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およそ原稿用紙1枚の短編集  作者: 柊 真詩
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積もりゆく涙

初詣ネタ。恋愛系。

「久しぶり、ごめんね。待った?」

 鳥居の下で、赤いマフラーをした彼女は微笑んだ。積もった雪に日の光が跳ねる。地面は、まるで水晶を散りばめたようだ。

 そんなことないよ、と僕は首を振った。牡丹の着物に身を包んだ彼女を見つめる。

 彼女は小さくお辞儀をして、鳥居をくぐる。柄杓で手指を清め、その冷たさに体を小さく縮めた。

 彼女は後ろを振り返る。その表情は、とても愛らしく、幸せそうだ。

 彼女は一歩一歩、僕に近づいてくる。ゆっくりと確実に。

 彼女が僕の目前まで来ると、彼女は五円玉を小さな手の中から放った。

――君の隣に、ずっといれますように。

 こんなにも愛している彼女のお願いを、僕は見ていることしかできない。

 君が人で、僕は神様だから。そして、君の隣にはもう、想い人が立っているのだから。

ご愛読、ありがとうございました。

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