17話「国家機密?」
翌日のバイトでさっそくバイト先の人たちに質問攻めにあった。事前に博士と相談しておいたから、答えていい部分はしっかり答え、そうでない部分は何となく誤魔化しておいた。…それにしても休憩中にまで質問しに来るから休憩時間なんか有って無いようなものだ。やっと質問攻めが終わったと思ったら、マックさんが休憩室に入ってきた。
「どうしたの?マックさん、なんか分からないこと?」
「イイエ、ハスダ氏ニアイタイ、イウヒトイマス。」
俺に会いたい人?一体誰だろう。マックさんに促されて一人の女性が入ってくる。なんか見覚えあるけど…誰だっけ?
「あ!風間さんと一緒にいた…」
「風間沙希です。今日はあなたに聞きたいことが有ってきました。」
俺の正体はもう知ってるはずだし…これ以上何を聞こうというのか。
「父をどこにやったんです?答えてください!け、消したんですか!父のこと!」
け、消した?いやいや何の話だよ。それより風間さんの身に何かあったのか?
「昨晩からずっと家にも帰って無くて…連絡も取れないんです。あなたの正体を知ってしまったから…国家機密に触れてしまったから…消されたんでしょう!?」
「あのー、すみません、何の話ですか?」
「………ひょっとして何も知らない?」
黙ってうなずく。
「はぁっ!恥ずかしいっ!」
…沙希さんの話によると、風間さんは沙希さんを溺愛しており沙希さんが電話をかければ取材中だろうが尾行中だろうが、どんな時でも必ず出てくれるそうだ。俺に消されたなんて考えになった経緯は分からないが、そんな人と連絡が取れなくなれば心配するのも無理はない。
「あー…良かったら探すの手伝いましょうか?今はバイト中なんで終わった後で。」
「ありがとうございますぅ!あんな失礼なこと言ったのに、本当になんとお礼を…」
「いや、いいんです。俺も風間さんには感謝してますし。」
バイトが終わった後、沙希さんと二手に分かれて風間さんがよく行くという場所を探してみる。しかし影も形も見当たらない。沙希さんのほうもはずれだったみたいだ。その時博士から電話がかかってきた。EVアーマーが出現したらしい。転送されてきたポイントに急いで向かう。おいおい、そっちは沙希さんが向かった方向じゃないか。ポイントに到着すると、連絡通りEVアーマーが暴れている。近くの人の避難はあらかた済んでるようだ。…いやEVにしがみついている人がいる。あれは…沙希さん!?何やってるんだ。
「沙希さん!離れて!」
EVから沙希さんを無理やり引きはがす。ソード・コンダクターで切りかかろうとするが沙希さんに足を掴まれる。
「ちょっと!何するんですか!」
「やめて!あれはお父さんなの!」
お父さん?じゃああのEVが風間さんだっていうのか?でも一体いつから?
「美しい親子愛か。お前は本当に可愛い娘だなあ。」
「お父さん…いつから?いつからそんなになっちゃったの?」
沙希さんが涙目になりながらに尋ねる。
「突然レボルトの正体を探るって言い始めただろ?その時にはもうお前の父親は死んでいた。レボルトが誰なのか突き止めるためにお前の父親の体を使わせてもらった!いやあ、よくぞ自分の力で俺の正体を突き止めたね。お前はもう、一人前のジャーナリストだよ!あははははははは!!」
「そんな…」
こいつ…。沙希さんは涙を流している。それじゃああの記事もこいつが書いたってのかよ。
「てめえ…人の気持ちを踏みにじりやがって…」
もう無理だ怒りが抑えきれない。ソード・コンダクターの出力を最大にして切りかかる。
「残念だが、先のラムダとの戦いで君のスペックは分析済みだ。」
指先で軽く受け止められてしまう。この野郎…
「ラムダへの最後の一撃が君の最大出力だろう?だが私は常に分析値の上をいく。」
メチャクチャに切り付けるがことごとく受け止められてしまう。畜生、こうなったら…
Mode:Spark!
スパークモードになるがそれでも届かない。こんな奴に、こんな奴に、こいつだけは生かしちゃ置けない。絶対倒す、こいつだけは、悪魔に魂を売ってでも!
「もう、無駄な…」
その瞬間ソード・コンダクターが敵のみぞおちに突き刺さる。
「バカな…一瞬だが分析値を上回った…?」
敵の蹴りを受け流しもう一度コンダクターを突き刺す。
「気のせいではない…!これがアダムの言う最終段階の前兆だというのか?あいつ、俺を生贄にするつもりか!ふざけるな、ここは一度退いて分析を…」
逃亡しようとする敵の首を掴む。抵抗にあい、振りほどかれる。まだ力が足りないか、ならもっとだ。
「敦彦!」
誰の声だ?…この声、大牟田さん!
「大丈夫か?様子おかしかったぞ。」
「あ…はい。それより早くあいつを!」
大牟田さんが荊の鞭を敵の足に引っ掛ける。
「大牟田さん!あいつ昨日のEVとの戦い見て俺達の力分析してます。気を付けてください!」
「それなら問題ないな!俺この前はすぐやられて寝てたから!」
…そういえば志波さんに怒られてたな。決着はすぐについた。
「よし、いっちょあがり!敦彦、止めだけお願いな。」
「…はい。」
Voltage max! 1000000V!
なんか…あっさり終わっちゃったな。まあ…いいけど。
17話・完




