前へ目次 次へ 49/87 「人間の王国」 赤と白に塗られた鉄塔が 大地の上に がっしりと佇立していた まるで天に唾でもするかのように 何という雄偉 何という僭越 人間は魂を持たない 地球というただの岩と緑の塊の上に このようなものを発明し、建設したのである あらゆるものを利用し あらゆるものを犠牲にし 神々をさえ供犠に捧げ そうして偉大な 不遜な 自分たちの手にさえ余る 巨大な鉄塔を建てたのである すべては 人間の王国を創るために 志坂 律子 □□□□□□□□□□□□□□□□□