前へ目次 次へ 72/87 「木の葉」 猛スピードで走る車に吹きとばされて 木の葉が一枚 宙を舞った 「俺、別に気にしてないんだ」 と木の葉は言っているように見えた 吹きとばされた木の葉は 歩道の上で無分別な通行人の足に踏まれた 「俺、別に痛くないんだ」 と木の葉は言っているように見えた 雨に打たれ 風に吹かれ やがて木の葉はばらばらになって 土へと還っていった 「俺、満足してるんだ」 ――そう言いながら 千瀬 凛 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□ □□□□□□□□