37話「人間とEV」(最終話)
「レボルト、君たちも僕を否定しに来たのか?」
アダムが怒りに任せたパンチを繰り出す。レボルトは受け止めながら答える。
「ああ、お前が人間を支配しようとする限りな!」
アダムの拳を掴んだまま、レボルトが電流を流し込む。アダムが慌てて距離をとる。
「ヴィクトリー・コンダクター!」
レボルトが武器の名前を叫びながら斧を取り出し、そのまま振り下ろす。
「うぐ…痛い…どうして僕が…」
アダムが泣きそうになりながらレボルトに飛びかかるが、レボルトに避けられそのまますっ転ぶ。レボルトはすかさずアダムの背中にヴィクトリー・コンダクターの柄を突き立てて電流を流す。
「どうして僕が…イブぅ!なぜ人間に味方するんだ!」
横に転がって電流から逃れながら、恨めしそうに叫ぶ。
「イブじゃない!俺の妹、“荷田イオ”だ!」
「まだ僕から仲間を奪うつもりか!」
レボルトの答えに、アダムが悲しみと怒りの混じった声を上げる。
「奪ったのは…お前の方だろうが!!」
レボルトがさらに強い怒声を上げながら水平に切り付ける。
「僕だって…僕だって望んだわけじゃ…」
アダムが刃を腕で受け止めようとするが、それはかなわず吹っ飛ばされる。
「勝手なことばっかり言いやがって…お前がいる限り悲しみは終わらない…だから、俺がここで断ち切る!!」
ここでレボルトのボルテージが最高潮に達する。
Voltage max!!!!!!!! Infinity!!!!!!!!
ヴィクトリー・コンダクターが激しい火花を上げる。
「アダム!これで終わりだ!」
「終われない…こんなところじゃ…また…皆と…」
レボルトが天井を突き破らんばかりの勢いで高く飛び上がる。
「ヴィクトリーボルト…スラああああああああッシュ!!」
飛び上がった状態からそのまま振り下ろす。アダムも体内の電力をすべて右の拳に集中させ受け止めようとする。ぶつかり合って激しい閃光と轟音が起こる。
「アダム…アダム…」
「ガンマ…それに皆も…そうか…これでやっと…」
敦彦くん遅いなあ、ちょっと出かけるとしか言ってなかったけど。イオちゃんもまだ学校から帰ってこないし。どうしたんだろう?
「蜜絵さん、冷めちゃうから。先に食べてなよ。」
「二人が帰ってくるまで待ちます。」
このおいしそうな料理を前にして待つというのはもはや拷問だが、ご飯はみんなで食べたほうがおいしいということを知っているのでここはとことん待つ。
「無事に帰ってくるといいけど…」
流さんがボソッとつぶやいた。それは少し聞き捨てならない。
「流さん!それどういう意味ですか?」
「えっ!いや…これは、そのー…」
結局洗いざらい話してもらった。杏さんが呆れた顔で額を抑えている。なんで私にだけ何も言わずに…その時玄関から物音が聞こえてくる。急いで玄関まで走っていく。
「ただいま。」
敦彦くんがはにかみながら言う。イオちゃんも小さく「ただいま」とつぶやく。
「…おかえり。なんで私にだけ黙ってたの?」
少しふて腐れたような話し方になってしまう。
「最後の言葉みたいになっちゃったら嫌だったからさ…」
敦彦君が気まずそうに答える。
「もう…もしものことがあったらどうするつもりだったの…」
少し声が震えてしまう。
「泣かないでよ、蜜絵さん。大丈夫だよ。」
…泣いてないもん。そして飛び切りの笑顔でこう続けた。
「だって俺、レボルトだから。」
最終話・完
「Revolt」完結




