
えっ?この人って!?結構前からもしかして居たの!?え!う・そ〜?!
ダリアがポッカンと口を開け、イザベラとスライディング土下座をした人を交互に見比べる。
「…すみませんでした。あの、今朝スタンピードが起こりまして……。殆どの人が出て、警備の者も。それで皆様が来たのに気づいて、一番怪我が軽い…俺が来たんですが。その……」
そこで話しを止めて、自分に指を指す。
ダリア達はそれでもう一度、その男の姿を頭から爪先まで確認した。
ーーーうん…。ほぼ…半裸…なのは、分かってたけど…それ?でも、お母様達の顔が少し引きつってる?何でだろ…。
ダリアはイザベラ達の様子の原因が分からず、ジーーーっと目の前の男の人を見る。その男はダリアの視線にたじろぎ、顔をイザベラ達の方に向け助けを求める様に見た。
そんなダリアと男の様子に、溜息を吐くイザベラは仕方なさそうに話し出す。
「ダリア、そんなに見たら失礼よ。フフッ」
「あ!?ごめんなさい」
「……あ、いえ…。その……あまり近寄れない…ので」
男は申し訳なさそうにペコペコと頭を下げる。
「ええ。それは当たり前よ。……もしかして、他の者達も…なのかしら?」
「あー……。はい、お恥ずかしい話ですが…」
「それに関しては、全く恥ずかしい事では無いわ。
でも、困ったわね。貴方のその瘴気は…ダリアにはまだ耐えれないでしょうね…」
?……瘴気?んーーーっと?……あ!?身体のあっちこっちが紫色になってる所?
ん?それが…私にはまだ耐えられないってどーゆう事?
良く分からないし。お母様達はまだと言うか今も、あの男の人と話してるし…。
ここは…、一休憩…で!お茶を出して~。
フーーウ……、スーーゥ…。ハァー……。
「ん?アンナもいる?お茶。」
「……お願いします!後、饅頭も!出来れば!?」
ダリアとアンナが横でコソコソお茶や饅頭を食べ始める。
お母様達の話しが終わりそうに無いから、その間にアンナに瘴気について聞いてみた。
アンナ曰く、すーーごっく簡単に言うと瘴気は猛毒なんだって。魔力が濃すぎて穢れたりしたら発生するらしい……。それで…、耐性は人それぞれだけど…。魔力が低い人とか、子供や身体が弱い人から~…らしい。何だか…感染症みたい。
で、お母様達の深刻そうな雰囲気…と言うか、深刻なんだって…。何故かと言うと…、あの男の人みたいに瘴気を浴びて侵されてると。その人を媒体?で瘴気を撒き散らすらしい……。だから…何処の感染症?
それで…、一応は対策が有って大量の聖水を使ったり、聖魔法や光魔法で浄化をするかなんだって。
何時の間にか皆の視線がダリアとアンナに向いていた。
「……お母様と皆も…いりますか…?」
ダリアの言葉にイザベラ達はニッコリと笑って頷く。
イザベラ達の様子を見て、チッラっと男の方を見てダリアは困った顔をする。
「……ああ。そうね…。ニコラ、お願いね」
「畏まりました、奥様。それでは、お嬢様」
ニコラがそう言って、お茶と饅頭を男に渡しに行く。
「どうぞ」
「あっ…。ありがとうございます。でも、いいんですか…俺も…貰っても…」
「え…。はい、どうぞ?」
男に聞かれてダリアは戸惑うがそう答えた。
「お嬢様、ありがとうございます。ーーーいただきます……。ん…?」
ダリア達が少し離れた場所でホッと一息つ居ていると、男が困惑気味の声を出したと思ったら、急に叫び出した。
「ハァーーー!?!?」