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西の花と水の詩

花は咲く


一面の白の花々


無垢で汚れの無い


乙女の花たち


その花畑の中心に白虎は降り立つ


西の守護霊獣


我は白虎なり


花畑に咆哮が響き渡る


淋しさ故の咆哮


その声を聞きつけた


一人の乙女


立ち入ってはいけない


禁忌の花畑を前に


躊躇うことなく


一歩踏み出す


この人は私を呼んでいる


そう信じて


神域に立ち入る


乙女の目に映ったのは


一人の青年


白虎の化身


淋しさを湛えたその瞳に


乙女の心は


激しく波打った


琴線に触れる哀しみ


乙女は駆け寄り


青年が白虎の化身と知らず


抱き締める


天帝はそれを


彼方より眺めていた


天帝は指を動かし


二人の間に火を放った


白の花が燃える


燃える


燃える


目が霞む程の熱


白虎の青年が


天帝の仕業だと気付いた時


乙女の祈りの唄が聴こえた


その唄は命をかけて歌う唄


唄が終われば


乙女の命も終わる


身を文字通り焦がして


白虎の青年は炎の中に飛び込む


唄を止めなければ


その想いで必死に


手を伸ばす


乙女も気付く


涙を流しながら


祈りを紡ぐ


天帝はそれを認めて


炎を消した


焼けた花など


残っていなかった


唖然とする二人


天帝の許す声


二人は固く抱き合った


これは白虎の最初の番となった乙女の物語

お読み下さり、本当にありがとうございます。

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