前へ目次 次へ 77/87 「わたしはどれだけのものを」 わたしはどれだけのものを 失ってしまったのだろう わたしが持っていたはずのものは どこに消えてしまったのだろう 大切なもの 価値のあるもの かけがえのないもの 太陽の光のように 月の影のように 豊潤だったそれらは 今はどこの暗闇に溶けてしまったのだろう わたしは時々 その場所に手をのばして 何の手応えもないことに 慄然とするのだった 志坂 律子 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□ □□□□□