前へ目次 次へ 62/87 「ミツバチ」 ミツバチが飛んでいた ぶんぶん ぶんぶん、飛んでいた あんまり熱心に仕事しているので わたしのことなんて気づきもせず 彼らは花粉を集めては せっせ せっせと、巣へ持ち帰る わたしはその無心に感心して 一匹を手の内に閉じ込めようとした すると鋭い痛みが手に走って ミツバチは無礼な蛮族の手から逃れた 自分たちの種族に対する誇りと 自負と勇敢を持っていたから でも、彼は決して 怒ったわけじゃないのだ 志坂 律子 □□□□□□□□□□□□□