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黒影さんは眼が見えない  作者: 12.7mmのセミオート豆腐
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夏の吹雪と酒の為 -3

ナイトメア近めの視点です。

 ナイトメアとローグが突入して殺戮を繰り広げ、事態を察知した警備員が4名程やって来た。


「隊長!追加で4!武装は…知らん!」


да.(ああ)見えてる」


 明らかにナイトメアの向いている方向からは見えない位置にいるでも、ローグの反応した位置と声の反響、その他諸々のデータを脳内で統合して手に持ったハンドガン、[・ドラグーン]を向ける。


「ローグ?ローグ!やったと思うんだけどどうだ?!多分ヘッド!」


「あー、ちょい待ち?えーっと…あぁうん、頭綺麗にぶち抜いてら!可哀想に…」


 今回はサプレッサーを装備している為、増援は遅いかと思っていたが突入時にガラスを破った事が原因だった様だ。そんな事を考えながらもナイトメアは1人ずつ殺していく。

 その顔は…復讐に飲まれた悪鬼の様な顔だった。正直、見ているだけで恐怖に飲まれそうになるレベルのものだ。


「隊長?アンタ…顔ヤベェぞ?大丈夫かぁ?」


「|Без проблем《問題無い》俺達は平気だ。それよりもっ…!なあ、此処のリーダーは誰だ?」


 そんな顔をしながらまだ息のあった職員らしき人間を尋問にかける。受け答えがし易い様に襟を掴まず、ナイフを突き付けるだけだが効果はあった様だ。得る事のできた情報は正確では無いかも知れないが、コントロールチームにも確認を取るように指示を出して行動を再開する。


「奴の腹心…クソ…痛みだけでは終わらせんぞ…まずは歯、次に肩から…足にいって腱、骨、皮膚…」


「わーお…惨状が出来上がるな。何分掛けんだ?」


「6分」


「ヒエッ…なっが」


 ナイトメアは通常、1人に対して2〜30秒掛けるのだが6分掛けるのは敵にそのぐらいの苦しみを与えたいと言う願望だろうか。


 彼の名前と正体を知る者は精鋭隊の中でもごく一部しか知る者が居らず、その中でも過去を知る者は片手で数えられる程しか居ない。彼の復讐が実を結ぶかどうかも分からない。


 そうこうしている内に施設の管理者、もといナイトメアの復讐相手のいる部屋の前にやって来た。案の定、部屋のドアには電子ロックがかかっている。


「確認するぞ?6分だな、6分で良いんだな?」


「ついでに部屋の外にいてくれると助かる。増援もお前に任せる」


 ローグは苦笑しながらナイトメアの為にドアの前からずれた瞬間、いつの間にかハンドガンからショットガンに持ち替えたナイトメアが銃口をドアに向けそして、鉄製のドアだった物が大きく吹き飛ばされる。ドアの近くに居たらしい人の悲鳴が聞こえ…

遅れて銃声と重い物が地面に倒れる音がした。


「OK、俺はこっから先は見ない方が良いな」


 ローグが後ろを向いて警戒にあたるのを感じたナイトメアはそのまま復讐相手に銃口を向けた。


「お前の名前は知ってる。福都住蔵、40歳、二ノ宮重工の建設部門部長で独身、俺を覚えているか?住蔵」


「何なんだお前は…一体誰だ!」


 こんな近くにまで来て顔を覚えていないのかという怒りを覚え、ナイトメアは仕事中はいつも付けているカーボン製のマスクを口元から外す。


「…覚えてないのかよ…。黒影龍太を突き落としたのはそんなに面白かったか?なぁ?教えてくれよ」


「まさか、お前…死んだって…!」


「俺達が?死んだって?ハッ!そうだな、黒影龍太は死んだ。代わりに黒影龍太刀は生きてる。そして俺達はナイトメア」


 表情が驚きから恐怖に変わるのをじっくり眺めながらショットガンの弾を一度全部抜き、新たにスラグ弾を詰めていく。時間はあと4分。


「喜べよ、お前らのやってきた行為が此処で精算される。住蔵、お前は俺達を切るのが好きだったな」


 スラグ弾を詰め終わったのを確認したら恐怖で動けない福都の横に移動して頬に銃口を突きつける。


「覚悟しろ」


 引き金を引き下顎ごと歯が消し飛ぶ。舌が無事な所を見るに流石はスラグと言ったところか。

 椅子から転げ落ちた福都を仰向けにし、同じように肩に銃口を当てる。撃ち込んだ後ナイフを使って膝の腱と骨を剥がす。

 血が飛び散る。痛みで身体が震えているのが分かる。膝からしたの皮膚を剥ぎ、


ーーーーーー


「隊長、6分経ったぜ。時間だ」


「……あ?嘘だろ?まだ4分しかやって無い筈だ」


「嘘じゃねえぞ?しかも、そいつ死んでるし胸んとこも大穴空いてて肺も抜かれてるし…やべえな」


 ふと、福都を見ると自分が覚えてい無い内にかなりやっていた様で見るも無残な姿になっていた。

 スラグも何発か腹に撃ち込まれていた。


「時間だし、そろそろここ吹っ飛ばして帰ろうぜ。アンタがやってる間色々見て回ったんだけど…中心部のあの柱みてえなのが原因っぽいしよ」


 少し早口のローグに爆薬と起爆用のプラグを渡されてぼんやりした頭を現実へと巻き戻す。


「あ、ああ。分かった…すまんな、ローグ」


 ナイトメアはローグから爆薬を受け取って柱の元へと走る。原因解決と自己の為にも走る。身体の内に潜む殺戮衝動にちょっとした安心感を覚える。


「そうだ…大丈夫だ。お前の出番はまだだし、アイツの手を借りるのはまだ先だ」


 そう呟いたナイトメアの独り言は誰に向けられたものだったのだろう。

ナイトメアの持つ武器についてちょっと解説。

[・ドラグーン]はハンドガンでありながらもそれぞれのタイプのパッチもとい銃に接続する事で様々な戦局に対応できる。

 製造にあたり、設計図に書かれた言葉は、

「どんな場所であっても優位を保ち、どんな環境でも復讐を成し遂げる」


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