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Revolt  作者: ハイマン
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25話「帰ろう」

「杏さん…何かの間違いですよね…?」

みっちゃんが縋るように聞いてくる。残念ながらさっきまでの映像はすべて現実だ。この子たちはEVが人間にも感染することを知らないから。でもこうなってしまったら敦彦くんのためにも隠すわけにはいかないわね。

「みっちゃん、落ち着いて。流とイオちゃんも聞いて。EVはね…」

「行かなきゃ…」

話そうとすると急にイオちゃんが立ち上がった。

「ちょっとイオちゃん!?どこ行くの!?」

「お兄ちゃんのところ。」



敦彦君…なぜだ?敦彦君がソード・コンダクターで僕を切りつけてきた。攻撃の手を緩めてくれる気配はない。

「敦彦君!僕だ、交野だ!」

だが僕の静止も構わず攻撃を続けてくる。くっ…聞こえていないのか。レボルトの電池切れまで粘れるか?

「エレクトリガー、20%!」

エレクトリガーの引き金を引く。威力は抑えてあるが、これで気絶してくれれば…弾丸は命中した。命中したが…一瞬怯んだだけでズンズンこちらへ向かってくる。威力を抑えたとはいえ、全く効いていないとは…こうなれば威力を上げて…

「エレクトリガー、80%」

………撃てない。相手は敦彦くんだぞ、人間相手にこの威力は本当に危険なんだ。撃てるわけがないだろ。

「頼む、止まってくれ!君は本当にそれでいいのか?」


………

「ふー、これ思ったよりきついですね。」

サンダー・アーマーを解除しながら少年がこちらを振り向く。初めてでこれほどの戦いぶりを…

「ああ、本当によくやってくれた、感謝す…あああああ!!」

僕はとんでもないことをしてしまった。この子の適性も調べずに雰囲気に流されてサンダー・アーマーを使わせてしまうなんて…

「本っ当に済まない!こんなことに巻き込んでしまって…」

「えっ。いやいや気にしないで下さいよ。何とかなったし、結果オーライですよ!」

「そういうわけにはいかない!僕のラボへ行くぞ、検査だ!」

少年の腕をつかみラボに向かう。ラボの前につくと少年は固まった。どうしたんだ?まさかサンダー・アーマーによる肉体への負担が今…

「あのー、俺帰ってもいいですか?い、妹も家で待ってるし…」

「どうして?自分の体が心配じゃないのか?」

「心配だから言ってるんですよ!何ですかこの見るからに怪しい建物は!」

「ははっ、面白い子だな。行こうか、ラボは地下にあるから。」

「助けて―!」

………

「杏さん、結果どうだった?」

「体調も至って良好。適性も高いわ。彼なら申し分ないんじゃない?」

「あのー、俺何されたんですか?」

涙目になりながら尋ねてくる。全く、変わった子だな。

「心配いらないよ。君は健康そのものだ。そういえば名前を聞いてなかったね。僕は交野直也だ。」

「そういう問題じゃ…もういいや。荷田敦彦です。」

………

「と、いうわけなんだ。…君さえ良ければレボルトとして戦ってほしい。」

「俺が…わかりました!良いですよ!なんか正義のヒーローって感じでワクワクしますね!ドーンと任せてくださいよ!」

「ありがとう、本当になんとお礼を言えばいいか…それじゃあさっそく家に帰って荷物をまとめてきてくれ。空き部屋ならあるから。」

「あっ、はい。…え?」

「レボルトとして戦ってくれるならここに住んだ方が都合がいいだろ?何か不都合かい?」

「交野くんってば寂しいのよ。家に来る人みんなに言ってるんだから。」

「ちょっと杏さん…ゴホン。で、どうかな?」

「えっと…妹と相談してみます。」

………

「お邪魔します。交野博士―?」

「おお、来てくれたか!待ってたよ。その子は妹さん?」

「…荷田イオです。お世話になります。」

「そんなにかしこまらなくていいよ。今日からここが君たちの家だ。」

「そうそう。流!サプライズパーティーしてあげるわよ!料理の用意して!」

「言ったらサプライズにならないんじゃ…」

「姉さんもたまには手伝ってくれよ…ああ、俺は井田流。この人の弟です。」

「あの、悪いんで俺達も手伝いますよ。」

「気にしないで。いつものことだから。」

「それに流君の料理が一番おいしいしね。」

「そ、そうですか?じゃあ、俺準備してきます。」

「彼クールそうに見えて褒められると弱いんだよ。」

「へぇ、意外ですね。」

「聞こえてますよー」

………

「痛てて…博士、ただいま戻りましたー。」

「敦彦君、何ださっきの戦い方は。」

「えっ、なんだって言われても…」

「これだけは約束してほしい。あまり無茶なことはしないでくれ。」

「いや、俺別に無茶なんか…痛っ」

「君の気持ちは分かる。でもみんな君が無事に帰ってくるのを待ってるんだよ。いいね?」

「…はい。」

………


レボルトに攻撃を受けながら昔のことを思い出す。これは…走馬燈って奴かな。彼を戦いに巻き込んだのは僕だ。これも自業自得か。だが、せめて彼の心を取り戻さなければ。責任?それもある。でもそれだけじゃない。

「敦彦君…帰ろう。みんな、待ってる。」

「…約束。」

!今の声…空耳じゃない。

「博士…俺…あ…何てこと…」

やっと目が覚めたか…良かった…

「ちょっと、ちょっと!邪魔しないでよぉ。もう少しだったのになー。」

デルタ…やはりお前の差し金か。くそっ、でももう体が…

「そっちこそ邪魔しないで。」

後ろから声がして振り返る。…イオちゃん?なぜここに…

「おぉ!あなたはまさか…こんなところでお目にかかれるとは…」

デルタが感嘆の声を上げる。こいつイオちゃんのことを知っているのか?

「面白いことになりそうだね。今日のところは帰るよ。」

「おい、待て!デルタ!…あれっ、イオ。何でここに…」

「なんでもない。帰ろう?」




25話・完


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