Q.ストーリーが思い浮かびません。
先輩「チュリィィーッス! ナイスバディ美少女の先輩ちゃんでーす! こっちのちまっこい美少女は私の後輩!」
後輩「後輩です。美少女かどうかは知りません……にしても先輩、テンション高いですね」
先輩「ここはお前ら、死ぬほどつまらないゴミテキストしか産み出すことのできない、ゴミクズ小説家気取りたちのための相談室よ!」
後輩「せ、先輩。いきなり暴言が酷すぎませんか……?」
先輩「ダマラッシェー! クソの役にもたたない紙くずばっかり作り出す産廃どもにはこれがお似合いだってんだチキショーメ!」
先輩「それじゃ早速いくぞ!記念すべき第一回相談内容はこちらだァー!」
Q.ストーリーが思い浮かびません。どうすればいいですか?
後輩「なお、第一回目のこの相談は誰かから寄せられたものではなく、ありそうだなと思った相談をでっち上げた物となります」
先輩「なるほど、なるほど。ストーリーが思い浮かばないのね? なら簡単よ。一言で済ましてあげよう」
先輩「そこで完結させるべし! はい終了、解散!第二回をよろしくね!」
後輩「ちょっ、ちょっと待って先輩!この相談は多分、そういう事じゃないです!」
先輩「ああ?」
後輩「多分この相談者は、物語の大筋だけは持っているのだと思います。導入、仲間との出会い、強敵との死闘……みたいな、部分的なところだけ明確にイメージできてるのかと」
後輩「思い浮かばないストーリーというのは、その繋ぎの部分なんだと思います。仲間と出会って、日常を謳歌していると、強敵の驚異が身に迫っている事を知る。そしていくつもの苦難を乗り越え、強敵の元へたどり着く!」
後輩「この『日常を謳歌』や『苦難を乗り越え』の辺りが、思い浮かばないのではないでしょうか?」
先輩「なるほどねぇー。最初から順番に書いていってるから、イメージが無い部分に辿り着いたら行き詰まっちゃうわけ」
後輩「逆に『仲間との出会い』や、『強敵とのやり取り』みたいな部分が思い浮かばないのかもしれません。私もこういうのは覚えがあります。先輩、こういった場合どうすれば?」
先輩「ずばりお答えしましょう!」
先輩「思い浮かばない部分は、書かないッッッ!」
後輩「……えっ? い、いや待ってくださいよ先輩。ここ、小説として大切な所なんですよ? 書かないわけにはいきませんよ……」
先輩「大丈夫さ後輩ちゃん。思い浮かばないなら、仲間との感動エピソードだろうが主人公が悟りを開いて神になるシーンだろうが、バッサリカットしちゃえばいいのよ!」
後輩「物語として成り立たなくなるんじゃ?」
先輩「そんなことはないわ。いい? 後輩ちゃん。思い浮かばないシーンなんてのはね、書いているあなたにとって大して重要でもないシーンだから、思い浮かばないのよ」
先輩「確かに小説としては重要かもしれない。でも、あなたにとってはそうじゃないの。あなたの中の、イメージが明確にあるシーンを思い浮かべてみなさい?」
先輩「文章表現、行間のタイミング、キャラクターの細かい会話のやりとりまで、思い浮かべる事ができるでしょう?」
先輩「それは、そのシーンがあなたにとって大切で、書いてるあなたがすごく好きなシーンだからなのよ。そういうシーンこそが、読者が面白いと感じるシーンであり、読みたいと思わせられるシーンなの」
先輩「逆に明確なイメージもなく無理矢理に捻り出したようなシーン。そんなのは書いてる自分も好きなシーンじゃないし、好きじゃない部分なんてのは得てしておざなりになってしまうものよ」
先輩「そういった筆者自身が好きでもない、おざなりなシーンをみ見た読者はなんて思う?」
先輩「こう思うのよ。『この小説は面白くないな』」
後輩「た、確かに……」
先輩「言ってみればそうね……。『頭では必要と理解してても、心が叫んでいるんだ!』って感じかな?」
後輩「その例えはよく分かりません」
先輩「ともかく思い浮かばないシーンなんて書く必要ナシ! 明確にイメージがある部分だけ書き連ねていけばいいのよ! シーンの頭くらいに申し訳程度のダイジェストか、あんな事があったけど、なんとかなったぜ!……的な会話劇だけ付け加えれば、何も問題はナシ!」
先輩「どうせ無いものを絞り出しても、便所に吐き出されたタンカスみたいな文章しか生まれないのよ。読者は死ぬほどつまらん茶番を見せつけられる事もなく、筆者も展開に悩みすぎて頭がおかしくなって死ぬこともない! 無いなら書かない! これが正義!」
先輩「分かったら今必死こいて書いてるそのゴミクズテキストをゴミ箱に放り込んでお布団で寝やがれ! この玉無しヘナチンがァーッ! お前ら能無しなりに考えた一番面白い部分! それだけを見せてればいいんだよ!」
後輩「で、でもやっぱり重要ですよこの部分……他の重要なシーンと比べると好きではないとはいえ、嫌いなシーンってわけじゃないですし。ちょっとだけの回想程度で終わらせてしまうのは、どうにも勿体無い気がして……」
先輩「なら後で書けばいいのよ」
後輩「後で?」
先輩「そう。件の思い浮かばなかったシーンをカットした話数の三話後あたりに、急にその内容が思い浮かぶかもしれない」
先輩「思い浮かんだなら書く! そのときに書く! タイトルには外伝とでもつけていればいいわ。考え付かない時に書こうとするのは、絶対に良くない結果しか生まないわ!」
先輩「実際、そういうふうにしてる商業文学もたくさんあるわ。ちょっとカットしたくらいじゃ、スカスカなストーリーだなこの小説……なんて思われないから、安心して好きな部分だけ書いてろってんだ!」
後輩「な、なるほど……そう言われると、少し安心できた気がします」
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先輩「ってなわけで、第一回小説を書きたい相談室! これにて終了!」
後輩「思ったよりはまともに返答してて安心しました」
先輩「当然。私だって面白い小説が読みたいからね! 真面目にもなるさ!」
後輩「今回の相談は捏造でしたが、これからは実際に読者さん達からも相談を受け付けていきたいと思います」
先輩「小説を書いてて困った! 相談したい! って事があれば、感想欄にでも書いてくれれば、このかわいいナイスバディ美少女先輩ちゃんが優しくお答えしちゃうゾ!」
後輩「なお、返答は今回のように先輩の暴言や罵倒が入り交じったものとなりますので、ご相談なさる場合はそれらを重々承知の上でお願い致します」
後輩「また、この相談室の返答は、先輩による独断や偏見のみで構成されたものとなりますので、鵜呑みにせず参考程度に留めておいて下さいませ」
先輩「失敬な! 客観的な観点からの超正確な指摘だというのに!」
後輩「では、第二回でまたお会いしましょう」