第1話 外人さん?
は〜い、ひるかでございます。
てなわけで、なんだかんだでトマトに宿題をみせてもらい。
一時間目の授業がおわった休憩時間。
私は今とても悩んでいます。
「ん〜」
「ひるかさん、何を考えてんですか?」
「転、ちょっと、あれみてよ」
私が見ていたのは、同じ組のリンカ・エッジワース。
日本の父とイギリスの母とのハーフで、金髪に青い目という一見普通の外国人だ。
母の実家も貴族階級の超お金もちなのに、何か足りないきがする。
「ねぇ、リンカ」
「なんですの?」
リンカは長い髪を揺らし、私のもとに近づいてくる。
「リンカって何かたりないんだよねぇ〜」
「はい?いきなりなんですの?」
「転もそうおもうでしょ、なんか外国人キャラってもっとキラキラ輝いてたり、なんか親衛隊みたいなものがいるでしょ」
「え〜、よく分かりませんが、親衛隊って辞書で調べると『ある人の周囲にいて、常にその人につきまとう一群の人』ってかいてあるんですよ、正直迷惑ですよね。…死ねばいいのに」
しばらくの沈黙。
「え!なんか変なこといいました?」
沈黙に我慢できず転が慌てふためく。
「まぁ、それはいいとして、いったい何が足りないんだろうね。」
「べつに、私に足りないものなんてありませんわ。財力だって、美貌だってありましてよ」
リンカは誇らしげに両手を腰にあてる。普通自分でいいますかい!
なんとなくリンカをポニーテールにしてみたら何かが舞い降りた。
「『萌え』が足りないんだよ!」
「え?」
いまのは二人ともほぼ同じタイミングで言われた。
「いくら特徴があっても、トマトみたいに地味じゃやってけないしょ!」
ふたりとも黙りこくる。
そのうち、私の後ろを見ながらワナワナと震え始めた。
「もぉ〜、なんだよ」
私は後ろを振り返ってみる。
そこには般若も逃げ出すトマトが、およそ人の顔とは思えない形相で私を見下ろす。
「だ〜れ〜が〜地味だって〜!」
「えっ……あっと……聞こえた?」
「そりゃ、あんたの後ろだから嫌でも聞こえるわよ」
「ハ、ハ、ハ、地味も個性だって」
それからトマトにいかに地味がすばらしいかについて語ってあげた。
やっぱり気にしてたのか!?
時間は経ち昼休み。
私はトマト、転、リンカと集まって昼食を食べてるよ。
ついでに、私の今日の昼食はハニートースト。
これ大〜好きなんだよね。
まぁ、そんなことはどうでも良くて、やっぱリンカには、萌え要素がないって話。
「ねぇ、リンカ、萌え要素もってないの?」
「あれ、まだそれ続くの?」
なんだかトマトが不機嫌そうに言う。
「あっ!わたくし、親指がすごく曲がりますわよ」
リンカはそういって親指をまげて見せる、なんだかキモイ。
「それ萌え要素じゃないし! 地味すぎ!」
肩を揺らしトマトが反応する。
今のはわざとじゃないから。
「しょうがない、第二回個性改良会議でもやるか」
すると、一斉に反感の声が飛び交う。
あっ、転連れてトマトが逃げ出した。
個性改良会議にはあまり良い思い出ないからな。
いいさ、いいさ、リンカと二人でやるさ。リンカは逃がさないよ。
私はリンカの肩に手を置いた。にへへ。
よし、ここで説明しよう。
個性改善会議とは老若男女とわず5000人の人々があつまり、二千円札について話あうのだ!
まあ、うそだけどね。
本当はあだ名をきめたり、特徴を決めてキャラを設定させる会議だ。
設定されたキャラには従順でなくてはいけないというルールもあるぞ。
第一回ではトマトのあだ名がついた。
地味すぎて会議が長引いたので、最後に好きな食べ物聞いたところ
「…トマトかな?」
と言ってたのであだ名は「トマト」に決定ってわけですよ!
個性改善作戦1 ツンデレ
「べつに貴方のこと好きではありませんわ!」
むむ、なにか違うな。
作戦2 外人
「リンカ、英語の教科書読んで〜!」
私は『新しい地平線』と書いてある教科書を渡す。
「え、わたくし日本生まれ、日本育ちだから英語とか別に得意ではないわよ」
「いいから読んでよ〜」
「ああ〜。アイ リケ??? あっ、今のなし」
咳払いを一つ。ちなみに読んでる英文は
I like a bus.
「よし、いきますわよ。 アイ ライク ア ブス?」
お、やってくれると信じていましたよ。
リンカなかなかやるじゃないか!
あと一押しだ!
そのときチャイムの音が鳴った。
あ〜、残念いいところだったけどお開きだ。次の授業の準備しなきゃ。
「あ、昼休みおわちゃったよ。掃除いこ、掃除。」
「え〜、ここまで来てお仕舞いですの?わたくしは途中で止められると体がうずうずしますのよ、どうにかしなさいよ!」
そういってもぞもぞと体を動かしてから、私の背中に飛びついてきた。
豊富なバストが背中でバウンドする。
思わずドキッとした。
萌えとかなくてもリンカは最強だな。
これが今日学んだ私の結論です。バイバイ〜