詩人にはなれない、もしくは何にもなりたくない
「――春もたけなわですね」
と、あたしは地面に横たわったまま、かたつむりが這うくらいの、のんびりした気分で言った。
新学期が始まったばかりの、高校の屋上。あたし(千瀬凛)と先輩(志坂律子)は詩を作るため、放課後の屋上にいた。あたしたちは、たった二人の文芸部なのだ。
そこであたしは、学校の壁に書かれた詩のことを話題にする。誰が、いつ書いたのかもわからないその詩は、文芸部の仕業だと目されているのだった。あくまで無関心な先輩を誘って、あたしたちはその犯人探しへとのりだす。
ちょっとした好奇心だったはずの、その探偵ごっこは、やがて一つの真実にたどりつくのだった。先輩についてのある秘密を巡る、一つの真実に――
これは、四つの物語。
詩人にも、何にもなれないあたしが、それでも何かになるための。
(22/3/24~22/6/17)
と、あたしは地面に横たわったまま、かたつむりが這うくらいの、のんびりした気分で言った。
新学期が始まったばかりの、高校の屋上。あたし(千瀬凛)と先輩(志坂律子)は詩を作るため、放課後の屋上にいた。あたしたちは、たった二人の文芸部なのだ。
そこであたしは、学校の壁に書かれた詩のことを話題にする。誰が、いつ書いたのかもわからないその詩は、文芸部の仕業だと目されているのだった。あくまで無関心な先輩を誘って、あたしたちはその犯人探しへとのりだす。
ちょっとした好奇心だったはずの、その探偵ごっこは、やがて一つの真実にたどりつくのだった。先輩についてのある秘密を巡る、一つの真実に――
これは、四つの物語。
詩人にも、何にもなれないあたしが、それでも何かになるための。
(22/3/24~22/6/17)
プロローグ
(最初の瞬間のすごく大きな変化)
2023/04/12 09:09
① シャーロック・ホームズによろしく
「嘆きの壁」
2023/04/13 09:26
(改)
1(文芸部的な春の屋上)
2023/04/13 09:29
2(壁に書かれた詩)
2023/04/14 10:22
3(化学実験室)
2023/04/15 11:11
4(探偵の心得)
2023/04/16 18:34
5(仮説の提出とその検証)
2023/04/17 08:11
6(鵬馬高校沿革史)
2023/04/18 08:16
7(生き字引)
2023/04/19 08:44
8(暗号解読)
2023/04/20 08:42
9(ピュラモスとティスベ)
2023/04/21 10:04
② 失われたスマートフォンを求めて
「あたしの、携帯」
2023/04/22 09:08
(改)
1(幽霊トンネル)
2023/04/22 09:09
2(依頼人の話)
2023/04/23 10:12
3(容疑者その一・藤野葵)
2023/04/24 05:46
4(容疑者その二・室康治)
2023/04/25 04:35
5(容疑者その三・乙森虎太郎)
2023/04/26 08:55
6(容疑者その四・宇佐見奏子)
2023/04/27 08:58
7(動画)
2023/04/28 10:10
8(決定的な証拠)
2023/04/29 09:36
9(新しい証拠を求めて)
2023/04/30 09:22
③ The Catcher in the School Festival
「祝祭」
2023/05/01 02:56
(改)
1(紫清祭)
2023/05/01 02:57
2(ポーカー対決)
2023/05/02 07:09
3(アフロと誘拐事件)
2023/05/03 08:56
4(宝探しゲーム)
2023/05/04 09:24
5(海賊とマンボウ)
2023/05/05 10:06
6(CfとFmのあいだで)
2023/05/06 10:30
7(ふりだしに戻る)
2023/05/07 09:18
8(二人の姉妹)
2023/05/08 06:11
9(カムパネルラ)
2023/05/09 07:02
④ まだ汚れていない怪獣たち
「詩人というものは」
2023/05/10 09:17
(改)
1(そして、十二月)
2023/05/10 09:18
2(百奈桃花の言うことには)
2023/05/11 09:08
3(クリスマスと百貨店)
2023/05/12 09:52
4(永遠が終わるその時までは)
2023/05/13 10:11
5(dying poem)
2023/05/14 09:07
6(全部、何てことのない話)
2023/05/15 05:39
7(初歩的な謎解き)
2023/05/16 06:26
8(昔々、ここで一人の女の子が)
2023/05/17 09:24
9(冬はまだ続くけれど)
2023/05/18 09:17
エピローグ
(最後の瞬間のすごく小さな変化)
2023/05/19 10:04
あとがき
2023/05/19 10:04
櫂歌
「深呼吸」
2023/05/20 08:47
「その子の笑顔は」
2023/05/20 12:29
「陽だまり」
2023/05/20 18:48
「キャンディーの包み紙」
2023/05/21 10:15
「今日も一日が」
2023/05/21 14:07
「人間の王国」
2023/05/21 19:30
「歴史」
2023/05/22 02:03
「躓きの石」
2023/05/22 07:12
「早起き」
2023/05/22 13:28
「つばめ」
2023/05/22 21:05
「名前のわからない鳥」
2023/05/23 04:20
「もう、それは」
2023/05/23 08:02
「街灯」
2023/05/23 12:38
「蝶」
2023/05/23 18:51
「自然の摂理」
2023/05/24 08:42
「雨粒」
2023/05/24 13:35
「夜の世界」
2023/05/24 18:50
「すごい奴」
2023/05/25 09:10
「ミツバチ」
2023/05/25 14:42
「しっぽ」
2023/05/25 18:44
「愛」
2023/05/26 10:02
「古い栞」
2023/05/26 13:55
「読書」
2023/05/26 18:39
「知らない街」
2023/05/27 09:48
「唯心論的哲学」
2023/05/27 13:34
「秋の風」
2023/05/27 19:42
「血は血でしか」
2023/05/28 10:23
「世界はもう少しだけ」
2023/05/28 16:02
「木の葉」
2023/05/28 20:33
「指」
2023/05/29 03:06
「あの子が集めていたものは」
2023/05/29 08:05
「アン・ハサウェイ」
2023/05/29 14:09
「パンドラ」
2023/05/29 20:21
「わたしはどれだけのものを」
2023/05/30 05:31
「一つの岩が」
2023/05/30 11:02
「光の侵入者」
2023/05/30 16:29
「夜と霧」
2023/05/30 19:27
「冬が来たら」
2023/05/31 08:51
「ジングルベル」
2023/05/31 13:35
「昔々、世界は」
2023/05/31 18:37
「蜂」
2023/06/01 09:03
「弔歌」
2023/06/01 14:13
「わたしは今日も」
2023/06/01 18:50
「埋め草」
2023/06/02 09:28