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生クリームは頬に白く飾られて……

 怪しげな占い屋を出てから、二人は一度休憩する為に近場のファミレスで軽食を摂っているのだが、睦月は先程の占い屋で聞いた蛍の未来がどういう意味なのか気になって仕方がなかった。


 本人に聞こうかと何度も思ったが、果たして自分なんかが踏み入っていいものかと足を踏みとどまらせる。


「どうしたの、睦月。早く食べないと冷めちゃうよ?」

「あ、うん。そうだね」

「お腹空いてなかった?」

「ううん、そんなことないよ。じゃあ、いただきます」


 目の前に置かれたスパゲティーをフォークに絡めて口に運ぶが、心此処にあらずといった状態の睦月に味を感じることが出来ず、単調作業のようにフォークを皿と口を行き来させる。


「睦月」

「……」

「睦月、大丈夫?」

「えっ、あ……なに、どうしたの?」


 流石に鈍感な蛍であっても睦月の異常さには気づいたらしく、心配そうに声を掛けた。


「なんか、ボーっとしてたから。疲れてる?」

「そんなことないから大丈夫だよ。ありがとう、ちょっと考え事してただけだから。さて、食べたらどこ行こうか」

「う~ん、睦月に任せる」

「うん、任された」


 ようやく浮かべた睦月の笑顔に蛍は一度頷き、再び食事に集中する。


「ねぇ、蛍」

「うん?」

「さっきの占いの事なんだけど……」


 聞いてしまったからにはもう後戻りは出来ない。


「あれって、どういう意味なの? なんか蛍は分かってるみたいな風だったし」

「僕もよく分からない。でも、救済って事は皆が助かるってことだよね? なら、いいかなって」

「そうなんだけど、その後の世界に裏切られて魂は高次元的とか……ちょっと良くなさそうだったし、それがずっと気になって……」


 あの意味不明な占いから感じる不吉な予感に睦月は焦りのような感情を抱いていた。


「睦月は僕の心配をしてくれるんだね」

「あたりまえでしょっ! だって、仲間なんだよ? 大切な仲間にそんな不吉な事言われたら心配するぬいきまってるじゃん!」


 突如大声を出す睦月に、周囲の客や店員は何事かと視線を向ける。


「睦月……」

「……ごめんね、大声出して」

「ありがとう、睦月に心配してもらって僕は嬉しい。でも、きっと大丈夫だと思う。僕には睦月や皆がいるから」


 珍しく蛍の口角が少しだけ吊り上がり、その片目には優し気な輝きを宿していた。


「うん! そうだね。私たちがいるから大丈夫だよね。ごめん、私らしくなかったね」

「睦月が元気になってくれて良かった」

「さっ、食べたらデートの続きしよっか」

「……デート?」


 蛍は食後の特大パフェの生クリームを頬に付け、オウム返しに首を傾げた。

こんにちは、上月です(*'▽')ノ


これから、睦月と蛍の距離をドンドン縮めていきたいと思います!


次回の投稿は12月6日の火曜日の夜を予定していますので、是非ともよろしくお願いします!

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