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Revolt  作者: ハイマン
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27話「想定外」

「…杏さん、流さん、ただいま。」

とは言ったもののやっぱり気まずいな。流さんいつになく険しい表情だし。

「心配かけやがって。…夕飯できてるぞ。」

「ほら、早くイオちゃんと交野くんに顔見せてあげなさい。」

「…ありがとう。」

ラボに入ると博士はただ一言「おかえり」と言ってくれた。いつも通りのその声がたまらなく嬉しかった。

「心配かけてごめん。」

「無事ならそれでいい。」

イオの部屋のドアを開けると、イオが泣きじゃくりながら飛びついてきた。…妹にこんな顔させるなんて兄貴失格だな。

「ごめん、もうどこにも行かないから。」

「…うん。」

少し離れた所で蜜絵さんが親指を立てている。…帰ってきたんだなあ。ただいま。



「デルタ、レボルトは覚醒したんじゃなかったのか?」

「そのはずなんだけどねぇ、想定外のことが起こっているようだ。」

「その割には嬉しそうだな。」

「おっと、いけない。科学者どもの体を渡り歩いていたせいで彼らの悪癖が感染したのかもねぇ。今のレボルトは処分して新しい資格者を探した方がいいね。幸いレボルトの覚醒プロセスは解明できたし。なぁに、代わりはいくらでもいるさ。」

「処分か。分かった、適当な奴を刺客に送ろう。“量産型”の方はどうなってる?」

「もう人間たちが量産型を受け入れる土壌は整っている。あとは彼から設計図を奪えばいい。」

「そうか、そっちは任せる。」

「ああ、任された。」



敦彦君も無事に帰ってきたしこれで一安心だな、と言えればいいんだが。デルタはアンピアーを見て「完成したのか」と喜んでいた。ならば量産可能なサンダー・アーマーの完成もあいつらの計画に織り込み済みということ。設計図はすべて処分したが、まだ一つだけ残っている。このデータだけはどうしても処分できない。…どうしたものか。


PRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRR


電話か。これは…

「デルタだな。君の用事は分かっている。」

「話が早くて助かる。一人で来てくれよ。」

デルタに指定されたポイント。あいつのことは僕が決着をつけなければいけない。科学を弄ぶあいつは、父さんの命と体を奪ったあいつは。

「ちゃんと一人で来てくれたね。設計図は持ってきてくれたかな?」

「持ってきていない。」

「ちょっと、私の用事分かってないじゃん!知ったかぶりやめてよー。」

「持って来れないんだよ。全部処分してしまったからな。一つを除いて。」

デルタはすべて理解した、という顔をする。

「力ずくで奪ってみろって?君の頭の中のデータを。」

話が早くて助かる、そういうことだ。

「エレクトリガー!」

「やっぱり君は面白い!」

こいつ相手に隙を見せたら一瞬でやられてしまう。絶え間なく弾丸を撃って牽制する。

「厄介だな。痛い、痛い。」

少しでも隙を見せたら最大出力の弾丸を撃ちこんでやる。

「はぁ…もう私と会話する気はないのかい?なら仕方ない。」

デルタから爆音のノイズが鳴り響き弾丸がすべて撃ち落とされる。…まずい。

「これ良いだろ?体にスピーカーをくっつけたんだ。これも君たち人類の発明だよ。」

「ぬけぬけと…むぐっ!?」

デルタに首を掴まれ、持ち上げられる。

「これも君たち人類が貪欲に知恵を求めた結果さ。私たちの掌の上とも知らずに。何も知らない猿のままのほうが幸せだったかもね。」

顔面部分だけEVアーマーを解除して耳元で囁いてくる。

「父さんの…その顔でそんなこと言うな…」

「悲しそうだね…せめて楽に死なせてあげよう。安心して、君の才能は僕のボディとして存分に生かしてあげるから。」

最後の手段…使いたくなかったけどな。こいつの思い通りにさせてたまるか。

「エレクトリガー…リミッター解除。」

デルタも僕の考えに気づいたようだ。僕の首から手を放そうとするが、逃がさない。デルタの指を首にめり込ませる。

「何を考えている?最後の設計図を自分の命と肉体ごと破棄しようって?私たちの寿命は無限だよ。そんなことをしても時間稼ぎにしかならないよ。」

「十分だよ、お前たちじゃ僕の仲間は倒せない。」

「ふふっ、はは!こんなの想定外だよ!最高だ!いいだろう、やってみろ!」

「…フルバースト。」

この距離なら確実に仕留められる、撃った方も消し炭だがな。ざまあみろ、これでお前たちの計画は中断だ。…父さん、今助ける。

「ぐわああああああ!最後に…いいもの…見せてもらった…よ…人類の…」

皆、勝手なことしてごめん。あとは…任せた。



「アダム、デルタが…」

「分かってるよ。ねえガンマ、人類は僕たちの想定以上に進化しているのかもね。」

「そうかもしれないな…」

「やっぱり、直接殺して奪うしかないのかな?」

「…よろしいので?」

「とても悲しいことだけど仕方ないよ。人間は僕の子供のようなものだ、きっとわかってくれるよ。」




27話・完


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