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およそ原稿用紙1枚の短編集  作者: 柊 真詩
14/25

星のない七夕

七夕。病み系。

 目の前にあるタブレット端末には、描きかけのイラストが映っている。ペンはずっと動いていない。

 時計だけが動く。短針は三を指していた。

 もう七月八日なのに、私はまだ七夕のイラストを描きあげられないでいる。

 私は、重い腰を上げてトイレへと向かう。明かりは付けない。家の中は夜そのものだ。

 リビングのテーブルには、小さな笹の葉が飾ってあった。

 私はふらりと近づき、スマホのライトで家族の短冊を照らす。

『お姉ちゃんとまた仲良くなれますように』

 部屋に戻った私は、スケッチブックを丁寧に切り取り、真っ白な短冊を作った。

 ペンは止まることなく動く。

 もう一度、リビングへと向かった。

『誰かが殺してくれますように』

 久しぶりに家族と触れ合った気がした。

 きっと、妹も喜ぶだろう。

ご愛読ありがとうございます。

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