表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/4

南の焔と空の詩

山の端に太陽が沈む


大地に太陽が還る


光の尾が流れる


消えかかる太陽の光


それを見つめる乙女がいた


そして祈りを捧げていた


今日も一日


恵みをありがとう


今日も一日


みんなを照らしてくれてありがとう


乙女が瞳を開けた時


目の前に傷ついた鳥が舞い降りた


乙女はその大きさに驚き


一歩後ずさる


しかし


優しき乙女


大きな鳥を介抱する


一回じゃ治らない傷を持った鳥


乙女は幾日も通った


村の大人たちは心配した


乙女が何処かへ通うのを


誰かに誑かされてるのではないかと


心配した


乙女は笑って答える


傷ついた鳥を介抱してるだけだと


鳥の正体は守護霊獣の朱雀


傷ついた朱雀は


人など信用してなかった


自分を傷つけた人間など信用してなかった


乙女に介抱されるまでは


完治が近くなったある日暮れ


帰ろうとした乙女に朱雀は化身の姿を見せる


驚く乙女


ひれ伏す乙女の頭上に朱雀の青年が手を伸ばす


天帝はそれを彼方より見つめていた


そしてため息をつく


手を伸ばしていた朱雀の青年は


気配を感じて鳥に姿を戻す


乙女は不思議そうに顔をあげる


そして


戸惑う朱雀の青年の頬に手をあてた


良かった、と


生きていてくれてありがとう、と


乙女は微笑んだ


そして村に帰る


次の日


待っていた朱雀の青年の前に乙女は来なかった


来れなかったのだ


村の大人たちが閉じ込めたのだ


天帝の囁きが村の大人たちを動かした


乙女は泣いて懇願した


あの人に会わせてください、と


その時


空から紅い光が舞い降りた


朱雀の青年が泣く乙女を抱き締めた


どよめく村の大人たちをよそに


朱雀の青年が宣言した


乙女を嫁にすると


天帝はその熱意に負けて


二人を許した


これは朱雀の最初の番となった乙女の物語






お読み下さり、本当にありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ