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翼をもらったツキ。 第5話

利とルナを襲う試練!

この小説は、ブルガリア民話をもとにしたすこしふしぎ小説です。

【二次創作】【重複投稿】


第五話


「きゃっ!?」

 そこにいたのは確かに人間サイズのルナだ。

 ミカン色の団子頭にフリフリメイドさんドレスのルナが、

かがの好物であるジャーマンポテト風を作っている。


 利は叫んだ。「お前、ルナか?!」


 人間サイズのルナは、だいぶ慌てていたらしく、

手足を色んな方向にばたつかせてまごまごしている。

 しかし、その左手には先日利が特売で購入した

塩コショウの瓶が、蓋の開いた状態で握られていた!

塩コショウが辺りにばらまかれる。


「くしゅん!…くしゅ!くしゅ!!」

「ハックション、うう…クシッ!!」

 二人はくしゃみが止まらなくなった。

「おい!ルナ!何してくれてん…クショォイ!!」


「くしゅん…っくちゅん!!」

 すっとくしゃみをするルナ。

 利はそれを見て、なんだか笑ってしまった。

「はは、ははははっ。…すげーよ、ルナが人間になっていて、

コショウでくしゃみしてらあ!」

 もう涙目のルナも思わず笑ってしまった。

「ごめんなさい、ご主人さ、くしゅ!…うふふっ!」


 落ち着いたところで、利とルナはちゃぶ台を囲んで

ジャーマンポテト風とご飯を食していた。

 もっとも、ジャーマンポテト風は、先程のくしゃみ騒動で

だいぶ焦げている。

 ルナは語り出した。


「初めてここに来た時、ご主人様があまりにも

ひどい生活ぶりだったもので…

それでどうしても助けたかったわけで、

それで、洗濯したり、お食事を作ってたのです。

本当は、手助けしないつもりだったんですけど…」


「これでも生活ましな方だけどね。」

 利は言った。自分より悲惨な生活をしている

若手芸人を、いっぱい知っている。


 

「そういうことじゃないんです!」

 ルナが即座に否定した。

「その…生活に関してとか限定じゃなくて、

あまりにも…ご主人様が青梅おうめさんに囚われ過ぎている…

というか、青梅さんを束縛している…

そんな気がするのです」


「とらわれている?そくばくしている?」

 利は驚いた。そんなこと考えたこともなかった。


 昔はコンビの相方同士というものは、プライベートでは

口も利かないというのが定説だったわけだが、

最近は仲のいいコンビが増えてきた。

 「市蔵」も仲が良かった。

 青梅といると飽きない。例えばコントの細かい味付けや

ラーメンの細かい味付けとかでもめることも

多々あるわけだが、それでもすぐに仲直りする。

 決してこじれない。

 また、女子の恋人のように、必要以上にべたべたしてこないし、

一般の友人のようにお笑いのセンスがぼんやりしていないから、

結果、青梅のそばが一番居心地がいいわけだ。

 青梅に甘えて、ぬくぬくし続けていたのである。


「そうか。」利はぽつりとつぶやいた。

「俺は、知らず知らずに青梅を縛りつけていたんだな。

それで、青梅は自由になりたくて…」


「ご主人様!?」いきなりルナの顔が至近距離に来た。

「おいルナぁ、人が感傷に浸ってるのに大声出すなよ。

お隣にも聞こえるだろう、」


 ルナは世界中で利にだけ聞こえるように囁いた。


「私とコンビを組んで下さい」


 だめだだめだ、利は手をひらひらさせていった。

しかし、ルナは引き下がらなかった。

「ネタなら私が作ります。青梅さんから卒業して、

私と天下取りませんか?」

「あのなあ、ルナのようなおにんぎょさんが出来るほど

ネタ作りは甘くないよ」


「それはネタを見てから仰ってください」

 そう言ったルナのビー玉細工のような蒼い眸は、

自信ありげにきらりと光ったのだった。


(続く)


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