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Revolt  作者: ハイマン
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31話「きょうだい」

「イオちゃんのこともあるし、心配だな。」

オメガのつぶやいていた言葉が引っ掛かる。あいつは何かを誤魔化している。

「少し調べてみるか…」



「杏さん、調べてほしいことがあるんです!」

「…何を?」

「博士のお父さんのメッセージに書いてあった、この“イブ”について。きっとレボルトがパワーアップするカギだと思うんです!俺、もっと強くならないと。」

元気になったみたいで何よりだ。しかし水を差すようで大変申し訳ないが、私も“イブ”については全く手がかりを掴めていない。しかし交野先生も交野くんももういない。どうやって調べれば…

「お邪魔するよ。」

「あっ、志波さん。どうしたんですか?」

「志波くん、ちょうどよかった。手伝ってほしいことが…」

「イブのこと?でも今日の用事はそれじゃない。」

言いながら懐からUSBを取り出す。

「パソコン借りるよ。これ、EVの現在地を調べられるプログラムなんだけど、イオちゃんの学校に一体いるんだよね。」

「イオちゃんの!?ていうかそんなプログラムいつの間に…」

「ちょっとね。で、このEVの移動経路をさかのぼると…ほら。」

この家…?ちょっと待って。それってつまり…

「君の妹、EVだよ。…これが事実なら生かしてはおけない。」

「待ってくださいよ!何かの間違いです!」

「なら確かめよう。帰ってくるまで待たせてもらうよ。」



「ただいま。」

「おかえり、イオ…ちょっといいか?」

学校から帰ると深刻な顔をした兄にラボに連れていかれる。

「イオちゃん、君EVなの?」

え…?何で知ってるの?私…私は…

「志波さん私…」

「そんなに怖がらなくていい。ごめんね変なこと聞いて。今日は帰るよ。ええと…そこに置いてある“ステッキ”とってもらえる?」

入口に立てかけられた赤と青、2色のステッキを指さす。あれって…

「どうしたの?触れるのが怖いのかな?」

「イオ…大丈夫だよ。なあ…頼むから取ってあげてくれよ…」

兄が声を震わせながら言う。だって、このステッキは…

「やっぱりお前EVか。」

志波さんが冷たい目でつぶやく。

「違…私…」

思わず逃げ出してしまう。…もうここにはいられない。お兄ちゃん、杏さん、流さん、蜜絵さん…さよなら。



「イオ!待ってくれ!」

「待て荷田君、分かったろ。あの子はEVだ。君の妹じゃない。」

志波さんに制止される。早く追いかけないと。

「だから何ですか!正体がなんであろうとあいつは俺の妹です!大体自分だって大牟田さん…」

「オメガとは利害の一致で協力しているだけだ。あいつは何かの役に立つのか?」

そんな…役に立つとか、立たないとか…イオは…そういうんじゃないんだよ。

「君は今まで何度もEVに嵌められてきただろう。あいつも腹に一物抱えているのかもしれないぞ。…これは君のためだ。」

「たとえEVでも、あいつの心は人間です!」

「話にならないね。また裏切られるぞ。」

家を飛び出してイオを探しに行く。早く見つけてやらないと…



…これからどうしよう。人間としての生活に慣れすぎて、プラズマ化もEVアーマーの使い方も忘れてしまった。とりあえず今は知り合いに会いたくない。とにかく人のいないところに行かないと…そう思いながら歩いていると来たことのない山にたどり着いていた。遭難したかな…いや、ふもとに街も見えてるし大丈夫か。なんで帰るつもりのない街並みを見て安心してるんだろう。

「誰?」

背後から気配を感じる。あいつは…

「イブ…はは、こんなところで会えるとはな。」

「ガンマ…こんなところで何をしているの?」

「別に、仲間の墓を建ててやっていただけだ。」

あの枝きれの刺さった土山のことか。

「アダムは甘い…あいつが必要以上の犠牲を出したくないなどと言わなければこいつらは犠牲にならずに済んだ。」

「不満があるなら見限れば?…私がそうしたみたいに。」

「しないよ。俺はお前とは違う。お前こそどうなんだ。…アダムも心配していたぞ。」

確かに今の私には居場所はない。でもこいつらの仲間に戻るなんてありえない。それに…

「…私は人間として生きたい。」

「しばらく見ないうちにそんなバカげたことを言うようになっていたとはな。EVの力の使い方も忘れているようじゃないか。“EVの力を思う存分使えよ。”」

そんなことするわけないじゃない。私は…あれ?



イオ、どこ行ったんだよ。早く見つけて、伝えてやらないと。あいつの兄は、俺しかいないんだから。

「敦彦くん、取込み中悪いけど、EVが出たわ。すぐ近くよ。」

イオを探さなきゃいけないってのに…!でも迷った顔じゃイオに伝えられない、すぐに現場に向かう。

「志波さん!大牟田さん!」

「敦彦、来てくれたか!」

「こいつ、恐ろしく強いぞ…」

どれだけ強くても関係ない。早く終わらせてイオを…

「二人とも、待ってくれ!」

EVに飛びかかろうとする二人を制止する。間違いない、あのEVは…

「あれは…イオだ…」




31話・完


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