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Revolt  作者: ハイマン
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23話「レジスタンス」

「これは…制御回路が完全に破壊している。」

敦彦君がレボルトの調子が悪いというもんだから点検してみたら、予想以上に酷いことになっていた。修理にはかなり時間がかかりそうだ。その間は幸平と志波で何とかしてもらうしかないか…。どういう経緯でこんな状態になったのか聞いてみたが、敦彦君曰く怒りで我を忘れてなにも覚えていないらしい。杏さんも、通信で呼び掛けても全く聞こえてなかった、と言っていたしな。改めて先日の戦いの映像を確認してみる。…怒りで我を忘れて、か。本当にそれだけだろうか?デルタが言っていた“レボルトの覚醒”というのも気になる。とりあえず、幸平と志波にレボルトが使えないことを伝えておくか。



「おう、直也か。どうした?…そうか、レボルトが。任せとけって!…いい、いい!お前は修理に集中しろよ。おう、じゃあな。」

レボルトがねえ。イオちゃんのこともあるし、敦彦の奴心配だな。心配だけど、それより今は…

「お姉さん。俺に何の用?」

「私は処刑人のベータだ。アダムを裏切った罪深き者オメガ、お前を始末しに来た。」

ま、EVの身で随分好き勝手やってきたもんな。いずれはこうなる運命か。

「始末される気はさらさらないけどな。」

「お前の意思は関係ない。」

お互いにEVアーマーになり、蹴りを交差させる。

「オメガ、腕は衰えていないようだな。」

「腕じゃなくて脚だけどな」

とは言ったものの、俺こいつのこと知らないんだよなあ。オメガの知り合いか。足技中心の戦い方らしいな。それなら蹴りの瞬間の軸足を狙えば…

「甘いぞ。」

ベータの軸足を払おうとしたはずが、なぜか俺の足のほうがズタズタにされていた。ああ、そういうこと…対策してないわけないもんな。

「随分物騒なものくっつけてるんだな。」

ベータの足に目をやるとノコギリの刃のようなものがいくつも飛び出していた。

「抵抗する罪人に罰を与える必要があるからな。だが処刑は私自身の手で行う。」

「さっきから足ばっか使ってるけどな。」

つまり防御専用ってわけか。だがそれでも厄介だ、これじゃあ迂闊に攻撃できないな。

「でもこれならどうだ!」

荊の鞭をベータの足に絡ませる。しかし切断されはらはらと崩れ落ちてしまう。…マジかよ。

「そんなもので私を縛れるか、甘んじて刑を受けろ。」

ベータの蹴りが俺の胸を貫く。これじゃあの夢と同じ…

今のお前はEVの体だ。その程度では死なんよ。

でもこのままじゃ勝てないぜ。どのみち死んじまう。

そうだな、実に困った。

俺とお前は運命共同体だろ?もうちょっと焦らないのか?

ベータからは確固たる信念を感じる。あいつと戦って倒されるなら俺はそれでいいと思っている。

…まあ、お前はそうだよな。でも俺は嫌だぜ、こんなところで終わるの。

それについては同感だ。お前の誇り高き心がこんなところで失われるのは惜しい。

だったら力貸してくれよ。

ダメだ。これ以上俺の力を引き出せばお前の自我が失われてしまう可能性が高い。どのみちお前の心は失われるんだ。

そっか、それだけで済むならいいよ。お前の力貸してくれ。

大牟田幸平…お前、良いのか?俺がお前の自我を呼び覚ますためにどれだけ…

それはありがとう。でもいいんだ。自分の身可愛さに何も守れなくなる方がよっぽど嫌だ。

俺の話を聞いていたのか?自我がなくなるといったんだぞ?

聞いてた、聞いてた。そのうえで言ってんだよ。お前は約束守る奴だろ?

…約束?

あれ、忘れちまったの?俺と一緒に戦って、人間を守る、って。

あれは俺に課せられた罰では…

まじめだな、お前は。違うよ、あれは約束だよ。俺とお前…ふふっ、誇り高き戦士同士の。

お前というやつは…ここから先は茨の道だぞ。

今更だろ。もう両足傷だらけだよ。

分かった、好きなだけ使え。意識をしっかり保てよ。

ありがとな、オメガ。後は任せたぜ。

「…これがオメガの力全部か。すげえパワー感じるぜ!あれ?」

俺意識保ててるな。せっかくカッコよく託したつもりだったのに、これじゃカッコつかねえよ。これほどEVの力を引き出してなお自分を失わないとは、やはりすごい奴だ。何とかなった、ってことか?まあ、何でもいいや。

「オメガ…行こうぜ。」

無論だ。

「まだ動けるか。処刑は確実に遂行する。」

ベータの蹴りが飛んでくる。かわすか?いや受け止めるだろ。だよな、とっておき食らわせてやろうぜ。ベータの足首を掴んで新たに手に入れた武器で攻撃する。

「…っ!この痛み…、まさか!」

そうだよ、ベータ。逆電流を使えるようにしたんだ。全く、無茶をしたものだ。

「だが逆電流を使えばお前の体もただではすまんぞ!」

「心配してくれるのか?」

確かにノーリスクってわけにはいかないけどな。体内回路内に抵抗回路を生成することで自身へのリスクは最大限低減している。まあ、限界はあるけどそれで十分だ。

「ちっ…だがこの程度なら問題ない!」

「へえ、じゃあもっと出力上げるか!」

無理するなよ。大丈夫だって。出力全開で行くぞ!

「ぐああ…!くっ…まだだ、私はこの程度では…」

「はぁ…はぁ…嘘だろ、今ので結構ギリギリだったのに。」

焦るな、新しい武器も大事だが今までの武器も忘れるなよ。おっと、そうだった。荊の鞭を取り出し棘を展開する。棘をベータの刃に引っ掛ける要領で巻き付ける。

「これで…終わりだ!」

「これ以上はやらせない。ベータの力はまだ必要だ。」

何者だ?乱入とは無粋なことを。いやいや、そうじゃなくて。

「ガンマ…私の処刑台だ、邪魔をするな…」

「ダメだ、ベータ。このままではやられる。"今日のところは引くぞ"。」

誰だか分からないけどみすみす逃がすかよ。

「"ベータを開放しろ"。"そして追いかけて来るな"。」

そんなこと言われても聞けるわけ…あれ?体が勝手に…

「さらばだ、オメガ。また会おう。」

逃げられちゃったよ。何だったんだ?生き残れただけで良しとしよう。うん、そうだな。




23話・完


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