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「祝祭」
世界は時々 子供みたいに退屈して
それで 困った人間たちは
お祭りなんてものを 考えてやったりする
むずかる子供を あやすみたいに
ぐずつく子供を なだめるみたいに
はりぼての人形
まにあわせの劇場
にわか仕立ての舞踏
それはみんな まがいもの
明日には忘れてしまう 意味のない夢
一夜限りのサーカスと同じで
広場の天幕は すぐに畳まれてしまう
でもそれは 特別製
クチュリエの作った 一点物のドレスみたいに
そこではどんな可能性だって 許容される
(表が裏で 裏が表)(生が死で 死が生)
(黒が白で 白が黒)(無が有で 有が無)
何故なら 嘘のほうが
うまく真実を語ることだってあるからだ
志坂 律子




