表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
40/144

蛍に生じたズレ

 休息もほどほどに蛍と睦月は企業区域から移動し、若者で溢れかえる繁華街を歩いていた。


「蛍はさ、好きな子とかいないの?」

「好きな人? どうだろう、そういうの意識したことないから」


 確かに蛍が異性に夢中になったりしている所を想像する方が難しい。


「ふぅん、なら私にもまだチャンスはあるんだ……」

「睦月、何か言った?」

「ううん、何にも言ってないよ! それにしても暑いね、何か飲む?」


 睦月は自販機を指さし、蛍の手を引き向かう。


「お金は私が出すから、好きなの飲んでいいよ」

「ありがとう、じゃあ……これ」


 取り出し口から紅茶を取り出しては、喉を小さく上下させ飲み、ふぅ……と小さく声を漏らす。


「睦月、ゲームセンターに行こうか」

「うん、良いよ。珍しいね蛍がゲームセンターに行きたいなんてさ」

「う~ん、なんとなく……何となく行かなきゃいけない気がしただけ?」

 

 小首を傾げ疑問系の返答に睦月は「そっか! じゃあ、行かなきゃね」と微笑んでは、真夏の暑さから少しでも早く逃れるべく人混みを掻い潜りながら足早に向かう。


「……?」


 蛍の中で微かなズレのようなモノが生じた。


 それは、唐突に表れたが決して不快なモノではなく、言葉に言い表すには彼の語彙力が足りずこの現象に対する説明をすることが出来ない。


 だが、今この小さな掌から伝わり感じる温もりを蛍は無くしたくないと切に願い、自然と手に力が籠り、一瞬だけ睦月が振り返りいつも蛍がしているように小首を傾げ、優しい笑顔を見せ応えるように睦月も握る手に少しだけ力を込めた。


「楽しい……」


 誰にも聞こえぬ独り言のようにボソッと呟く。  

こんばんは、上月です(*'▽')ノ


今回は特にこれと言って進展はありませんが、次回では物語序盤にチョロと現れた先輩が登場します。


次回の投稿は12月10日までには投稿する予定ですので、是非ともよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ