前へ目次 次へ 69/87 「秋の風」 膚(はだえ)に触れる 指先に触れる 心に触れる この寂しさを この寂しさは この寂しさに 何と、名前をつければいいだろう? 重さのない悲しさみたいな 形のない哀しさみたいな そんな、寂しさに 吹いてくる秋の風に 人はふと足をとめてしまう それにふさわしいだけの 名前を探して でもそれは 名前のない風 誰にもそれを 所持することはできない 志坂 律子 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□ □□□□□□□□□□□