表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
およそ原稿用紙1枚の短編集  作者: 柊 真詩
10/25

毛並みは牡丹餅

お彼岸。神様。猫。

 沢山の人間達が、鳥居をくぐってここから出入りしていく。温かい陽光に照らされる彼らは、のどかであり、朗らかでもあり、それでいて、どこか神妙そうな面持ちでもある。

 桜の蕾も膨らみきったこの時期は、毎年そうだった。お彼岸、と言うらしい。

 お彼岸は春と秋にあるけれど、僕が好きなのは春の方だ。

 ぼた餅とおはぎの二つは、どちらも本当に美味な供物だが、どちらかと言えば、ぼた餅の方が好きなのだ。

 ぼた餅は、牡丹餅である。春の花から名付けられた。そして牡丹は、若々しくて愛らしい、艶やかな花だ。

 僕は目を瞑る。髪を梳かすように、ゆっくりと魂をその器に注いでいく。

 そうして僕は猫になる。ぼた餅のような深い光沢を持った黒猫だ。

 さて、今日も牡丹の香りへと歩き出そう。

 僕は前足を前方に伸ばし、深く伸びをした。

ご愛読ありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ